TRIVIAL JUNK Blog

ダラダラコスプレイヤー”克晴”の、コスと映画とその他諸々。

ダイアリー・オブ・ザ・デッド ★★★☆☆

2008-11-21 00:59:13 | 映画
「東京は酷い有様です!」(ニコ動のコメント祭りで)
<公式サイト>

「ナイト・オブ・リビングデッド」「ドーン・オブ~」「デイ・オブ~」の3部作でその後の「ゾンビ映画」の方向性を決定付けた、ゾンビ映画の始祖鳥ジョージ・A・ロメロによる新作ゾンビ映画。
「クローバーフィールド」や「REC」でおなじみのPOV(主観撮影)方式による、フェイクドキュメンタリー仕立て。

今回描かれるのは、上記3部作の実質的な続編だった「ランド・オブ~」から一転、再びゾンビ発生時の世界の混乱。
あっちでぐえーこっちでかゆうまとやってる中を主人公グループがうろちょろ、時に撃ち、時に食われ、時に揉めとやりながら、例によって「一番怖いのは人間」的な真実を抉り出していきます。

さて、POV形式の最大のメリットは「臨場感」なのですが、そこに関して言えば本作は大失敗しています。
手持ちカメラ映像とは言え、後から編集して音楽まで入れましたという妙な設定になってるせいで、出来上がった映像はほとんどフツーの映画。「ありのままをそのまま見ている」という感覚は一切湧いてきません。
手持ちカメラならではの手ブレなどもほとんどなく、正直なんでこの形式を選んだのか疑問ですらあります。

また、ホラー映画のお約束として登場人物の無防備な行動(わざわざ危険な方へ進むなど)、というのがありますが、それが通用するのはあくまでネタ要素の強いB級映画だけ。本作のようにシリアス路線の場合はただただ萎える要素にしかなりません。
にも関わらず劇中人物たちのアホっぷりと言ったら。ありえないことばっかやってて全く感情移入出来ません。弱点分かってるんだから転ばせたら頭潰せよ!なんでそのままほっとくんだよ!
この辺もPOV形式が機能していない一因と言えるでしょう。

まぁ、本作にはマスコミによる無責任報道や隠蔽と、それに対し一般人がネットという発信力を手にしたこと、しかしそこでの発信は主観ばっかで騒がしいだけ(今まさに一部が騒いでる国籍法が典型)、こんなカオスな世の中はどーなのよ!っていうロメロならではの社会派批判がありまして、それを言いたいからPOV形式にしたんでしょうけど、そこら辺のメッセージを全部ナレーションでクドクド語るもんだから結局映像の意味ないじゃんっていう。
他にも「一番怖いのは人間」なシーンは多々出てきますが、どうもとってつけた感が強くて微妙です。

では単にゾンビものとして観た場合はどうか。
本作のゾンビは昨今流行っている「走るゾンビ」とは一線を画す、ノロノロモタモタの「元祖」ゾンビ。目の前にいるゾンビの横をフツーにすり抜けて後ろから電気ショック攻撃、なんてギャグ寸前のシーンもあります。
これを見て「さすが元祖は違うぜ!」とは思いますが、ただそう思うだけ。怖いかって言ったら全然怖くないです。ホラーとしてもやっぱり微妙。
ゾンビになる条件に関して新機軸も入ってましたが、それもなんだか不発でしたし…。

まぁロメロらしくカニバリズム表現はガチだったり、吊るされたゾンビの不気味さがスバラだったりとその辺は流石なので、中程度には楽しめますが…
同じフェイクドキュメンタリーのゾンビものならRECの方が秀逸でしたね(オチはともかく)。
あまり積極的にオススメは出来ないなぁというまとめでひとつ。


ちなみにコレを場末の映画館で観た直後、銀座の絢爛なクリスマスツリーをいくつも眺めるハメになった時はいっそゾンビが溢れてしまえと思いました。



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コメント
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