「沢木耕太郎」が、自らが選んだ道をひたすら疾走する十二人の胸に秘められた情熱の旋律とロマンの軌跡を描いたルポルタージュ作品『若き実力者たち 現代を疾走する12人』を読みました。
『危機の宰相』、『テロルの決算』に続き「沢木耕太郎」作品です。
-----story-------------
「尾崎将司」、「唐十郎」、「河野洋平」、「秋田明大」、「安達瞳子」、「畑正憲」、「中原誠」、「山田洋次」、「市川海老蔵」、「小沢征爾」たち十二人とともに酒を酌み、ともに旅して探った、現代を現代的に生きる人物紀行。
「小沢征爾」、「市川海老蔵(現・団十郎)」、「唐十郎」、「山田洋次」、「尾崎将司」…。
1970年前後に華々しく登場し、常に時代を騒がせ、リードし続けた12人。
彼らの多くは、今も輝きを失っていない。
デビュー間もない20代の著者が彼らの実像に迫り、新たな人物ノンフィクションを確立した画期的作品。
この40年の意味を今また問い直すために―。
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『月間エコノミスト』の1972年(昭和47年)6月号から連載が始まったシリーズを収録した作品、、、
連載時、デビュー間もない「沢木耕太郎」は24歳~25歳… 当時、若かった「沢木耕太郎」が、同じく若かった各界の実力者12人に迫る人物紀行です。
■巨象の復活 ― 尾崎将司
■廃墟の錬夢術師 ― 唐十郎
■疾駆する野牛 ― 河野洋平
■過ぎ去った日々でなく ― 秋田明大
■華麗なる独歩行 ― 安達瞳子
■面白がる精神 ― 畑正憲
■神童・天才・凡人 ― 中原誠
■錨のない船 ― 黒田征太郎
■望郷・純情・奮闘 ― 山田洋次
■人魚は死んだ ― 堀江謙一
■十二人目の助六 ― 市川海老蔵
■沈黙と焔の祭司 ― 小沢征爾
■あとがきⅠ
■解説 沢木耕太郎への依頼 井上陽水
■あとがきⅡ
■主要参考文献
40年以上前に描かれた作品なので、知らない人も多かったですね… 知っているのは、、、
「尾崎将司」、「河野洋平」、「畑正憲」、「中原誠」、「山田洋次」、「堀江謙一」、「小沢征爾」の7人でしたね。
子どもの頃、ゴルフ選手といえば「ジャンボ尾崎」を含む「尾崎三兄弟」がイチバン有名だったような… 元野球選手ってことは微かに記憶にありましたが、詳しくは知らなかったので、なかなか興味深かった。
政治家は、あまり興味ないですが、「河野洋平」といえば「新自由クラブ」のイメージか… 子ども心に政党名に「クラブ」って名前が付いていることが珍しくて印象深かった記憶があります。
「畑正憲」は、本名よりも「ムツゴロウさん」という呼称の方がイメージ強いですね… 特に観たいと思ってはいなかったけど、何気なくテレビで『ムツゴロウの動物王国』シリーズを観てましたね。
棋士のことは良く知らないですが… 「中原誠」は、将棋よりも後々の女流棋士「林葉直子」との不倫事件の印象が強過ぎて、過去の栄光を塗りつぶしてしまった感じがします。
「山田洋次」は、未だに好きな映画監督のひとり… 『男はつらいよ』シリーズは日本人の心とも言える作品だし、個人的には『息子』が大好きです。
「堀江謙一」は、海洋冒険家でヨットで単独太平洋横断航海を成功させていたよなぁ… その後もヨットで世界一周とかしていたような、程度のことしか知らず、その人なりって、全く知りませんでした。
「小沢征爾」は、日本を代表する指揮者ということは知っていましたが、裕福な家庭に育ち、財力があったので海外で勉強できて… と勝手に思い込んでいました。
という程度の稚拙な知識と勝手に抱いたイメージしか持っていなかったのですが、本書を読んで皆さんにスミマセンって感じです、、、
特に「小沢征爾」はイメージとの隔たりが大きかったですね… 決して豊かではない家庭環境の中で育ち、勝手なイメージと違いスポーツが得意で学生時代はラグビーもフロントローとしてプレーしていたとのこと、イメージが大きく変わり、もっと知りたくなりました。
