蔡英文(ツァイインウェン)新総統就任演説前後の報道まとめ
●「蔡英文」が中国版ツイッターで一時検索不能に―英メディア
20日、英BBC中国語版ウェブサイトによると、中国版ツイッター・微博で台湾の新総統の名前が一時検索不能になったという。
台湾総統府公式サイトより。2016年5月20日、英BBC中国語版ウェブサイトによると、
中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で台湾の新総統の名前が一時検索不能になったという。
台湾では同日、1月の選挙で勝利し、8年ぶりに政権を獲得した民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン)氏の総統就任式が行われた。
これに関連して、BBCは「中国のSNS微博上で『蔡英文』が一時検索不能になった」と伝え、検索画面のキャプチャ写真を掲載している。
記事は中国が蔡氏に圧力をかけていると報じている
●台湾に行き、中国人観光客の激減ぶりに驚いた=中台関係、新政権発足待たずに波高し?
最近、台湾に行ったら、中国大陸の観光客が激減しているので驚いた。
とにかく、台北市内の観光名所に行っても、中国人の団体客が全然いないのだ。
2年前の一昨年5月に台北を訪れた際、市内は中国人観光客だらけ。
市内中心部で、蒋介石台湾総統を祀っている中正紀念堂は、まるで蝋人形のように表情を変えず、指先すらも動かさない儀仗兵が有名だが、中国人観
光客のあまりの騒々しさと、立ち入り禁止の柵内にずかずかと上がり来むなどのマナー違反から、
本来は動かないはずの儀仗兵が怒って、持っていた銃剣付きの銃の台座を何回も床に叩きつけていたほどだ。
ところが、今回は様変わりで、春休み中の親子連れの日本人団体観光客が多かったせいか、極めて静かだった。
このような状態は中正紀念堂だけかなと思って、約33万人の英霊を祀る郊外の忠烈祠や故宮博物院にも足を伸ばしてみたが、
結果は同じ。台湾で最も高い「101ビル」にも寄ってみたものの、やはり大陸からの観光客の姿はほとんどなかった。
いったい、どうなっているのかと思い、地元のジャーナリストに聞いてみた。すると、彼は「1月の台湾総統選挙や立法院(国会に相当)選挙で、野党の民主
進歩党(民進党)が大勝利したので、中国の観光業者が台湾渡航業務を自粛しているらしいのです」と苦笑いしていた。
3月から中国人観光客の団体ツアーの入台許可申請数が1日当たり1万1千件と昨年同期の1万8千件に比べて約40%も減少。
台湾を訪れた昨年の外国人観光客1千万人のうち、4割以上の420万人が大陸からの中国人観光客だけに、年間約170万人もの激減となる。
民進党はもともと台湾独立志向が強く党綱領にも独立の条項が入っているため、
台湾独立に絶対反対の中国共産党政権は民進党の動きを警戒。
習近平国家主席は「いかなる台湾独立の分裂行為も阻止し国家主権と領土を守る」と強調したほどだ。
「中国側は次期台湾総統の蔡英文氏や民進党指導部に対し『1つの中国』を認めるよう求めており、
蔡氏が5月20日の総統就任式の演説で台湾独立問題について、どのように言及するか注目している」と指摘する。
実際、中国は最近、「1つの中国」を中台の当事者が認め合ったとされる「92年コンセンサス」について、
蔡英文主席ら次期民進党指導部に認めるよう意思表示せよと迫っている。
認めなければ、「両岸和平即毀((中国と台湾の和平は即壊れる」と警告している。
筆者が台北で蔡氏に近い関係者に聞いたところ
「蔡氏も現状維持を希望しているが、コンセンサスを認めるのは難しいだろう」と指摘しており、
中台両岸関係は新政権発足を待たずに波高しといったところだ。
●台湾 蔡英文総統が就任 演説へ 日本の対応
台湾で8年ぶりに政権を奪還した民進党の蔡英文総統が20日に就任し、
就任演説では、急進的な独立路線はとらない穏健な姿勢を示しながら
