気の向くままに junne

不本意な時代の流れに迎合せず、
都合に合わせて阿らない生き方を善しとし
その様な人生を追及しています

‘15. Old Music Times R&R編 Part-2-

2015年02月24日 | 下町放送局・アーカイブス

Fats Domino (アントイン・ドミノ)Part 2-

(Part-1-からの続き)

ファッツ・ドミノのピアノ奏法の特徴。

三連打法。要するに三連符の事だ。そして常に三連符の頭のところで強いアクセントを付け、軽快なビートを生み出していた。勿論、全ての曲でこの奏法を演っていたわけではない。これは飽く迄も基本であって、色々とアレンジを加えていた。三連打法とは言っても、当然コード弾きだけではなく、アルページョも取り入れているのは言わずもがなだ。

この弾き方はテキサスのR&B,ブルース・シンガー、リトル・ウィリー、リトル・フィールドが「It's Midnight」(1948年)を演っているのを聴いて、そこから学んだものだが、それをポピュラーなものにして、自分のものにしてしまったのだ。

他の大きな特徴と云えば、軽快なブギウギ奏法も挙げておかねばならない。

「みんなはR&Rって呼んでいるけれど、これは、みんな昔から僕らが演っていたもので、R&Bなんだ・・・」。

これはファッツ・ドミノ自身の言葉で、いつでもこう答えていた。この事はやはり、彼がニューオリンズで生まれ育っという事に大きく関係しているのだろう。ニューオリンズと言えばブルースは勿論だが、ジャズの町でもあるからだ。

とは云え、彼の作る曲自体からジャズの香りがするものは無い…と言っても良いだろう。それは彼の声質と歌い方に由るものかも知れない。どちらかと云うと、バックの演奏に見て取れる事が有る。ギターリストのチャック・ベリーのコマーシャル的な華やかさも、リトル・リチャード風の荒々しさは無いけれど、ニューオリンズ・スタイルのR&Bを独自のピアノ奏法と作曲法で、R&Rの基礎を築き上げた事は、R&RのPOP化にとって、貴重な足跡を残したと言える。チャック・ベリー、リトル・リチャード、そしてファッツ・ドミノは間違いなくR&BをR&Rに、そしてPOPの世界へと導いて行ったのだ。

 

 

Lloyd Price                            

1933年3月9日、ニューオリンズ生まれ。

1952年4月デビュー。’50年代末から’60年代初期にかけて独自のスタイルを確立させた。ニューオリンズ・スタイルのR&Bを基礎に、ニューヨークの都会的なR&Bスタイルを、ニューヨークで確立した点に大きな意義が有る。

初期の泥臭いニューオリンズのスタイルから一早く脱皮し、R&R色の濃い都会的なR&Bを完成させた事だ。「Personality」や「Stagger Lee」といったミリオン・セラーに、それは見てとれる。

歌唱法は略ニューオリンズ・スタイルだが、バックの演奏はビッグ・バンドを起用した事で、都会の白人音楽で味付けしている点は、当時としてはとてもユニークで斬新的なものだ。 

1952年4月のデビュー曲となった「Lawdy Miss Clawdy」 / 「Mailan Blues」はスペシャルティから発売され、間もなくヒット・チャートに登場し、あっという間にミリオン・セラーを記録した。R&Bチャートに約6ヵ月間ランクインしてナンバー・ワンの座に輝いている。デビュー曲でこれ程の実績を残したというのも珍しい。

1954年に軍隊に召集され活動は一時中止したものの、1956年に除隊してからはワシントンDCに戻り活動を再開。その年、‘56年末に自作の「Just Because」をKRCでレコーディング・発売。これがRCA / パラアウントの買い取られ、1957年1月にパラマウント・レーベルから発売されると、R&B部門の4位まで上昇する大ヒットとなり、再度スターの座に返り咲いた。

これは以前のものとは少々異なり、典型的なニューオリンズ系のR&Bナンバーで、三連符の効いたピアノとヘビーなドラムのリズム仕立てであった。不思議な事におよそ1年間レコードを出さなかったが、1958年末に「Stagger Lee」を発表。これがイリオン・セラーとなり、人気は決定的なものとなった。

1960年代半ば頃からは第一線には出て来てはいないが、彼の作品は後の続くアーティスト達に取り上げられている。それらを知らない音楽ファンでも、ジョン・レノンが「ロックン・ロール」というLPの中に「Just Because」を取り上げているのを知っている人も多い事だろう。

若手シンガーには面倒見が良く、1975年頃迄は本拠地としていたニューヨークでは、誰もが一目置く存在であったという。

 

 