「小沢征爾」は自分の抱いていたイメージと実際が異なっていた、最も顕著な例ですが、、、
他の人々についても、多かれ少なかれイメージが変わりましたね… メディアに露出する一瞬の言動や、記者や解説者等の第三者のフィルターを通じて抱いているイメージ、勝手に創り上げた人物像って、あてにならないならないものだということを改めて感じました。
そして、本作品の驚くべき部分はルポライター「沢木耕太郎」の実力、、、
本書に登場する若き実力者たちって、有名人だけに警戒心も強いだろうから、ルポライターに対して、直ぐに心を開いて自身をさらけ出すわけはないと思うのですが… 本書を読んでいると、若き「沢木耕太郎」が、取材される側の警戒心を解き、二人の距離感を心が通じ合うまで、互いの体温が感じられるくらいまで縮めていることに凄さと驚きを感じましたね。
若き実力者たちの一人ひとりが凄いことは勿論ですが… その12人を取材対象として冷静に見詰め、心を通わせることで本心を吐露させたうえで、生い立ちから家庭環境や性格までを知り、その個性に合わせた語り口で表現する「沢木耕太郎」のルポライターとしての力量を感じました、、、
「沢木耕太郎」に尋問されたら、何でもしゃべらされるんじゃいないかなぁ… と思っちゃいます。
本書の出版後、「沢木耕太郎」は、本書の印税と有志からのカンパを軍資金に、1974年(昭和39年)3月から1975年(昭和40年)4月ごろにかけて、約一年の海外の貧乏旅行(香港を出発点とし、ほとんどのルートをローカルバスで乗り継ぎ、タイ、マレーシア、シンガポール、カルカッタから始まるインド、西アジア諸国、イスタンブール、ギリシャ、イタリア、ポルトガルを経てロンドンへ到着)に出て、その内容を『深夜特急』という小説に描きます、、、
久しぶりに『深夜特急』を読みたくなりましたね。
『危機の宰相』、『テロルの決算』に続き「沢木耕太郎」作品です。
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「尾崎将司」、「唐十郎」、「河野洋平」、「秋田明大」、「安達瞳子」、「畑正憲」、「中原誠」、「山田洋次」、「市川海老蔵」、「小沢征爾」たち十二人とともに酒を酌み、ともに旅して探った、現代を現代的に生きる人物紀行。
「小沢征爾」、「市川海老蔵(現・団十郎)」、「唐十郎」、「山田洋次」、「尾崎将司」…。
1970年前後に華々しく登場し、常に時代を騒がせ、リードし続けた12人。
彼らの多くは、今も輝きを失っていない。
デビュー間もない20代の著者が彼らの実像に迫り、新たな人物ノンフィクションを確立した画期的作品。
この40年の意味を今また問い直すために―。
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『月間エコノミスト』の1972年(昭和47年)6月号から連載が始まったシリーズを収録した作品、、、
連載時、デビュー間もない「沢木耕太郎」は24歳~25歳… 当時、若かった「沢木耕太郎」が、同じく若かった各界の実力者12人に迫る人物紀行です。
■巨象の復活 ― 尾崎将司
■廃墟の錬夢術師 ― 唐十郎
■疾駆する野牛 ― 河野洋平
■過ぎ去った日々でなく ― 秋田明大
■華麗なる独歩行 ― 安達瞳子
■面白がる精神 ― 畑正憲
■神童・天才・凡人 ― 中原誠
■錨のない船 ― 黒田征太郎
■望郷・純情・奮闘 ― 山田洋次
■人魚は死んだ ― 堀江謙一
■十二人目の助六 ― 市川海老蔵
■沈黙と焔の祭司 ― 小沢征爾
■あとがきⅠ
■解説 沢木耕太郎への依頼 井上陽水
■あとがきⅡ
■主要参考文献
40年以上前に描かれた作品なので、知らない人も多かったですね… 知っているのは、、、
