武漢からチャーター機到着 数人が体調不良 発熱やせき 厚労省
2020年1月29日 13時20分 NHKニュース
新型のコロナウイルスの感染が拡大する中国・湖北省武漢から帰国を希望する日本人を
乗せた最初のチャーター機が29日朝、羽田空港に到着しました。厚生労働省や東京都に
よりますと、帰国した人たちの中には発熱やせきの症状がでるなど体調不良の人が
数人いて、4人が病院に搬送されたということです。
中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、政府はチャーター機
を手配して、現地に滞在する日本人の希望者およそ650人全員を順次、帰国させることに
しています。
その最初のチャーター機が28日夜、羽田空港を飛び立ち、29日の午前0時半ごろ、
武漢に到着しました。そして、午前8時40分すぎに羽田空港に戻りました。
この便には現地から206人が乗って帰国し、厚生労働省によりますと、発熱やせきの
症状がでるなど体調不良の人が数人いるということです。
また東京都によりますと、30代から50代の男女4人が救急車で病院に搬送されたと
いうことです。
一方、帰国した人たちはすでにチャーター機を降りて入国手続きなどをすませ、
午前11時ごろから政府が用意したバスで順次、医療機関に向けて空港を出発しました。
厚生労働省によりますと、このあと、医療機関では症状のあるなしにかかわらず、
帰国した人たち全員にウイルス検査を受けてもらうということです。
荏原病院で受け入れた4人
東京都は、チャーター機で武漢から帰国した日本人のうち、感染症治療のための専用の
施設がある公社病院の荏原病院で4人を受け入れたことを発表しました。
内訳は30代の男性、40代の男性、それに50代の男性と女性1人ずつの4人だという
ことです。
関係者によりますと、荏原病院で受け入れた4人のうち、少なくとも3人は37度台の
発熱があるということです。また、このうちの50代の1人はせきや頭痛の症状も
訴えているということです。このほか、50代の別の1人は現地でウイルス性肺炎と
診断されたということですが、現在はせきの症状を訴えているということです。
搭乗者全員 医療機関を受診
チャーター機の搭乗者は日本に到着後、すべての人が医療機関を受診します。症状の
ある人は感染症の指定医療機関で、また、症状が見られない人も東京 新宿区の
国立国際医療研究センターでそれぞれウイルス検査を受けてもらいます。
症状のある人には検査結果が出るまでは入院してもらい、症状の無い人でも、結果が
出るまでは自宅か国が用意したホテルに待機してもらって、毎日、健康状態をチェック
することにしています。
厚生労働省によりますと、医療機関や自宅までの移動には国や勤務先の企業がバスを
用意し、公共の交通機関の利用は避けるということです。
また検査の結果、感染していないことがわかった人でも、帰国後2週間は、健康状態の
チェックを続け、極力外出を控えるよう要請することにしています。
帰国者には3つの選択肢提示
関係者によりますと、国は帰国した日本人に対し、東京 新宿区の国立国際医療研究
センターでのウイルス検査の結果が出るまでの間の措置として、3つの選択肢を示して
意向を確認しているということです。
1つ目の選択肢は、東京やその近郊に住む人に対し、政府が用意したバスによって
自宅の最寄り駅まで途中でどこかに立ち寄ることなく帰り、その後は外出を控えて
自宅で待機すること。
2つ目は、家族や勤務先の車によって途中でどこかに立ち寄ることなく自宅に帰り、
その後は外出を控えて自宅で待機すること。
3つ目は、政府が用意したバスによって国立国際医療研究センターから千葉県勝浦市内の
ホテルに移動し、ホテルの部屋で待機することとなっています。
中国の病院や感染者の話では最初の検査では異常が認められず、2回目の検査で新型肺炎と診断
されたという症例が見受けられます。日本での感染者の奈良県の運転手の方もそうでした。
異常がないからと言って自宅やホテルでの待機はどうなのか?安全確保のため2週間の隔離が
妥当ではないか?感染発病した場合、被害は家族に及ぶ。