中国と安定した関係の維持を目指す立場を表明するものとみられます。
蔡英文氏は日本時間の午前10時から台北の総統府で行われた就任式に臨み、
「憲法に従って忠実に職務に尽くし、人民の福祉を促進し、台湾の安全を守る」と宣誓して台湾の総統に就任しました。
蔡英文総統はことし1月の総統選挙で当選し、中国との融和策を進めてきた国民党から8年ぶりに政権を奪還しました。
独立志向が強いとされる民進党による政権は2000年から8年間続いた陳水扁政権以来、2度目で、女性の総統は台湾では初めてです。
蔡総統はこのあと総統府前で開かれている祝賀式典の会場に移動し、
就任演説を行います。演説では、焦点となる中国との関係について、急進的な独立路線はとらない穏健な姿勢を示しながら
中国と安定した関係の維持を目指す立場を表明するものとみられます。
しかし、将来の台湾統一を目指す中国は、民進党に対して、
「中国大陸と台湾はともに1つの中国に属する」という考え方を認めるように繰り返し迫っています。
このため、演説の内容によっては中台関係が冷え込む可能性もあり、
蔡総統が対中国政策についてどのように言及するのかに注目が集まっています。
菅官房長官「協力と交流のさらなる深化を」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、
「台湾はわが国にとって基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人だ。
政府としては、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくとの立場を踏まえ、
日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていく考えだ」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が今後の台湾と中国の関係や日本と中国の関係への影響を質問したのに対し、
「台中の関係は、当事者間の直接対話によって平和裏に解決されること、また、地域の平和と安定に寄与していくことを期待したい。
日中関係についての影響は全くないと思う」と述べました。
外相「蔡氏の総統就任を歓迎
岸田外務大臣は閣議のあと記者団に対し、「蔡英文氏の総統就任を歓迎する。台湾はわが国にとって
、基本的な価値を共有し、緊密な経済関係や人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人だ。
日本と台湾の協力と交流のさらなる深化を図り、さまざまな課題に取り組んでいきたい」と述べました。
●台湾で蔡英文氏が総統就任 女性初
台湾で20日、民主進歩党(民進党)の蔡英文氏(59)が総統に就任し、同国初の女性の総統が誕生した。
控えめながら強い意志力のリーダーと評価される蔡氏は、今年1月の総選挙で民進党を圧勝に導いた。
民進党は従来、中国からの独立を志向しており、同党の政権獲得を受けて中台関係は冷却化している。
過去中国は台湾に武力行使すると脅かしています。今も数百のミサイル」が台湾に向いています。
ツァイ女史、(59)は、公印が授与される前に、国旗の前で大統領宣誓をした。
宣誓を終えた蔡氏は、馬英九前総統と共に総統府前に集まった市民らに手を振った。
就任演説おいて、ツァイ女史は
台湾の人々は、「生き方として、私たちの自由と民主主義を守ることに積極的に関わった事を示してくれました」述べた。
「両岸関係の安定と平和的発展を継続的に推進されなければならない」、
また蔡氏は「両側の人々の利益のために、歴史の重荷をおろし、正しく対話することを両国に呼びかける」、と述べた。
ツァイ女史がスピーチで言ったことは、北京を満足させることはほとんどなかた。北京は、彼女が当初、双方が1つの中国の一部であるという
1992年に両側の合意を認識すると主張していた。、
