斜めから降り注ぐ人付き合い

ふれあいの人付き合いについて綴っていこうかと思います。

自己効力感を高める目標設定―目標を階層構造に細分化

2021-09-07 17:25:30 | 人付き合い

具体的で困難な目標を設定するのがよいといっても、もともとモチベーションの高い人はそれで燃えるかもしれませんが、モチベーションの低い人は、とてもできそうにないとはじめから諦めてしまい、ますますやる気をなくすということになりがちです。

あまりに遠大な目標を設定しても、なかなか到達できる気がしてこないため、モチベーションも湧いてきません。

そこで必要となるのは、自己効力感を高めるような目標設定の仕方を工夫することです。

「できそうだ」という思いにさせる目標設定を工夫し、その結果、「やればできるじゃないか」といった思いに導くことです。

具体的で困難な目標がモチベーションやパフォーマンスを高めるという知見が広まることで、達成困難と思われるほど困難な目標を課すということも現実に起こっています。

しかし、達成困難な遠い目標しかもたないと自己効力感をもちにくいため、モチベーションが人並み外れて高い人でないかぎり、モチベーションの持続が難しくなります。

J・ストックとD・サーボンは、大きな目標を細分化し、各段階ごとに下位目標を設定することの効用を指摘しています。

遠い目標の達成のために、その手前の近い目標を設定する人は、遠い目標しか設定しない人よりも、自己効力感が高くなります。

まずは一歩でも前進することが重要なので、できそうな気がする近い目標をもつことが行動の推進力となるのです。

そして、近い目標を達成することで、ますます自己効力感が高まり、次の目標に向かって行動する推進力が得られます。

したがって、「やればできそうだ」といった自己効力感を高めるために、目標を階層構造に細分化するのがよいでしょう。

段階的な目標を設定し、一段一段階段を上るようなイメージです。

はじめから何百段もあると、とても上れそうな気がしませんが、50段ずつ区切り、まずは50段を目標にすれば上れそうな気がしてきます。

そして、最初の目標をクリアすることで、自己効力感が高まり、つぎの50段に挑戦しようという気になれます。

このようにすることで、達成感を味わい自己効力感が高まり、その自己効力感によりモチベーションが高まって、さらなる達成行動へのモチベーションが高まるという好循環が生じてきます。

そのためにも、目標を階層構造に細分化し、まずはちょっと頑張れば達成できそうな目標から挑戦していくというように導くことが大切です。

できそうな気がする近い目標なら自己効力感がもてるため、モチベーションが高まります。

たとえば、生活習慣病を防ぎたいという目標を漠然と意識している人は、時々何とかしなければと思うことはあっても、すぐにやれそうな行動目標が浮かばないため、現実には目標達成行動をほとんど取れないままになりがちです。

それに対して、目標を細分化している人は、まずは毎日30分くらい歩くようにしよう、年に一回健康診断を受けようというような容易にできそうな目標を意識し、それくらいならできそうな気がするため、目標達成に向けて着実な一歩を進めていきやすいのです。

このような意味でも、仕事上の目標も大きな漠然とした目標だけでなく、そこに至るまでをいくつかのステップに分けて、まずはできそうな近い目標を意識するのがモチベーションを上げるためのコツといえます。

たとえば、週間のノルマ成約5件という高すぎる目標より、来年は週に5件を目標にできるようにしたいが、まずは今年は目標を週に2件にしようというように、可能性のある目標をもつ方がモチベーションを維持しやすいと言えます。

また、結果というのは相手によって大きく左右されるので、結果より本人の行動を目標にする方が、達成しやすく、自己効力感を高めやすいと言えます。

たとえば、成約数を目標にするより、相手の意向に左右されない種まき(新規に営業訪問、営業電話など)10件というように、成約に至る必要条件となる行動を目標にすることが、モチベーションの維持・向上につながります。