バイエル、モンサントを660億ドルで買収-農業化学世界最大手に
2016 年 9 月 14 日 22:54 JST THE WALL STREET JOURNAL
【フランクフルト】ドイツの製薬・化学大手バイエルは14日、米除草剤・農業バイオ技術大手のモンサントを総額660億ドル(約6兆7800億円)で買収すると発表した。これで世界最大の農業化学企業が誕生する。
買収に向けた協議は数カ月続いていた。ドイツ企業による外国企業買収案件としては過去最大の規模となる。
バイエルはモンサントの1株につき現金128ドルを支払うこととし、先週提示した1株127.50ドルから引き上げた。5月に示した最初の買収額は122ドルだった。
バイエルは取引完了3年後から年15億ドルの相乗効果が期待できると述べた。
バイエルがモンサント買収で合意、660億ドルに引き上げ
[ニューヨーク/フランクフルト 14日 ロイター] - 独医薬品・化学大手、バイエル(BAYGn.DE)は14日、米農業関連・種子開発大手、モンサント(MON.N)を1株当たり128ドルで買収することで合意したと発表した。
債務を含む買収総額は約660億ドル。1株当たりの買収提案額をこれまでの127.50ドルからさらに引き上げ、ようやく合意にこぎつけた。
提案額は、書面で初めて提案を行う前の5月9日のモンサント株価に44%上乗せした水準という。
ただ、買収には紆余(うよ)曲折を予想する声も聞かれる。競争当局が買収を精査する公算が大きく、バイエルの一部株主は買収提案額が高すぎて、自社の製薬事業軽視につながる恐れがあるとして、警戒感を示す。
買収は2017年末までに完了する見通しで、買収には各国・地域の独禁当局の承認が必要で、承認を得られず破談になった場合はバイエルがモンサントに違約金20億ドル支払う。
買収資金は債務と株式の組み合わせで賄う方針で、株式部分に関しては強制転換社債と株主割当発行を通じて約190億ドルを調達する。金融機関が、570億ドルのつなぎ融資を行うという。
バイエルは今回の買収で、手続き完了後の1年間に1株当たりの中核的利益を押し上げるほか、押し上げ効果は3年目に2桁%に達すると見込んだ。
バーンスタイン・リサーチのアナリストらは、規制当局が買収を認める確率は5割と予想。投資家を対象にした一部調査では平均7割となっていることも指摘した。
同社アナリストらは調査メモで、供給業者が経営統合を進めることに農家が不満を示すなど、政治的な抵抗に直面すると予想した。
14日の取引で、バイエルの株価が約2.8%高の95.92ユーロ付近、モンサントは約0.6%高の106.71ドル前後で推移した。
農業関連・化学の再編の動き
日経新聞より抜粋
バイエルは農薬が強く、モンサントは種子を主力とする。新興国の人口増などで農薬と種子の需要が拡大する一方、企業側では生産効率向上に向けた製品の研究開発負担が増しており、業界再編が加速している。
モンサントは昨年、農薬首位のシンジェンタ(スイス)の買収に動いたが、シンジェンタの反対にあい断念。逆に今年5月からバイエルからの買収提案を受けていた。モンサントは提案を拒否しながら、両社の交渉は続きバイエルが条件を見直してきた。
業界では、2015年12月に米化学大手のダウ・ケミカルとデュポンが経営統合で合意し、農業関連事業を統合した新会社(売上高約160億ドル)を設立する予定だ。
今年2月には中国国有化学大手の中国化工集団がシンジェンタの買収で合意した。
カナダ肥料大手のポタシュ・コーポレーションは9月12日、カナダ同業のアグリウムと経営統合すると発表した。統合会社の売上高は約210億ドル(約2兆1000億円)で、世界最大の肥料会社として経営基盤を強化する。
種子、肥料、農薬の会社が次々と経営統合がされて巨大化し、農産物増産へ動いています。
世界中に遺伝子組換え種子が蒔かれ、農薬がまかれる。人類は核で滅びるよりバイオ、ケミカルで滅ぶんじゃないでしょうか。
農家の方には遺伝子組換え種に抵抗をお願いしたいです。
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