台湾がエルサルバドルと断交 中国は国交樹立の文書に署名
2018.8.21 13:25 産経新聞
【台北、北京】台湾の呉(ご)●(=刊の干を金に)燮(しょうしょう)外交部長(外相に相当)は21日午前、
記者会見し、中米エルサルバドルと外交関係を断絶すると発表した。2016年5月に民主進歩党の蔡英文政権が
発足して、台湾と断交する国は5カ国目。台湾が外交関係をもつ国は過去最少を更新し、17カ国となった。
一方、中国とエルサルバドルは21日午前、北京で国交樹立の文書に署名した。
呉氏は、台湾への中国の外交圧力が背景にあるとして、「中国の横暴なやり方は両岸(中台)関係に負の影響を及ぼす」
と非難した。台湾側は、エルサルバドルからラ・ウニオン港の開発に関し財政支援の要求があり、拒否したという。
エルサルバドルの国防相は7月、中国側から武器供与で提案があったと明らかにしている。また、中国企業が
同港の開発に参加の意向を表明しているという。
蔡氏は昨年1月の中南米4カ国歴訪の際にエルサルバドルを訪問し、サンチェスセレン大統領と首脳会談を行っていた。
台湾と外交関係を解消する国は今年に入り3カ国目。蔡氏は外交関係のある中米ベリーズと南米パラグアイを
歴訪し、20日深夜に台湾に戻ったばかりだった。
国交樹立の文書を交わすエルサルバドルのカスタネダ外相(左)と中国の王毅国務委員兼外相=21日、北京