東京都の高校入試で、スピーキング能力を測るテストESAT-J(イーサット・ジェイ English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)が実施された。東京都のHP(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/content/esat-j.html)にて問題が公表されている。
3つほどピックアップしてみる。
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※読みテスト2つのうち、一つ。
※簡単に答える問題のあと、絵の内容を英語で解説する問題
※英語で聴いて英語で答える問題
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個人的な感想でいえば、英検3級に少し英検準2級をプラスしたレベルと思う。テストにかかる時間は、けっこう長めで、中学生には、負担は大きいかもしれない。配点は20点。配点が少ないので、録音した回答をフィリピンまで送って採点するほどでもないかと思ってしまった。
合格(約60%)
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塾講師の経験からすれば、対策はけっこう簡単。自由英作文の考え方と同じで、数十の例文暗記で事足りる。まったく<考えるという作業>がない会話なので、これで英語が話せるようになる、とは決して思えない。このあたり、中学生に誤解してほしくない英語能力だ。
マハトマ・ガンジーの言葉、
「何百万人もの人に英語の知識を与えることは、その人たちを奴隷にすることである。」
をやはり思い出す。英語を話す人種に従う(隷属する)英語力のある人間を育てる、日本の全国民に!
グローバルな社会にとって英語の能力は必要である。同じく、コンピューター社会にとって三角関数や指数・対数関数の能力は必要である。ただし、どちらも全国民である必要はない。
小学校の英語の授業を参観したことがある。よく考えられた授業で誰でもが楽しそうに英語を使って生き生きとしている。しかし、これは、公開されたこの一時間の授業であり、これを継続していくには、子供たちの勉強への努力、語学を自分のものにする努力が必ず必要とされる。強制的に覚えさせなければならない部分、単調な反復作業も必要である。語学へのセンスも必要とされる。できない子、嫌いな子、むかない子、興味がない子が増えてくる。英語嫌いが蔓延する。小学校の英語授業が始まったころ、塾の小学生に聞いたことがある。「小学校の英語、楽しいかい?」3分の2の子供たちが、「英語が嫌い」と答えた。「英語のプロが教えないから」かとも思っていたが、英語のプロが教えても時間とともに英語に興味を失っていく子供は増えてくる。
「無理やりに叩き込む」たのしい英語授業を長く続ける講師のスキルが求められる。
東京都の英語スピーキングテストは、全国に広まるのであろうか。英語の奴隷をもっと増やす国になっていくのだろうか。
<主夫の作る夕食>
5分で作れるタモさん流「あられ豆腐」を作ってみた。美味しかった。
豚肉と小松菜のオイスターソースいため。五穀米ご飯。