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主夫の徒然なるままに

英語・英語・英語(2)

 英語特区というの初めて耳にした。岡山県総社市の幼稚園・小学校・中学校で平成26年度より始まっているらしい。平成4年度、対象校園にてオープンキンダーガーテン(公開保育参観)とオープンスクール(公開授業参観)が開催され、募集がかけられている。幼稚園で親しんだ英語を切れ目なく、小中学校に連続させる目的が基本のようである。(人口減、過疎化の防止の役目もあるようだが)

 北九州市では、スペースワールド跡地にアウトレットが誕生したが、その一角に KITAKYUSHU GLOBAL GATEWAY という施設がオープンした。英語に浸ることのできる学習施設で、国内2番目という。韓国へよく旅行した20数年前、プサン近くに英語村が開園したことを知った。英語だけが通用する学習施設の一種であった。当時は、韓国も英語が通じにくく、若者に英語で話しかけてもなかなか通じないので困ったことあった。インフォメーションなどで英語で質問すると日本語で答えが返ってくるなど笑ってしまう状況だったが、以降、韓国の英語熱は凄いことになっている。子どもに海外で英語を学ばすために、妻子を海外に住まわせ、父親は韓国に残って生計を支えるという「キロギ・アッパ(雁のお父さん)」と呼ばれる父親が家族別居問題の存在などがあるが、国家の存亡をかけて英語力の増強に力を注いでいる。

 幼稚園から小学校、中学校、そして高校へと英語を学ばせて何を目的としているのであろうか。私が学んだ、また、教えた英語は「高校・大学に入るため」のものであった。決してバイリンガルな国際人を育てたいと思ったわけではない。幼稚園、小学校から教える英語、英会話の危険性は、私が40年前、大学生の時に読んだ「イデオロギーとしての英会話」の問題提起そのままである。現代の公立学校での英語は、当時の白人・中流家庭のイメージ(=イデオロギー)で英語を習う位相からはずいぶんと遠くへきており、アジア人やアフリカの黒人英語教師なども公立学校で増えている。修学旅行などもロンドンからシンガポールなどに変更して、英語体験させている私立中学なども知っている。しかし、基本となる英語学習から作られるイデオロギーは当時のままで、米英諸国の優越性により英語話者にたいする劣等感の増幅を招きつづけている。英語ができないことで2流国民とレッテルを貼られてしまう危険性がある。あなたは親としてどちらを望む? <英語の話せる幼児・小学生>、<ちゃんとした日本語を話せる幼児・小学生> おなじく、<英語が話せて、まともな日本語を話せない高校生・大学生・社会人の我が子>を望みますか?

 幼稚園から英語というこの国に次の文章を読んでもらいたい。
  -- 永井忠孝著「英語の害毒」のあとがきから -- 

『次の一節は、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの言葉である。

 何百万人もの人に英語の知識を与えることは、その人たちを奴隷にすることである。 マコーリー[インド監督庁次官]が築いた教育制度は、我々を奴隷にした。(中略) 裁判所に行きたければ英語を使わなければならないというのは、つらいことではないか? 弁護士になったら自分の母語を話すことが許されず、他の人に自分の母語から通訳してもらわなければならないというのは、つらいことではないか? これは全くばかげたことではないか? それは我々が奴隷だというしるしではないか? こんなことになったのは、イギリス人のせいだろうか、私自身のせいだろうか? インドを 奴隷化したのは我々英語を使うインド人だ。この国の天罰は、イギリス人にではなく我々にくだるだろう。
(Mahatma Gandhi, India of my dreams, Rajpal) 』



※表題の写真
私の教室でも外国人による英語授業を実施していた時期がある。もちろん生徒募集のひとつの手段としてである。講師はフランス人で公立の小学校でも英語を教えていた。子供の扱いは上手であった。>

英語・英語・英語(3)に続く









<主夫の作る夕食>
鯛の塩焼き、ちょっと焦がしたがうまかった!

 
 
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