Chubby Checker  =Mr.Twist=

アーネスト・エヴァンス

1941年10月3日、フィラデルフィア生まれ。ハイスクール時代には既に歌手になる事を決め、学校やハウス・パーティーでアルバイトとして歌っていた。そんな或る日、肉屋の店先で客寄せの為に歌っていたところ、そこの主人が「これはものになりそうだ」と思い、知り合いのパークウェイ・レコードのカール・マンに紹介した。これがスターダムへの切っ掛けで、見事専属契約を手にした。1959年初めの事だった。

このチャビーチェッカーというステージ・ネームは彼がファッツ・ドミノを尊敬していた事と、彼自身が太っていた為、友達から「chubby=デブ」と呼ばれていた事が要因となっている。checkerはゲームの「domino」にヒントを得てFats Domino⇒Chubby Checkerとなったのでした。これは彼自身のアイデアではなく、アメリカを代表するディスク・ジョッキーのディック・クラークの奥さんだったそうです。

 1959年5月デビュー・シングルを発表。暫くするとB面の「The Class」の方が評判となり、ヒット・パレードに顔を出す様になったけれど、フィラデルフィアを中心としたローカル・ヒットの域を出ないまま、1年間はレコードが出ていない。

2枚目が出たのは1960年の6月、「The Twist b/w Toot」で、実はこの曲は約1年前にハンク・バラードが或る曲のB面として出したもので、新たなアレンジをしてチャビーに歌わせたところ大当たり。R&B部門では夏から冬にかけての大ヒットを記録。最高2位迄上がり、Pops部門では堂々のナンバー・ワンにランクされ、フィラデルフィアのシンデレラ・ボーイはアメリカ中の人気者になった。チャビー・チェッカー19歳の時であった。

以後、出すシングルは悉くヒットし、「Mr.Twist」「King Of Twist」と呼ばれる様になり、同時に世界的なツイスト・ブームになって行ったのです。ダンス・ブームは古くから有りましたけれど、ツイストはその中でも屈指のものでしょう。他にはチャチャ、ジルバ、マッシュポテト、ストンプ、ドッグ、モンキー、ゴーゴー、スイム・・・などがブームになっていました。

ツイストという新しいダンス・ブームを世界中に巻き起こし、そのブームに乗って頂点迄昇り詰めたものの、次々と現れる新たなブームの中で、次第に影を落としていった。それでも「ツイスト」と云うダンス・ブームの一時代を築き上げそこに君臨していたという事実は、決して忘れる事が出来ないものである。

 

 

Larry Williams

1935年5月10日、ニューオリンズ生まれ。

2歳の時カリフォルニアのオークランドへ引っ越す。13歳の時にアマチュアのタレント・コンテストに出場し始め、16歳頃迄タレント・コンテストを荒し回り、何度も優勝している。その16歳の時(‘51)にティアードロップスと云うバンドにベーシストとして参加。このバンドにいる間にピアノを習得している。1955年にはニューオリンズでロイド・プライスのバンドにピアニストとして参加している。

1956年、そのロイド・プライスの紹介でスペシャリティに入社。デビュー曲としてロイド・プライスの「Just Because」を発表。裏面は「Let e Tell You Baby」。これはロスアンジェルスを中心にかなり評判となり、2年間の専属契約を結ぶ。この2年間にを22曲録音、10枚のシングルを発表、2曲はLPのみに収録。現在の感覚からすると、かなりの録音数という事になるが、当時の人気シンガーとしては普通の事であった。

以後、チェス(‘59~‘61)、マーキュリー(‘~63.9.)、スマッシュ(‘66.3.~)、[不明]、オーケー(‘66.9.~)、ヴェンチャー(‘68.)、→不明。これ以後は第一線には出て来ていない様である。

 何と言っても全盛期はスペシャルティ時代であり、充実した時であった。ニューオリンズ・スタイルのR&Bに、独特のコマーシャルなR&Rフィーリングを持ち込んだ彼のスタイルは、バックのミュージシャン(ファッツ・ドミノ、リトル・リチャード、ロイド・プライス・・・などのバックで演奏していたニューオリンズのベテラン・ミュージシャン)を使っていたとはいえ、極めて良い出来のものが多く、後のブリティッシュ・ミュージシャンに多く取り挙げられている。例えばビートルズで言うなら、「Bad Boy」「Dizzy Miss Lizzy」「Slow Down」などである。

スペシャりティが第二のリトル・リチャードとしてデビューさせたラリー・ウィリアムスは、同レコードが生んだR&Bシンガーの中では三指に入る人気スターであった。1957年からの2年間と云う短い間ではあったが、スペシャリティの思惑通り、紛れもない無い一時代を築き上げた。

 

 

 

 

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