東医宝鑑 外形篇(外科)一
二、面(六)
三、眼
二、眼が肝の穴になる場合の続き
磁腎明目湯 血少・神労・腎虎の眼病を治す。
処方 当帰・川芎・白芍薬・生地黄・熟地黄各一銭、人参・桔梗・梔子・黄連・白芷・蔓荊子・甘菊・甘草各五
分を細茶ひとにぎりと燈心ひとにぎりを入れ、水で煎じて服用する。
補肝散 肝風内傷で痛がゆく、一物が二物に見えるなどの症に使う。
処方 羚羊肉・防風各一両、人参・赤茯苓各七銭半、羌活・車前子・細辛・玄蔘・黄苓各三銭半を作末して毎二
銭を米飲で食後調服する。
墜瞖丸 内傷有瞖を治す。
処方 青羊胆・青魚胆・鯉魚胆各七個、熊胆二銭半、牛胆五銭、麝香三分、石決明一両を麵糊で梧子大に丸め、
空腹時茶漬けで一〇丸呑み下す。
羊肝元 眼目の諸疾と障瞖と青盲を治す。
処方 黄連細末、白羊子肝一具を梧子大に丸め、空腹時三〇丸呑み下す。
本事方羊肝元 内傷青盲を治す。
処方 白羯羊肝の子肝をうすく切て瓦の上で焼いて熟地黄一両半、兎絲子・決明子・車前子・地虜子・五味子・
枸杷子・茺蔚子・苦葶子・青箱子・氋仁・麦門冬・沢寫・防風・黄苓・白茯苓・桂心・杏仁・細辛各一
両を蜜で梧子大に丸め、温水で三〇~五〇丸を一日三回呑み下す。
補腎丸 腎虚に依る目の弱さと内傷に使う。
処方 磁石火煆醋淬回・兎絲子酒製各二両、熟地黄・肉蓯蓉酒浸焙・石斛・五味子・枸杷子・猪実子・覆盆子酒
浸・車前子酒蒸各一両、沈香・青塩各五銭を作末して梧子大に丸め、空腹時に温水で五〇~七〇丸呑み
下す。
杷苓丸 腎虚に依る目の昏暗と内傷に使う。
処方 茯苓四両、枸杷子酒浸二両、兎絲子酒製・当帰各一両、青塩五銭を作末して蜜で梧子大に丸め、空腹時に
温水で五〇~七〇丸呑み下す。
五退散 内傷を治す。
処方 蟬退・蛇退・蚕退・鳥鷄卵殻・男子髪を各等分に焼いて粉末にし、猪肝を煎じた湯で一銭調服する。
密豪花散 一六種の内傷で多年昏暗な症に使う。
処方 密豪花二両、羚羊角・蠐螬(即ち桑蚕)・人参・覆盆子・地虜子・枸杷子・甘草各一両、茺蔚子・菥冥子・
槐花各五銭を作末して毎二銭を米飲で調服する。
沖和養胃湯 脾胃の虚弱が心火と三焦がともにおき、上に上がって内傷のおきたのを治す。
処方 黄芪・羌活各一銭、人参・白朮・升麻・乾葛・当帰・甘草灸各七分、柴胡・白芍薬各五分、防風・白茯苓
各三分、五味子二分、乾薑一分水で煎じて半分くらいになったら、黄苓・黄連各五分を入れ、また煎じ
て滓を取って食後温めて服用する。
当帰湯 肝腎と瞳子の補強薬。
処方 両胡二銭、生地黄一銭半、当帰・白芍薬各一銭、黄苓と黄連の酒に浸したものを、各七分半、甘草灸五分
を水で煎じて服用する。
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