直属の課長が辞表を受け取りこれで終了。
と自分では思っていた。
後になって知ったことではあるが、実際それで終了なのだ。
辞表というものは会社が却下や不受理できる性質のものではないのだ。
もし受理しない場合は次の法律に違反することになる。
・日本国憲法第22条の職業選択の自由
・労働基準法第5条の強制労働の禁止
・民法第627条第1条の退職の意思表示後14日後の労働契約の解除
ただ相手がブラック企業である場合そうはいかないこともある。
ひとまず上司たちに言われたように次長に辞める旨を話した。
2人でユーザーに訪問する前だった。
時期を伝えると「早いな、6ヶ月前に言わないと」
3ヶ月と聞いていた社内規定が6ヶ月に延ばされている。
どちらも労働基準法違反には変わらないが・・・
訪問先で作業を終えた帰りに
次長から辞める前の引き継ぎ事項が書かれたメモを渡された。
書かれていたのは3点だけだったと思うが特別難しい事ではない。
そして
「私はあなたにはできるだけ長くいて欲しい」
と言われたが事は動き出したと思った。
だがこの言葉は辞表の不受理を意味する者であったことは後に知ることとなる。
そしてもう一つ後に問題となることがが発生した。
転職先から「こちらを理由にしてはいけない」と言われたのだ。
その時点では転職先との信頼関係は壊せないので従うしかなかったのだが。
数日後、今度は先日話した課長2人に次長を加えた3人と私で4者面談をすることになった。
次長が切り出した。
次の仕事とうちとの両立をしてくれないかということだった。
次の仕事がフルタイム契約であるのだが伝わっていないのか舐められているのか。
私は「いいえ100%辞めます」と答えた。
次に次長は期日の延長を求めて来た。
以前話したことがまったく伝わっていないようなので
私はもう1度次の仕事のことを順序立てて説明したほうがいいと思ったが
転職先の「こっちを退職理由にするな」という言葉が引っかかり
「いや何があっても辞めるのは来年1月末です」とだけ答えた。
事情を伝えるためにちゃんと説明したほうが私はともかく
会社や上司たちのためではあったのだが・・・
直属でないほうの課長が
「これは部長に言わなければ駄目だな」ということになり
次は私から部長に直接話をすることになった。
もちろん上記の法律上の問題に加え、転職とは社内だけの問題ではないので
部長に決定権などあるわけではない。
それでも次課長たちにとっては水戸黄門の印籠のようなものだったのかもしれない。
その認識不足もまた後に彼らが地獄を味わう原因の一つとなるのであったが。