残雪の上高地 ≪6≫

2006年5月03日 入山5日目。

夜が明けきらぬ4時過ぎ、目覚めるが・・、
寒さが厳しく・・シュラフからなかなか抜け出せなくうつらうつらする。
放射冷却のため随分と冷え込んだようで、5時ころにようやく起床する。

テントの外に出てみると、、やったぜベイビー(久しぶりに叫んでしまいそう・・)。。
入山後、初めて快晴の夜明けを迎えました。
外気は冷え込んでいて、テント・フライシートの表裏に夜露と結露したものが凍りパリパリになっている。
穂高稜線
穂高稜線から派生した明神岳の向こうから朝日が顔を覗かせるが眩しい。。
明神
早朝の河童橋あたりをカメラに納めようと出かけて見ると・・、
雪を纏った焼岳の姿が梓川に写り煌いている。
焼岳
朝の内、少しだけ雲の動きがあったが・・・
穂高稜線
朝食を済ませ、お馴染みになった「上高地温泉ホテル」の露天風呂へ出かける。
温泉に浸かれば、、昨日、西穂山荘からの下りで酷使した足が湯にしみる・・。

外来入浴を済ませ、上高地の春を探しに出掛けます。
・・と云っても、春は名ばかり、、いたる所に雪が残っているので・・。
”ふきのとう”が顔をのぞかせているくらいです。
ふきのとう
梓川右岸を下り、西穂高登山口を横目に見ながら田代橋を渡り・・梓川左岸を大正池方面に足を進める。
この季節は何度も上高地に来ているものの、自然観察路がこれほど雪に覆われているのを見るのは初めてだ。
土が顔を出しているのは、ごく一部分で、、残雪や雪が溶けその後凍った上を進むが・・、
すれ違うハイカーさんたちの足元は、このような道を歩くのには相応しくなく、いたる所で停滞を起こす。
大正池までの道のり
田代池を経由して、1988年(平成10年)以来の大正池に到着する。
大正池の彼方に穂高を眺めていると、昨日まで張り詰めていた緊張の糸が解れるような気がする。
立ち枯れの木が少なくなる大正池
焼岳は、雲ひとつない上空にかすかに噴煙を上げて、、北アルプス唯一の活火山の存在を誇示しているようだ。
かすかな噴煙を吐く焼岳
大正池から梓川左岸を引き返す。目線を変えてカメラを構えば、また違った良さが垣間見れる。
焼岳
銀色のつややかな顔を見せてくれるのは、ねこやなぎでしょうか?
ねこやなぎ
梓川の水量は雪解けが進むこれから増え続けるのでしょうが・・、
穂高の山々と同じ画面に納まる姿は好きです。
梓川の流れの向こう側
お昼少し前に、河童橋に戻ってきて、幾分テント食にも飽きてきたので・・、
今日は、河童食堂に入り・・、
「河童食堂と言えばこのメニュー。多くの旅人の心と体を満たす一番人気のメニューです。」
・・の歌い文句に釣られて「トン汁定食」を頂きました。
河童食堂名物・トン汁定食 1000円
天気が良く、気温も上昇しているので・・テントに戻り入山してからそのままのシュラフを干す。
あはぁ~~その間、テントで横になっていると・・気持ちがよくなり、、お昼寝をしていました。。
シュラフ干し
昼寝が終わり、眠気覚ましに上高地アルペンホテルへコーヒーを飲みに出かける。
ロビーに備え付けられた新聞4紙を貪り・・一昨日、発生した雪崩遭難事故の詳細を読む。
針ノ木雪渓で雪崩が発生し、男女3名が亡くなられた。
その内、東京の男性が単独で山に入っていて遭難した。
私は、雪崩が発生した当日、西穂高稜線に身を置いていた。
場所は離れていても、同じ山系(北アルプス)に居合わせたものとして心が痛む・・。
穂高稜線
絶好の天気に恵まれ、小梨平テントサイトや河童橋は連休に入り、
一番の賑わいの様相をしていた一日も終わろうとしている・・。

昨日から今日にかけて、雪焼けと日焼けが激しく、また雪目の症状もあり目が赤くなっていて・・、
目薬を点して、、バンダナを冷水に浸けて顔を冷やすことにする。

明日は、奥上高地を歩いてみようかなぁ~~。
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