孤高・残雪に舞う、、前編 ≪3≫

2006年5月01日 入山3日目、、午前。

シュラフに包まれながら何度か目覚めるが、夜半には雨は降り止んだようだ。
4時ころテントの外を覗くと、稜線はガスに包まれている。
5時半過ぎに起床、相変わらず稜線にはガス懸かっている。
手早く、鮭粥・コーンスープ・マフィンの朝食を済ませる。
稜線に懸かるガスの動きにはスピードがあり、
午後にはガスが切れることを願いつつ、テントを後にして、上高地バスターミナルに向かう。
スポーツドリンクを買い、登山届けを提出している間にバスが出てしまい30分ほどの待ち時間となる。
7時40分バスに乗車し出発。 気温10℃。
上高地バスターミナル
新釜トンネルを抜け、長野県から岐阜県へ・・、
安房トンネルを経由して30分ほどで平湯温泉バスターミナルに到着。
平湯温泉バスターミナル
ここでバスの乗り換えだが、連絡が悪く、、またもや30分ほどの待ち時間となる。
ようやく到着したミニシャトルバスに乗り込み・・8時03分平湯温泉を出発。
ミニシャトルバスの運転手さんはサービス精神が旺盛で・・、
途中、、「今日は、大サービスで・・カメラをお持ちの方は準備をして下さい。」
シャトルバスを路肩に止めて・・、
「左手奥に見える尖った山は≪錫杖岳≫です・・写せましたか? 良いですか?」
「はい、、ありがとうございます!!」 
「では、発車します・・・」
錫杖岳
平湯温泉から、約一時間ほどで新穂高温泉に到着。
何度も足を運んだ新穂高温泉の地であるが、ロープウェイ乗車口まで坂道の途中・・、
右手に常宿としていた「村営ホテル氷碧」は、看板を下ろして今は更地になっている。
新穂高ロープウェイ駅から、標高1,117mの新穂高温泉駅から、乗り継ぎをして、
標高2,156mの西穂高口駅まで一気に1,000mほどの高度差を駆け上る。
ロープウェイの左手奥にはガスの切れ間から、かすかに槍ヶ岳が望める。
錫杖岳
西穂高口駅の様相も幾分変わり・・、
4階にあるレストラン?? で身支度をしながらコーヒーを飲む。
靴にスパッツを装着して、外界に踏み出す。
そこには、冬季の間にしか見ることが出来ない「雪の回廊」が出現し観光客が散策をしている。
雪の回廊
いよいよ、千石尾根の登りにかかる。
上空には時折、青空がのぞき雪面の照り返しが眩しく感じる。
尾根筋の左手には、ガスが切れた向こうに西穂高の稜線を望む事が出来る。
西穂高稜線
積雪は考えられないくらいにあるのだるうが、トレースは確りと付いていて・・、
途中、要所要所には冬季登山道の標識が整備されていて、ガスに巻かれぬ限り道に迷う事は無い。
千石尾根・冬季標識
比較的、硬く締まった雪面を踏みしめながら、カメさんよりも遅い歩みを続けながらも高度を稼ぐ。
最終の雪斜面をトラバース気味に横切り、一つコブを越えると稜線に飛び出す。
森林限界に建てられた西穂高山荘に到着する。
今季の積雪の多さを物語るように2階部分まで雪が残っている。
雪に囲まれた西穂高山荘
残雪期なら、雪面と同じ高さの向こう本館の入り口があるのだが・・、
雪壁となり通路は除雪され両脇には、背丈以上に積み上げられている。
西穂高山荘・本館入り口
「こんにちは・・こんにちは・・??」
呼びかけに答える人影が見当たらず・・ザックを置いたまま、入り口を出て軒続きの別館を尋ねる。
別館(冬季小屋)には人影が色濃く漂い、スタッフが笑顔で迎えてくれ宿泊の申し込みを済ませる。
西穂高山荘・本館
冬季小屋の2階部分に案内されながら・・、
「消灯は21時で、その後は真っ暗になりますが懐中電灯などお持ちですか?」
「はい、、ヘッドランプを持っています。何度か宿泊しているで、真っ暗闇になるのは承知しています」。
今日の部屋は「上高地1」になります。
西穂高山荘・今夜のネグラ
冬季小屋にて昼食を摂ることにして行動食を持って階下に下りる。
幾分、身体が冷えたままなので・・、
「おすすめ№1の、、西穂ら~めん」を横目で確かめながらも「トン汁」を注文する。
西穂高山荘・トン汁500円
西穂高山荘・トン汁500円
トン汁を食べた甲斐もあり身体が温まり・・。
よおぉ~し、、稜線上の「西穂高・独標」を目指すぞ!!
飛騨側からの強風にガスが流れ去る、その先に待ち構えていたものは・・・。

【 追記 】
上記「トン汁画像」について、誤った表現がありました・・、
謹んでお詫びを申し上げると伴に、画像の追加を致します。。
西穂山荘スタッフの皆さまへ、、ご馳走様でした。。
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