こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る(27)

2017年06月02日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(三)

四、弱い老人の用便不通症
老人の小便不通は、大体、短気気虚から来るもので、四物湯に黄芪の煎じた
水を加え、空腹時に磁腎丸を呑み下す。

五、小便不通を下す場合
実熱で癃閉したときは八正散を使い、大便が出ると小便は自然に通ずる。
実熱で小便がつまったら導水丸・三花神祐丸を使う。

六、転脬症

転脬症は臍下が急に痛み、小便が不通になる。無理に小便をがまんするとか、
小便がしたいのに疾走するとか、または飽食して小便をがまんするとか、
または食後に馬に乗るとか、または小便をがまんして入房すると水気が
上逆して気が脬を逼迫すると、屈して伸張できない症などから起こるもので、
脬が落ちると即死する。この症状は婦人に多い。
転脬は二石散に木通・車前子を等分にして煎じて服し、陰陽熨法を使うと良い。
転脬に蒲黄散・滑石散・葱白湯を使う。老人が転脬で危篤なときは六味地黄丸
に沢瀉を倍にして使い、妊婦の転脬には蔘朮飲を使う。

二石散    転脬になってから八~九日になっても小便の出ないときに使う。
    処方 滑石・寒水石・葵子各一銭に水一〇杯を半分になるまで
       煎じて空腹時に二回に分けて服用する。

蒲黄散    転脬で小便が出ないときに使う。
    処方 蒲黄・滑石を各等分に作末し、毎二銭を卵で服用する。

滑石散    転脬で小便が出ないときに使う。
    処方 寒水石二両、滑石・乱髪灰・車前子・木通各一両、葵子一合を
       水一斗で煎じて五升になったら一升づつ一日三回食べる。  

葱白湯    小腹が張って小便が不通になり、気が上衝して心臓を刺して悶絶
       して死ぬ思いをする。これは驚憂と暴怒に依って気が膀胱をこえて
       入っていって膀胱が閉り、脬系が真っ直ぐできないときにおきる。
    処方 陳皮三両、葵子一両、葱白三茎を水五升で二升になるまで煎じて、
       三回に分けて食べる。

蔘朮飲    妊婦が転脬に依って小便が不通になったときに使う。
    処方 四物湯に人蔘・白朮・半夏・陳皮・甘草各一銭を加え、生薑三片、
       大棗二枚を入れて水で煎じて空腹時に服用する。