日米台の専門家、安全保障協力について議論 米シンクタンクで
米シンクタンク・プロジェクト2049研究所が3日、「米日台安全保障協力の今後」に関する会議を
開催した。専門家らは、インド太平洋地域における中国の脅威に対抗するため、米日台が協力関係を
強化すべきだと述べた。米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。
米台商業協会(US-Taiwan Business Council)のルパート・ハモンド・チェンバース
(Rupert Hammond-Chambers)会長は基調公演で、中国は米中戦において、米国を打ち負かす
ことよりも「米国の完全なる破綻」を目論んでいると指摘した。
チェンバース氏は1951年から始まった日米同盟は両国の安全保障の核心であり、アジア太平洋地域を
守るために「第三者による弱体化を許してはいけない」と指摘。日本は同地域の安全を守る役割を
「徐々に拡大させるべき」との考えを示した。第一列島線上にある台湾の安全を守り、日台間の
「安全保障と政治について対話を深めなければならない」と述べた。
日本と台湾が国防について「常に有意義な意思疎通」を図らなければ、北東アジアで衝突が起きた場合、
困難に直面すると指摘。米国はプラットホームを提供し、三者間が軍事面でよりよい交流が行われるよう
サポートすることができると述べた。
チェンバース氏は、「今まさに日本と台湾が密に連絡を取り合う時期がきた」と強調し、日米同盟を
ベースにして、日台が直接、定期的に連絡を取り合う制度が必要だとした。
日本政府は対中関係の改善を進めるなか、安全保障の面で台湾と協力することに躊躇している可能性が
あるとし、「双方はまずシンクタンク間の交流、サイバーセキュリティと国防産業における協力関係を
スタートさせることが可能」と提言した。
パナリストで日本国際問題研究所の小谷哲男主任研究員は、中国が建国70周年の軍事パレードで
披露した多数の武器は日台の安全保障に脅威をもたらし、「台湾有事の際、日本が米軍への後方支援を
行う可能性があるため、日米台の三者は協力する必要がある」と述べた。一方、日本は対中関係を
改善する動きがあるなか、台湾との安全保障の連携は敏感な問題になると指摘した。
軍事パレードで、中国は米国本土を射程に収め、核弾頭の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル「DF-41」や、
極超音速滑空ミサイルを搭載する「DF-17」などの最新兵器を公開した。
台湾のシンクタンク「遠景基金会」の頼怡忠執行長は、「中国軍が台湾周辺での活動を再開しており、
日本の安全にも脅威をもたらしている。中国軍の動向についての情報交換や国防産業、サイバー
セキュリティなどの分野で台日の安全対話を急ぐべきだ」との認識を示した。
米国が2017年に発表した国家安全戦略で初めて、中国を主要な「戦略的競争者」と位置付けた。
日本の2019年版防衛白書は、中国が「地域と国際社会の安全保障上の強い懸念になっている」と
軍事的な脅威を強調した。