ガトリンが世界陸上男子100m制覇、ボルトは有終飾れず
2017年08月06日 08:50 AFP
第16回世界陸上ロンドン大会、男子100メートル決勝。レース後に抱き合うウサイン・ボルト(左)とジャスティン・ガトリン(2017年8月5日撮影)
【8月6日 AFP】第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)は5日、
男子100メートル決勝が行われ、ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)が、最後のレースを迎えたウサイン・ボルト(Usain
Bolt、ジャマイカ)を破り、優勝を飾った。
これまでにドーピングによる2度の出場停止を受け、過去2大会ではボルトの後塵(こうじん)を拝して2度の銀メダルに終わっていた
ベテランのガトリンは、9秒92を記録して優勝するとブーイングを受けた。スタートで出遅れたボルトは9秒95で銅メダルを手にするの
がやっとだった。2位には9秒94でクリスチャン・コールマン(Christian Coleman、米国)が入った。
フィニッシュ直後、ガトリンと抱き合ったボルトは「勝利で終えることができなくて申し訳ない。とにかく、皆さんの声援に感謝したい。こ
れまでと同様に素晴らしい経験だった」とコメントした。
ドーピングの過去から「善玉対悪玉」とされたボルトとのライバル対決が行われた2012年のロンドン五輪と同じスタジアムで、
ガトリンは大きなブーイングややじを浴びせられ、予選、準決勝と同様に手荒い歓迎を受けた。
ガトリンは「自分のすべきことをした。自分のことを応援してくれる人は、ここにも本国にもいた。ボルトの最後のレースだった。
これまで、いくつものレースで勝ったり、負けたりしてきた。素晴らしい機会だった。トラック上ではライバル関係だが、ウオームダウンの
エリアでは冗談を飛ばして、良い時を過ごした」と語った。
レース後、観客を黙らせるかのように閉じた唇に指を当てたガトリンは、その後ボルトに対して膝をついてお辞儀をした。
ガトリンは、ボルトが「まず祝福してくれて、自分に対するブーイングは不当だと言ってくれた。彼は鼓舞してくれる存在だ」と
振り返っている。
第16回世界陸上ロンドン大会、男子100メートル決勝。トップでフィニッシュするジャスティン・ガトリン(左)、2位のクリスチャン・コールマン(右から2人目)、3位のウサイン・ボルト(右、2017年8月5日撮影)
第16回世界陸上ロンドン大会、男子100メートル決勝。レース後に抱き合うウサイン・ボルト(左)とジャスティン・ガトリン(2017年8月5日撮影)
第16回世界陸上ロンドン大会、男子100メートル決勝。レース後、ウサイン・ボルト(右)の前でひざまずくジャスティン・ガトリン(2017年8月5日撮影)。