就学前の頃、友人の家が夏は「アイスクリーム」、
冬は「焼き芋」の移動販売をやっていた。(当時は「リヤカー」?)
まだ、戦後色が色濃い時代である
皆貧しく、兵隊帰りの大人も多くいた
予科練帰りの若者(?)は、私たちの憧れであった
なかに「特攻隊」帰りの人が居たが、近寄りがたかったのを覚えている
どこか「濃い闇」を纏っているようで、子供心にも「別世界の人」・・・
一度だけ「特攻隊」が、仲良し三人組の私たちに、
焼き芋をご馳走してくれた
思いがけない「ご馳走」と、近寄りがたかった「特攻隊」が
グッと身近に感じた
が、ほどなく「予科練」も「特攻隊」も居なくなった
焼き芋と聞くと、必ずこの二人を思い出すのだ
戦後すぐの、あの時代は「戦後生まれ」の私たちにとっては、
その後長く、復興の喧騒さを体験することになるのである
「焼き芋」がご馳走だった時代である