アルゼンチンが債務不履行。9回目 投資家との交渉は継続
2020.5.23 12:35 産経新聞
アルゼンチンの100ペソ紙幣
【ワシントン】アルゼンチン政府が債権者と進めてきた約650億ドル(約7兆円)
の債務再編交渉が22日までに妥結せず、デフォルト(債務不履行)状態となった。
同国ののデフォルトは9回目。交渉期限をすでに6月2日まで延長しており、交渉が
まとまればデフォルト状態は解消されるため、現段階で金融市場への影響は見込まれて
いない。
ロイター通信によると、約5億ドルの利払い期限が今月22日だった。本来の期限が
1カ月延長され、アルゼンチンと機関投資家らの債権者が、債務再編案の修正を重ね
ながら交渉を続けていた。同国の担当閣僚は、同通信に「(債権者との)相互理解が
高まっている」と語り、交渉に前向きな手応えを感じているとの認識を示した。
アルゼンチンは利払いの余力を持った状態で、債権者側も訴訟などの厳しい対応策に
乗り出す構えを示していないという。
アルゼンチンは通貨ペソの下落が財政難に追い打ちをかけ、2018年に国際通貨
基金(IMF)から巨額の金融支援を受けることで合意した。
新型コロナウイルスの世界的流行を受け、新興国から資金流出が深刻化している。
新興国では、南米の産油国エクアドルが、原油価格低迷のあおりで国債の利払いができず、
デフォルトに陥った。中東のレバノンも3月に初めてデフォルトした。財務基盤が脆弱
(ぜいじゃく)なアフリカの新興国でも債務再編を探る動きが出ている。