Four seasons*

愛しきものたち
「一枚の葉が手に入れば、宇宙全体が手に入る」
*日本画家・安田靫彦が小倉遊亀へ送った言葉

☆伝統の朝顔 * ①伝統の朝顔:変化朝顔(出物系統)

2024-08-31 | ♥ 植物・草花

ビニールハウス入口 地植えで咲いていた朝顔

 

 

くらしの植物苑特別企画 季節の伝統植物 「伝統の朝顔」コチラ

 

 

 

「伝統の朝顔」展に行ってきました

正木系統出物系統などの変化朝顔は初めての観賞です

突然変異が組み合わさって出来上がった朝顔で

葉も花も変化に富み見応えがありました

 

台風の影響で観賞中は一時的に雨が降りましたが、、行ってよかったです

ビニールハウスから観た順に投稿しています

 

 

 

 

「開催概要」転載

朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降、文化・文政期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、変化朝顔とよばれる、朝顔に見えないような多様な形の花と葉を持つ朝顔が創り出されてきました。特に、朝顔は一年草であるにも関わらず、種子を結ばない変異も種子によって維持してきたことは世界的に見ても特異なもので、幕末の嘉永・安政期にはきわめて多くの品種が創り出されていたようです。

しかし、大正期以降、現在でも広く栽培されている大輪朝顔の栽培が盛んになる一方、変化朝顔の愛好家は次第に減少し、第二次世界大戦後の変化朝顔はわずか数名の愛好家によって維持される状況になりました。幸いなことに、江戸期に起源を持つ変化朝顔の変異の多くは、愛好家や研究者の努力によって現在まで維持されているのです。そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当苑では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。

今回は、「禹長春の幻の朝顔資料」をテーマに、育種学者・遺伝学者である禹長春(うながはる)という人物の業績、および、彼が研究した朝顔の資料についてパネルで紹介いたします。

 

 

変化朝顔の名称について

江戸時代に発展した園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。嘉永・安政期の第二次ブームの時にその基本が出来上がりました。それは葉の色、模様、質+花の色、模様、花弁の形、咲き方、花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付け加えていくというものです。

たとえば、「黄斑入渦柳葉紫撫子采咲牡丹」を見てみましょう。緑色の部分が葉についての記述です。黄葉の斑入で「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。赤色の部分は花に関する記述です。紫色の撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方、そして多弁化した「牡丹」であることを示しています。
また、ここでは示されていませんが、花の模様についても記述されます。以下に葉の名称、花の咲き方の名称、花の模様の名称について画像をご覧下さい。

画像の説明

 

画像の説明

※説明、画像はくらしの植物苑リーフレット及び説明パネルより

 

 

 

=出物系統=

※朝顔のネームプレートを記載

 

牡丹出物

黄/孔雀葉 紅/台咲/牡丹

 

 

出物

青/渦/*しかみ葉/渦小人 紅/筒白/丸咲

* 葉がしわくちゃになる芸

葉は「渦」よりもっと詰まり、硬くてサボテンのようになります

成長が非常に遅く、伸びても15㎝くらい

渦小人(うずこびと)

 

 

牡丹出物

青/打込/桔梗渦葉/短毛 淡藤/切咲/牡丹

 

 

親牡丹

黄/弱渦/抱/蜻蛉葉 白/丸咲/牡丹

 

 

一重出物

黄/弱渦/柳葉 白/撫子/采咲

 

 

牡丹出物

黄/抱/柳葉 紅/吹雪/撫子/采咲/牡丹

 

 

一重出物

黄/抱/柳葉 紅/吹雪/撫子/采咲

 

 

親木

黄/抱/丸葉 紅/吹雪/丸咲

 

 

親牡丹

黄/斑入/常葉 紺/覆輪/丸咲/牡丹

 

 

牡丹出物

青/斑入/海松葉 茶/覆輪/細切/采咲/牡丹

 

 

親木

青/斑入/笹葉 茶/覆輪/車綾/切咲

 

 

牡丹出物

青/渦/柳葉 江戸紫/采咲/牡丹

 

 

一重出物

青/渦/柳葉 江戸紫/采咲

 

 

牡丹出物

青/水晶斑入/弱渦/柳葉 淡藤/爪覆輪/采咲/牡丹

 

 

一重出物

青/打込/弱渦/柳葉 青/采咲

 

 

親木

黄/抱/蜻蛉葉 葡萄鼠/覆輪/丸咲

 

 

牡丹出物

青/斑入/洲浜葉 淡黄/丸咲/牡丹

 

 

牡丹出物

黄/斑入/洲浜葉 紅/吹掛絞/丸咲/牡丹

 

 

 

一重出物

黄/握爪龍葉 淡紅紫地/紅紫/車絞/覆輪

風鈴獅子咲

 

 

牡丹出物

黄/握爪龍葉 淡紅紫地/紅紫/車絞/覆輪

 

風鈴獅子咲/牡丹

株全体がうねり、葉は表面が見えなくなるほど強く内側に抱えこみ

爪龍葉あるいは掬水葉と呼ばれます

花弁の先端は折り返して管状になり、形が似ていることから風鈴に形容される

花は咲いていなかったが、、、

 

 

親牡丹

青/斑入/抱/常葉 淡藤鼠色/丸咲/牡丹

 

 

燕出物

黄/抱/常葉/燕 紫/丸小咲

 

 

燕親牡丹

黄/抱/常葉/燕 紫/丸小咲/牡丹

 

 

親牡丹

黄/抱/常葉 紅/丸咲/牡丹

 

 

牡丹出物

黄/握爪龍葉 紅/総風鈴/獅子咲/牡丹

 

 

 

親牡丹

青/桔梗渦葉 葡萄鼠/桔梗咲/牡丹

 

 

牡丹出物

黄/抱/柳葉 紅/吹雪/撫子/采咲/牡丹

 

 

牡丹出物

黄/糸柳葉 紅/細切/采咲/牡丹

 

 

親木

青/桔梗渦葉 葡萄鼠/桔梗咲

 

 

牡丹出物

青/縮緬/立田葉 白/筒紅/車咲/牡丹

 

 

牡丹出物

黄/縮緬葉 銀鼠/筒白/総鳥甲/吹上/台咲

牡丹

 

 

牡丹出物

黄/縮緬葉 瑠璃/筒白/総鳥甲/吹上/台咲

牡丹

 

 

 

朝顔の見頃はやはり午前中です

なんとかすれすれセーフで花を撮影しました

 

 

 

 

つづきます

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
« ☆②奥多摩の草花 * 真夏のイワ... | トップ | ☆季節の伝統植物【夏】 * ②伝... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

♥ 植物・草花」カテゴリの最新記事