金生遺跡を世界遺産 世界標準時の天文台にしよう会

縄文時代の土器には縄文人の念いが込められている

縄文時代に何故波状突起口縁の土器を作ったのか
土器の使用には妨げとなるものなので、何処の文明も作らなかった土器
ストーンヘンジ 日の出は夏至とされているようだ


夏至も冬至も日の出は前後10日は同じ所から出るため、お祭りの暦日には出来るものの、
暦の基準点には成らない。太陽暦が作られたとは語られていない。


ストーンヘンジ周辺の遺跡からの土器


このような土器は実用品として、世界の古代文明では普通に見られるものである。

それに対して、縄文時代の土器には縄文人の念いが込められている
火焔式土器   縄文時代中期

 

3波状突起口縁の土器  縄文時代中期から後期


土器は縄文人の念いを込めて表現していた
文字の無い縄文人にとって、そうしたことの表現に粘土は、うってつけの素材と考える。
現に土偶ではそれなりの表現をしていた
土偶に縄文人が込めた思い、それをどのように解読するか
波状突起口縁の土器、縄文研究の考古学者はそれを整理したことも無いようだ
何故なのか
仮設が想定できないので手を付けられない
答えが出せそうにないので手を付けないのだろうか
余りにも明白に土器は示しているから 数 数字
その数が何を示すのか
縄文時代の文字というか意味ある造形というのか
その造形にはどんな意味があるのか
想像も付かないのだろう

縄文時代と他の古代文明との違いは、波状突起口縁の土器に現れている。
太陽と月という二つの天体の運動、季節の変化をもたらす太陽と、海の干満をもたらす月、この運動による影響を、正確に捉えた暦の開発は、唯一縄文時代に行われていたということを、この波状突起口縁の土器は、示しているのではないか。


波状突起口縁の土器、それは太陽暦と太陰暦を完成していたことにあるのでは無いだろうか。
世界の古代文明に先んじた、縄文時代草創期からの10000年近い時間は、それを行うために必要な時間だったものと思う。

 

図はお借りしました

引用ーーーーーーーーーーーーーー

小林達雄 『縄文の思考』<抜粋> から
人類史第二段階としての縄文文化

ヤキモノ世界の中の縄文土器
 ・・・・・突起こそが縄文土器をらしめている必須の属性である・・・・・

 ・・・・・容器の本命が容積にあることが間違いないものとすれば、縄文土器の突起は容積を決定する形態外のものであって、疑いもなく余計な代物である。だから、土器の口縁に突起を敢えて取って付けるようなことは通常はしないのであり、古今東西のヤキモノに絶えて例をみないのは当然の成り行きであることがわかる。その突起を縄文土器は目縁に大きく立ち上がらせて泰然自若としている。ヤキモノの世界で孤立するのもけだし当然であろう。さらに、突起は容器には不要というよりも、かえってあること自体がモノの出し入れに邪魔にさえなっていることは一目瞭然ではないか。にもかかわらず、突起を前面に押し立てて毫も迷わず確信犯を装うのである。

 ・・・・・縄文土器が底から口を結ぶ器壁に文字通り不必要なほどに変化をみせるプロポーションは、もう一つの際立った特徴である。その理由は容易には理解できない。とにかく小さめの底にもかかわらず、大きく立ち上がる胴本体をのせたりするものだから、安置させるのさえ、困難を覚えるほどであり、目を離したスキに倒れんばかりである。その上、胴で一旦くびれながら、さらに思い直したように大きく口を開いたりする、重心が上方にずり上がるのはこれまた当然の成り行きで、それだけでも不安定極まりない。これではすぐに倒れて、せっかくの内容物が外にこぼれ出てしまいかねないと取り越し苦労させられてしまう。まるで容器としての本分を度外視しているのだ。

 それに輪をかけて、これでもかと言わんばかりの大仰な突起をかぶせる。なかでも中期の勝坂式や曾利(そり)式、火焔(かえん)土器の各様式はもう常軌を逸している。そうでなくても本体の重心が上方にあって不安定なのに、それを解消する思いやりを毫もみせず、堂々と身構えている。

 縄文土器は、この粘土造形の特色を最も良く発揮させ、ヤキモノとしての土器の造形において、とくに世界に冠たる独自で個性豊かな展開をみせたのだ。改めてこの事実に目をとめたのは岡本太郎であり、「ここに日本がある」と叫ばしめたのであった。それまでは、縄文土器は考古学研究上の恰好な対象にしか過ぎなかったのだったが、ついに造形あるいは美学的・芸術的分野でも高く評価され、気を吐くに至ったのである。 