「尾崎将司」、「河野洋平」、「畑正憲」、「中原誠」、「山田洋次」、「堀江謙一」、「小沢征爾」の7人でしたね。
子どもの頃、ゴルフ選手といえば「ジャンボ尾崎」を含む「尾崎三兄弟」がイチバン有名だったような… 元野球選手ってことは微かに記憶にありましたが、詳しくは知らなかったので、なかなか興味深かった。
政治家は、あまり興味ないですが、「河野洋平」といえば「新自由クラブ」のイメージか… 子ども心に政党名に「クラブ」って名前が付いていることが珍しくて印象深かった記憶があります。
「畑正憲」は、本名よりも「ムツゴロウさん」という呼称の方がイメージ強いですね… 特に観たいと思ってはいなかったけど、何気なくテレビで『ムツゴロウの動物王国』シリーズを観てましたね。
棋士のことは良く知らないですが… 「中原誠」は、将棋よりも後々の女流棋士「林葉直子」との不倫事件の印象が強過ぎて、過去の栄光を塗りつぶしてしまった感じがします。
「山田洋次」は、未だに好きな映画監督のひとり… 『男はつらいよ』シリーズは日本人の心とも言える作品だし、個人的には『息子』が大好きです。
「堀江謙一」は、海洋冒険家でヨットで単独太平洋横断航海を成功させていたよなぁ… その後もヨットで世界一周とかしていたような、程度のことしか知らず、その人なりって、全く知りませんでした。
「小沢征爾」は、日本を代表する指揮者ということは知っていましたが、裕福な家庭に育ち、財力があったので海外で勉強できて… と勝手に思い込んでいました。
という程度の稚拙な知識と勝手に抱いたイメージしか持っていなかったのですが、本書を読んで皆さんにスミマセンって感じです、、、
特に「小沢征爾」はイメージとの隔たりが大きかったですね… 決して豊かではない家庭環境の中で育ち、勝手なイメージと違いスポーツが得意で学生時代はラグビーもフロントローとしてプレーしていたとのこと、イメージが大きく変わり、もっと知りたくなりました。
「小沢征爾」は自分の抱いていたイメージと実際が異なっていた、最も顕著な例ですが、、、
他の人々についても、多かれ少なかれイメージが変わりましたね… メディアに露出する一瞬の言動や、記者や解説者等の第三者のフィルターを通じて抱いているイメージ、勝手に創り上げた人物像って、あてにならないならないものだということを改めて感じました。
そして、本作品の驚くべき部分はルポライター「沢木耕太郎」の実力、、、
本書に登場する若き実力者たちって、有名人だけに警戒心も強いだろうから、ルポライターに対して、直ぐに心を開いて自身をさらけ出すわけはないと思うのですが… 本書を読んでいると、若き「沢木耕太郎」が、取材される側の警戒心を解き、二人の距離感を心が通じ合うまで、互いの体温が感じられるくらいまで縮めていることに凄さと驚きを感じましたね。
若き実力者たちの一人ひとりが凄いことは勿論ですが… その12人を取材対象として冷静に見詰め、心を通わせることで本心を吐露させたうえで、生い立ちから家庭環境や性格までを知り、その個性に合わせた語り口で表現する「沢木耕太郎」のルポライターとしての力量を感じました、、、
「沢木耕太郎」に尋問されたら、何でもしゃべらされるんじゃいないかなぁ… と思っちゃいます。
本書の出版後、「沢木耕太郎」は、本書の印税と有志からのカンパを軍資金に、1974年(昭和39年)3月から1975年(昭和40年)4月ごろにかけて、約一年の海外の貧乏旅行(香港を出発点とし、ほとんどのルートをローカルバスで乗り継ぎ、タイ、マレーシア、シンガポール、カルカッタから始まるインド、西アジア諸国、イスタンブール、ギリシャ、イタリア、ポルトガルを経てロンドンへ到着)に出て、その内容を『深夜特急』という小説に描きます、、、
久しぶりに『深夜特急』を読みたくなりましたね。
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