マレーシア、偽ニュース取り締まり法成立へ 言論統制の懸念
2018年4月3日 12:12 発信地:クアラルンプール/マレーシア AFP
オーストラリアで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議に出席したマレーシアのナジブ・ラザク首相(2018年3月17日撮影)。
【4月3日 AFP】マレーシア下院は2日、「フェイク(偽)ニュース」の発信者に最高6年の禁錮刑を科す法案を可決した。
同法案に対しては、選挙前に政権批判を封じる目的だと非難する声が上がっている。
同法案は国内外のメディアに適用されるため、ナジブ・ラザク(Najib Razak)首相が設立した政府系
ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の不正疑惑への批判を封じる目的が一部にあると
みられている。
ナジブ氏は数週間以内に実施される見通しの総選挙で3期目を目指しており、同氏が率いる連立与党は
マレーシアで60年以上にわたって政権を握ってきた。
下院で可決された法案は当初、当局が偽ニュースと見なした情報の配信者に最高10年の禁錮刑と罰金50万リンギット
(約1400万円)を科すとしていたが、政府は激しい非難を受け、禁錮を6年以下に引き下げていた。
同法案は上院で審議され、国王の承認を経て発効するが、上院は与党連合「国民戦線(Barisan Nasional)」の
議員が過半数を占めているため可決は確実とみられる。
同法が適用される偽ニュースとは、「一部または全てがフェイク」と見なされた情報で、フェイクだと分かった上で
そうした情報を流したブロガーやソーシャルメディアでシェアしたユーザー、演説した者などが対象となる。
自由を奪う『フェイクニュース取締法』マレーシアで成立