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ロボットが作る究極のハンバーガー、その味は? 試食した記者は「過去最高の6ドルのハンバーガー」と絶賛する

2018-06-25 08:14:34 | 食べ物・食の安全

ロボットが作る究極のハンバーガー、その味は?

試食した記者は「過去最高の6ドルのハンバーガー」と絶賛する

2018 年 6 月 22 日 13:45 JST   THE WALL STREET JOURNAL

 

筆者が絶賛する「クリエーター」ハンバーガー 

 アレックス・バルダコスタスさんは9歳の時、両親が経営するファストフードの店で働き始めた。

南カリフォルニアにあったその店で身をもって経験したのは、ハンバーガーのパティを無心でひっくり返し続ける

単純作業だ。「正直なところ、あれは人間の精神の極致ではない」と現在33歳のバルダコスタスさんは振り返る。


 その経験がバルダコスタスさんをロボット開発の仕事に導いた。今の願いは、単調な作業を自動化し、

人間がもっとクリエーティブな仕事を担えるようにすることだ。


 バルダコスタスさんは6月27日、メカニカルエンジニアのスティーブン・フレーンさんと作り上げたハンバーガー

ショップ「クリエーター」をサンフランシスコにオープンさせる。そこでは、調理工程のすべてをロボットが担う。

ミシュラン で星を獲得したシェフの技術とロボットの効率性や一貫性を組み合わせることで、質の高いハンバーガーを

比較的低価格な6ドル(約660円)で提供するという。

 「クリエーター」の店内

 

 店内は落ち着いた色でまとまり、高級家具店を思わせるような作りだ。そこに全長約4メートルの

ハンバーガーマシン2台が置かれている。1台当たり、数百個に上るセンサーを含む約7000の部品が

使われているという。

有名建築家ザハ・ハディド氏のデザインを思わせる木製の台の上に銅製のコンベヤーが乗り、その上には

バンズ、トマト、タマネギ、ピクルス、調味料とソースが入った透明なチューブが並ぶ。

バルダコスタスさんによると、マシン1台のコストは100万ドル(約1億1000万円)弱。1時間で最大120個の

ハンバーガーを作れるという。

パティを焼くのもロボットの役目だ

 顧客はモバイルアプリを通じて注文する。肉の焼き加減はすべてミディアムだが、いずれ顧客は火の通り具合や味を自分で

カスタマイズできるようになるそうだ。また、地元シェフや料理研究会社の監修による10種類以上のソースが選べるようになるという。

 

 注文が入ると、地元のパン専門店が焼いたブリオッシュ(バンズ)がまずチューブから空気圧で押し出される。

バンズをスライスし、バターを塗って焼き上げるのもロボットだ。バンズは次に葉っぱの形をしたトレーに乗せられ、

正確に計量されたソースがかけられる。別の部分ではトマトとピクルスが切られ、レタスが刻まれ、チーズが削られている。

パティに使われている肉は放牧牛の肩ロースと肩バラのブレンド。注文をうけてからロボットがミンチにする。肉が崩れない

程度に柔らかくパティをまとめあげるロボットの動きは、ミシュランの3つ星シェフ、ヘストン・ブルメンタール氏が食感を

向上させるために使っているテクニックを真似ているという。肉を焼く鉄板の温度と調理時間は熱センサーとアルゴリズムが決める。

商品の準備ができると顧客の名前がスクリーンに表示されるが、調理開始からの所要時間は5分程度だ。

 

バンズ、トマト、タマネギ、ピクルス、調味料とソースが入った透明なチューブ 

 

 自動化は簡単ではなかったとバルダコスタスさんは話す。最も難しかった工程の一つは、人間が触れたり、

目で見たりすることなく、ロボットだけでパティの正しい焼き加減を調整することだったという。


 カリフォルニア大サンタバーバラ校で物理学の学位を取得したバルダコスタスさんが試作品の開発を始めたのは

2009年。2年後に「格好悪いが資金集めには足る」モデルが完成し、それからサンフランシスコのベイエリアに

移ってフレーンさんと組み、40人のスタッフを雇った。ビジネスインサイダーによると、2017年までには

グーグルやコースラ・ベンチャーズなどから総額1800万ドル(約19億8000万円)を調達したという

(バルダコスタスさんはこの金額に異論を唱えるが、具体的な調達額は明らかにしていない)。

 

 「クリエーター」について市場調査会社フォレスター・リサーチのアナリスト、ブレンダン・ウィッチャー氏は、

オープン当初はロボット好きの関心を集めるだろうが、目新しさがなくなった時にどうなるかは議論の余地が

あると指摘。

「ロボットがハンバーガーを作るのはキュートだ。しかし、それがどう付加価値を与えるのか?」と疑問を呈する。


 レストランの生き残りは最終的には料理で決まる。筆者はバルダコスタスさんのお気に入りだという梅干し入りの

「パシフィックソース」が特徴的なハンバーガーを含め、5種類を試食した。バンズは軽く、ほどよく焼かれていた。

ハンバーガーは組立ラインで作られたものかもしれないが、大量生産の感じは全くない。

野菜は驚くほどシャキシャキかつ新鮮で、肉は外側がカリっと香ばしく焼け、コクがあり風味豊かだった。

手短に言えば、筆者がこれまで食べてきた中では最高の6ドルのハンバーガーだ。

A robot cooks burgers at startup restaurant Creator