彼女は以前、台湾政府と北京に理解を示していた立場だったが、
自分自身がそれを受け入れるのをちょっと停止した。
緊張が南シナ海で生じると、台湾が、海で係争にある島への反対主張国の仲間になるより
中国と同盟するようにと北京は熱心言ってきた。
中国をいらいらさせるのは、
台湾の民主主義と自由は、これを保護すことは、すべての台湾人の責任だと言っているのが彼女の中核になっていることである。
中国本土が島の最大の貿易相手国であり輸出市場なっている経済関係よりも
台湾の人々が自分たちの社会のこれらの特徴と自己ルールを大切にすることは、北京に対しての明確なメッセージである。
北京に向けての民主主義と自由は、台湾の独立を意味し、中国はおそらくツァイ女史に不信感をもち続けるだろう
●中国外交部、蔡英文氏の就任演説ついて発言
5月20日、外交部(外務省)の華春瑩報道官は定例の記者会見を開き、各国記者の質問に答えた。
「蔡英文氏の就任演説についてどのように評価しているか」という記者の質問に対し、
華春瑩報道官は「一つの中国の原則は国際社会にも広く認められており、
この原則を堅持することも中国が世界各国との関係を推進する重要な政治的基礎と前提である。
台湾島内の政局にどのような変化が生じようと、中国政府は一つの中国の原則を堅持し、
台湾独立に反対し、『二つの中国』や『一中一台』といった立場に反対する姿勢に変化はない」と強調した上で、
「先日(5月19日)、ロシア外務省は世界において中国は一つだけであり、いかなる形での台湾独立にも反対すると明言している。
中国はロシアのこの政治的立場の表明を高く評価する」とした。
台湾の政権交代について
杜主任は、「5月20日以後、両岸関係や台湾の外交状況は05~07年時に逆戻りする可能性がある。
記事は、蔡英文氏が今年1月の選挙に勝利してから、中国国営メディアは絶えず「92年コンセンサス」を認めるよう迫ってきたと指摘する。
3月に中国とガンビアが国交を回復した際にも、メディアは「台湾派中国の不可分の領土だ」というガンビア外相の言葉を強調して伝えた。
中国共産党系の環球時報は同日の社説で「蔡英文が『92年コンセンサス』や『一つの中国』を公に認めないのは
●台湾問題に沈黙する米国の愚
16日投開票された台湾総統選は、野党・民進党の蔡英文候補が大勝し、初の女性総統に選出された。
選挙結果は中国、米国、さらにアジアにとって重大な影響を及ぼす。米国の将来の指導者はそれが分かっているのだろうか。
米国初の女性大統領となることを望み、米国のアジアへのピボット(軸足移動)戦略を立案したと自負するヒラリー・クリントン氏は、
今週台湾について何も語っていない。台湾や蔡氏に祝意を示す声明を出さず、ツイッターへの投稿さえもしなかった。
何人かの共和党大統領候補の対応は良かった。マルコ・ルビオ上院議員は
「総統選は、台湾が繁栄する民主体制であることを示した」と評価し、
「米国にとって アジアの最も古い友邦」と政治・経済・安全保障の協力関係を拡大するよう提唱した。
テッド・クルーズ上院議員も「台湾の住民は自由を切望する隣人の灯台と なっている。米国は同盟関係にある友邦の台湾に敬意を表する」と述べた。
ジェブ・ブッシュ元テキサス州知事やクリス・クリスティー・ニュージャージー州知事もこうした見方に同意するだろうが、何も言わなかった。
ドナルド・トランプ氏も同様に沈黙を保った。
米国の外交政策は、大統領候補の選挙戦での言動だけで決定されるわけではない。
だが、選挙戦のレトリックは一般国民の優先課題を反映している。
多くの大統 領候補が台湾の総統選に言及しなかったことは単発の出来事ではない。
米国のパートナーとしての台湾、中国の侵略対象としての台湾の重要性を誤解したよくあ りがちな行動なのである。
米国は、中国軍の「主要な任務」は今も台湾との戦いに備えることであるとみている。
米国防総省は議会に昨年提出した報告書で、かつて台湾は中国 に対し「島嶼(とうしょ)防衛という地政学的な利点」に加え、
