試合を決めたスーパー・ミドル・シュート
完全アウェイのベトナム戦。守りに徹していたベトナムのゴール前を崩し切れないでいた「なでしこ」。⑧宮間あやと⑨川澄奈穂美が何度となく正確でタイミングの良いパスを出してはいたものの、決定力に欠けていて「これは苦戦を覚悟の試合となるのか…」と思っていた。確かに昔のベトナムとは異い多少なりともレベルは上がっていたものの、この決定力不足は今の「なでしこ」を象徴している様に思える。まあ、今回の選手招集の事を考えれば、それはそれで仕方のない事とは解っていても、不甲斐なさを隠せません。
しかしその悪い流れを覆したのは⑨川澄奈穂美のスーパー・ミドル・シュートでした。試合の流れの中で拙んだチャンスに、「幾らいいパスを出しても決めてくれないのなら私が」と思ったかどうかは解りませんが、そのくらい気迫のこもった素晴らしいシュートでゴール・ネットを揺らしてくれました。そのゴール前、ベトナムの選手達は誰一人反応出来ず、キーパーですら一歩も動けず只棒立ちでボールを眼で追うだけ。このスーパー・ミドル・シュート一発で試合の流れは変ったのです。後手に回ったベトナムの選手達は⑧川澄奈穂美の脅威を感じると共に当然の事ながら焦り、選手間の動きにもスキが生まれ始めました。それ程強烈なインパクトを与えたシュートだったのです。さすがは川澄奈穂美と言う他有りません。
その流れに乗ったのは2点目となった、代表初ゴールを決めた⑭木龍七瀬のヘディング・シュート。試合展開からいくと、もうこの時点で勝負はついていた様なものですが、グループ・リーグを確実にものにする為にはまだまだ得点は幾ら有ってもいい状況に変りはなく、守りに入る選択肢は無いという事を、当然どの選手も解っていました。尚も攻撃の手を抜く事なく攻め続けた結果、川澄選手の正確無比なピンポイントのパス。これをやっとの事で⑰大儀見が合わすのに成功して3点目。そして止めの4点目をこの日2ゴール目となる⑨川澄奈穂美が後半41分に決め、快勝と云う結果でゲームセットとなった。
川澄奈穂美は「なでしこクイーン」
前述した様にこの試合の流れを変えたのは、明らかに川澄奈穂美の先制のスーパー・ミドル・シュートである事に間違いはありません。今更云うまでも無く、ここぞという時にしっかりと期待に応え、結果を出せる選手こそが本当のエースです。この試合で彼女はそれを証明してくれました。誰もが満足のいく結果を導いてくれました。
それにしても川澄選手の落ちる事の無い運動量、スピード、タフネスさ、センス・試合勘の良さには、いつ見ても何度見ても驚かされるばかりです。アメリカへの短期移籍も功を奏しているのでしょうね。スーパー・ガール川澄奈穂美は、紛れもも無く「なでしこクイーン」ですね。これに異論を唱える人などいない筈。
まだまだ試合は続きます。この調子で次のヨルダン戦も快勝し、グループをトップ通過して欲しいですね。いける筈ですよ。そうでなくては困ります。応援しましょう。それから⑯楢元光選手にも出番が回って来る事を願っています。
「なでしこ」の皆さん、頑張って下さい。
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