「日本海」単独表記、国際水路機関が継続案…韓国配慮し議論に余地
<time datetime="2019-12-21T09:20">2019/12/21 09:20 読売新聞</time>
韓国が日本海の呼称に「東海」の併記を求めている問題で、日本海を単独表記している
国際水路機関(IHO)の指針について、IHO事務局が現行のまま引き続き利用する案を
まとめたことがわかった。指針を巡っては、韓国が改訂を求めていた。IHO加盟各国が参加する
来年4月の総会で認められれば、単独表記が維持されることになる。
IHO事務局が20日、この案を盛り込んだ報告書を公表した。ただ、今後も海域の表記について
検討することも提案しており、韓国側にも配慮した形となった。
IHOは、世界の海洋名が記され、各国が海図作製の参考とする指針「大洋と海の境界」を
刊行している。1929年の初版から現行版まで、日本海の海域は「Japan Sea」と
記されてきた。一方、韓国は国際社会で「東海」併記を求める主張を繰り返し、IHOにも
指針改訂を求めてきた。
IHO事務局は日韓や北朝鮮など関係国を交えた非公式協議を今春以降2回開き、改訂の是非を議論。
日韓の主張は平行線をたどったが、協議を踏まえて事務局がまとめた報告書では、
指針は「今後も公式に利用できる」と評価された。
その一方で「必要に応じ、海域の表記を検討する」とも言及。
ある政府関係者は「今後も議論の余地があることを示し、韓国側に配慮したのでは」とみている。