軍事技術上の優位性を享受していたが、近年は中国軍の近代化に伴い「そうした強みの多くが損 なわれ無効になっている」と述べた。
中国共産党は台湾を「中国の不可分の領土」とみなし、台湾が自発的に本土と統合するつもりがなけれ ば、武力に訴えると警告している。
民主的な自治は台湾の権利であると強調する蔡氏の勝利を受けて、
中国のソーシャルメディアでは「台湾統合のため武力行使 を」という言葉が飛び交った。
米国のアジア回帰は中国の侵略を阻止することを目的としているが、台湾の存在を無視している。
2009年 から12年まで米国在台協会台北事務所の所長を務めたウィリアム・スタントン氏は
「オバマ政権の対中政策の最大の失敗は台湾への対応だ」とし、「米国のア ジア回帰政策を説明する際に、台湾への言及がまったくない」と批判する。
台湾の人口規模や経済は見過ごされても仕方がないというもので はない。
人口は2300万人でオーストラリアに匹敵し、米国にとってはインドを上回る第10位の貿易相手である。
1980年代に始まった独裁政権から民主 体制への平和的な移行は、世界のモデルになるべきものだ。
中国の指導部や西側の中国支援者は時に、自由民主主義的な「ワシントン・コンセンサス」に対抗し て「北京コンセンサス」を提唱する。
だが台湾の選挙は、この比較で中国がいかに貧弱かを露呈した。
香港について中国は、市民の自由を尊重して台湾統合に向けたモデルをつくり上げると約束していたが、
民主主義尊重の約束は今やほごにされてしまった。
中国当局は香港で共産党批判派を拉致したとして非難されている。
地図をよく見れば、台湾の重要性が他にも浮かび上がってくる。
台湾はインドネシアから日本に至る西太平洋の「第1列島線」の中心にあり、中国が軍事的に外 洋に乗り出そうとするのを抑えている。
中国が台湾を占領すれば、中国の潜水艦は台湾東岸を拠点にして太平洋に自由にアクセスできることになる。
日本など米国の同盟国は、自国の安全保障にとって台湾は極めて重要とみなしている。
米国が台湾への関心を低下させれば――ましてや一部の米国の学者が提案 するように台湾を見捨てれば――
米国のアジアにおける同盟が砕け散り、日本や韓国が核保有に向かうなど、地域の安全保障に重大な影響をもたらすだろう。
したがって、台湾にとっては蔡英文氏の総統選勝利は米国の関心を呼び戻す絶好の機会となろう。
中国が台湾の新政権に対し経済的、外向的、軍事的に圧力を掛 けようとすれば、早晩米国は重大な関心を払わざるを得なくなるかもしれない。
それは、この問題の現在における重要性を浮き彫りにしている。
アイオワ州と ニューハンプシャー州で予備選・党員集会に臨む大統領候補らはよく考えるべきである。
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前総統馬英九は反中国でしたが、最後の最後に習主席と首脳会談を行い「1つの中国」の原則を確認することになりました。
中国に対していい子になった台湾。
その後2016年4月「沖ノ鳥島沖台湾漁船拿捕事件」が起き、日本の排他的経済水域に馬氏が大反発してました。
中国との会談の影響?習近平が指示?日本は拿捕ではなく警告で追い払えばよかったのに、いろんな疑問を感じました。
新政権には最初から攻撃的な中国。
馬氏が退任前に「馬政権をなつかしく思うであろう」と言ってましたが
「蔡総統の政策により台湾はなくなるよ。私のように1つの中国に同意しないと後悔する」という事を暗に言っていたんでしょうか。
蔡総統の動きは注目していきたいです。
独立国家として世界に認められるよう、ゆるやかに変化していける事を祈ります。
トランプ氏はなぜ台湾に触れないのでしょう
中台関係についてまだ勉強中なのかな?
米国は現在、台湾に防衛面で武器提供等協力しています。
ここは黙っていた方がベストかも。