 つまり、器の形態全体のプロポーションの異常なまでのバラエティーも、その大仰な突起とともに、ヤキモノとしての容れ物の域を超えているのだ。古今東西のヤキモノは、たまさか過剰ともみえるほどの独特な形態を発達させることがたとえあっても、ヤキモノとしての容器の本分とは不即不離の関係を維持しているのである。

 ところがどっこい、縄文土器はそうではない。容器の使命に背を向けて、あまりに独り善がりだ。言うなれば、容器として作られ、たしかにある程度の働きをしているものの「容器放れ」した性格を矯正しようとする素振りさえ見せようともしないで平然としている。縄文土器とは、そもそもそういう性格のものなのである。しからば、何故に容器本末の使命に忠実ではなく、「容器放れ」を指向するのであろうか。

 「容器放れ」は形態だけの問題ではない。縄文土器の器面に展開する文様とも密接に関係する。その縄文土器の文様はいかにも装飾的であるというのが世間一般の評判である。しかし、装飾的とは、縄文土器文様が醸し出す効果が観る者の眼に映ずる印象なのであり、縄文土器が自ら備えた性格とは別である。実は縄文土器の文様は、縄文人の世界観を表現するものであることについて、かつて論じたことがある。いわば装飾性とは無関係に、世界観の中から紡ぎ出された物語であり、文様を構成する単位モチーフはそれぞれ特定の意味、概念に対応する記号なのである。

 一方、しばしば縄文土器と対比される弥生土器は、これまで装飾性は低いと評価されてきたが、その弥生文様こそが装飾を目的とするものであり、物語性の縄文文様と全く対極にあるのだ。弥生土器の文様は器面を飾るのであり、ちょうど我々の身辺にあるヤキモノの器面や壁を飾る壁紙と相同ではなく、相似の関係である。つまり、ともに文様の装飾的効果において外見上同様に見えるが、弥生の装飾性と縄文の物語性という二つは互いに動機を全く異にする。このことが、弥生土器や壁紙の文様が土器面や壁面から容易に剥がして分離できるのに対して、縄文土器においては文様としての独立性はなく、それが故にしばしは土器本体から分離することはできないのである。縄文土器の文様は、本体からの分離独立が適わず、文様を剥取しようとすれば、たちまち本体自体が毀れてしまうのだ。換言すれば、底から口を結ぶプロポーションそして突起は、ともに文様とは独立して存在するのではなく、一体化した存在なのである。

 この意味において、縄文文様は縄文土器本体とスクラムを組んで「容器放れ」を敢行しているのだ。容器放れというのは、容器としては非能率的であり、不便極まりない。出し入れ口にどっかと突起が居座ったりすれば、障害になるのは一目瞭然なのに取り除くこともせずに、好んで容認している。それが「容器放れ」を招いているのは承知の上だから確信犯というわけだ。例えてみれば、劇場ホールなど大勢の人が集まる建物の非常口に障害物を据え付けるようなものである。たちどころに消防署の検査にひっかかるに違いない。公共的な集会用の建物としては不合格に決まっている。だから縄文土器が「容器放れ」を続けて改善しないのは、容器としての資格に欠陥を招くこととなる理屈だ。

 ここに至って、容器としては不合格品に認定される程度の土器を作り続けて改めようとしない縄文人の責任が問われることになるのは当然である。現代の通常の思考からすれば、たしかに日常的なさまざまな場面で使用しているのに、敢えて使用するのに不便で、非能率的な形態の実現を旨とするのはまことにおかしなことではないか。そこが縄文人特有の哲学なのであり、我々とは一致しないところというわけである。端的に言えば、容器に使い勝手の良さを求めるのではなく、使い勝手を犠牲にしてまで容器にどうしても付託せねばならぬナ二カがあったのだ。そのナニカが突起を呼びこんだり、ときには不安定極まりない形態をとらせたり、物語性の縄文土器文様となるのである。これこそが縄文人による縄文デザインの真骨頂なのだ。

 かくして縄文デザインは、具体的な道具なのに使い易さに背馳する。容器デザインの普遍性、現代風に言えば機能デザインと対極にあることが判る。容器であれば、容器の機能を全うするに適った形態をとらねばならぬはずなのに、そうではなかった。機能デザインの精神に則って弥生土器を生み出した弥生デザインと対極に位置づけられる理由である。縄文デザインは、世界観を表現することを第一義とするのである。言うなれば、現代人が心情を吐露する詩あるいは画家がキャンバスに描く絵に相当するものとも例えることができる。だから、縄文土器は容器であって、かつ縄文人の詩情が表現されているものなのである。

 こうして、縄文土器は古今東西のヤキモノ世界で、比類のない個性を誇り、断固とした主体性を確立した理由は、縄文デザインを体していたからであることがわかる。


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