ブルキナファソが台湾と国交断絶
2018年05月25日 JETRO アビジャン発
ブルキナファソのアルファ・バリー外務・協力相は5月24日、首都ワガドゥグで会見し、台湾との国交断絶を発表した。
これを受け、台湾政府もブルキナファソ政府に対し即日の断交と、協力および援助計画の全面停止、大使館の閉鎖、
医療団と技術協力員の引き揚げなどを通告した。アフリカにおける台湾との国交断絶は2016年12月のサントメ・プリンシペ以来。
本決定により、アフリカで台湾との国交を維持する国はスワジランド(注)のみとなった。
台湾とブルキナファソは1961年に国交を樹立。1973年に断絶した後、コンパオレ前大統領時代の1994年に国交を回復していた。
以来、台湾は病院建設や医療資機材の供与、学校建設、職業訓練、地方における太陽光パネル設置、国産米増産支援などの幅広い
支援を行い、ブルキナファソとの関係強化に努めてきた。特に国産米増産については、農地開発から人材育成、機械化まで幅広い
取り組みが行われ、国産米の流通も始まっていた。
近日中にも中国との国交締結か
一方で、ブルキナファソでは、道路や電力などの基礎インフラについて整備の遅れが指摘されており、西アフリカ各地で中国が
進めるプロジェクトから同国が除外されてきた。今回の決定について、バリー外相は「この決定は、わが国と国民の利益を守り、
社会経済の発展強化と国内および域内における主要プロジェクトの促進、新たなパートナーとの関係構築に向けたものだ」と述べ、
中国との関係改善と経済関係の強化を示唆した。
台湾との断交については、中国外務部も「歓迎する」との声明を出しており、中国との国交締結について近日中に正式発表が
あるものとみられる。
(注)スワジランドは、国王が2018年4月に国名を「エスワティニ」に変更すると発表している。
中国、ブルキナファソを「称賛」
2018.5.25 07:28 産経新聞
24日、ブルキナファソとの断交について記者会見する台湾の蔡英文総統=台北市の総統府(共同)
【北京】中国外務省の陸慷報道官は24日、西アフリカのブルキナファソが台湾との外交関係を断絶すると発表したことについて
「称賛」する声明を発表した。陸氏は、アフリカ諸国が近年、中国との関係を次々と正常化しているとしていることは
「一つの中国」原則が大勢の赴くところであることを表していると主張。ブルキナファソが「中国とアフリカの友好協力の
『大家族』に早期に加わることを歓迎する」と述べた。
「日本軍美化」と中国で批判、台湾でドラマ中止
2018年5月21日12時34分 読売新聞
【台北】台湾のテレビ局が日中戦争時に看護婦として日本軍に献身的に尽くした台湾人女性を主人公にしたテレビドラマを制作・
放映したところ、中国のインターネットで「日本軍を美化している」「媚日(びにち)」と批判が殺到し、放送中止に追い込まれた。
15日付の台湾紙・自由時報などが伝えた。台湾のテレビドラマや映画が中国で放映禁止になる例はあるが、台湾で放送中止に
なるのは異例。テレビ局側は「政治とは無関係」と説明しているが、テレビ局を運営する仏教系慈善団体が中国でも活動している
ことから、中国が圧力をかけたと受け止められている。
ドラマは「智子の心」で、日本統治下の台湾で育った18歳の女性が家族の反対を押し切って香港や広州の戦地に渡り、
日本軍の兵士のために活動する内容。実話を基に制作し、今月から放映を始めたが、中国のネットや官製メディアで「媚日」
「新皇民運動」などと猛反発され、テレビ局は全35話のうち、2話で放送を打ち切った。
台湾は当時、日本の統治下にあり、台湾人は日本人として教育を受け、戦地にも赴いた。自由時報の投書欄には
「中国からみれば混乱した(国家)認識だろうが、台湾からすればこれも歴史の一部」との声が掲載された。