彼を成長させるために、何をやり、何を止めるか
●ウェンディはベッドから飛び起きると、ピーターに抱きつこうとした。
すると、彼はひょいと身をかわした。
彼は自分でも、なぜそうしたのかわからなかったけれど、そうしなくてはいけないような気がした。
ピーターはたとえ遊びでも、けっして人に体を触らせない。
愛情と希望-彼の立ち直りに不可欠な要素
心理学者バリーの説明では、ピーターはよく意味のわからない衝動に駆られるという。
ウェンディは彼を慰めようとしたのに、なぜかピーターはそのままにされていなかった。
ピーターパン人間を愛したことがある女性なら、ウェンディが味わったこのフラストレーションに覚えがあるだろう。
彼らの”愛情のルール”には、みんな戸惑ってしまう。
そのルールはこうだ。
ボクに近づかないで。
ボクがいいと言うまで、ボクの気持ちに深入りしないで。
キミの気持ちを、ボクにわかってもらおうなんて期待されるのも困る。
ボクの考えにとやかく言わないで。
ボクに触れるんなら、ボクのスケジュールどおりにやって。
彼らのこうした暗黙の宣言は、女の子の自発性をつぶしてしまう。
自然な愛情こそ大人の愛情関係になくてはならないものだ。
にもかかわらず、この宣言が暗黙のものであるだけに、二人の愛情はますますややこしいものになるし、この宣言が矛盾に満ちたものであるだけに、お互いに愛し合うことさえ不可能になってしまう。
相手があなたに何の期待も持たないというのに、あなたは彼に対して、きちんと決まったやり方で振る舞う必要がある。
さもないとあなたはあっさり体をかわされてしまう惧れがある。
いつかはきっとピーターパンが素晴らしい愛のパートナーになるにちがいない、という気持ちがあればこそ、あなたは彼の子どもっぽいわがままに耐えることができるのだ。
もしそれがなかったら、とても我慢ならないだろう。
だからこそあなたは、一生懸命我慢している。
そうすることで、あなた自身の人付き合いの心の痛みを癒そうとしている。
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しかし、これはよくないことだ。
変えようと思えば、あなたは事態を変えることができる。
つまり、ピーターパン人間が「ないない島」に飛んで行ってしまうのを止めるためには、彼らがまず、どうすべきかを示してあげることが必要だ。
それができるのは彼を愛する女性、つまり、あなたしかいない。
では、あなた方の出発点はどこか。
それはあなたに愛情があるからこそ彼を助けようという気持ちも起こるわけだし、そうなれば、この青写真がどっちの方向に変わればよいかを、あなたに教えてくれることになる。
さらにもう一つ大切なのは、希望を持つことだ。
あなたが面倒みることで、どれだけ彼を変えることができるか。
トンネルの向こう側で、「大丈夫、大丈夫」とあなたに語りかける燈火が見える。
しかも、この燈火は、明るくなったり暗くなったりしている。
しかし、見えるのはたしかで、その燈火は、ずっとメッセージを送り続ける。
「私と一緒にやりましょう。きっとうまくいくわよ」
「あなたは、いままでと同じことを繰り返していてはだめよ。
人生はもっと魅力的で満ち足りたものになるはずよ。
そのためにがんばって」と。
こう語りかける光は、実は、名前を持っている。
”ティンカーベル”という名前だ。
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