こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る28

2017年06月08日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(四)

七、関格症
邪が六腑にあると陽脈が和せず、陽脈の不和は気が留し、気が留すると陽脈がおこる。
邪が五臓にあると陰脈が和せず、陰脈の不和は血が留り、血が留ると陰脈がおこる症
である。陰気が大盛すると陽気は立ち上がれないので格する症。陽気が大盛すると
また陰気が立ち上げれないのを関といい、陰陽が共におき、その作用をなさぬと関格
となるが、この関格という症は寿命を完うしないで死ぬ症状である。
関は小便不通、格は吐き逆する。関は熱がなく、格は冷える症状。格は息を吐き
出せない症、格は息を吸い込めない症である。
関格には芒硝湯・大承気湯を使う。
中虚者は補中益気湯に檳榔を加えて昇降させ、痰格には枳縮二陳湯を使う。

芒硝湯   関格不通を治す。
   処方 芒硝二両半、滑石三両、冬葵子炒三合に滑石・葵子の粗末五銭半が半分ぐら
      い煮つまると芒硝一銭を入れて、もう一度煎じて空腹時に服用する。

枳縮二陳  関格の上下不通を治し、これは痰が中焦をふせぐ症だが、こんくすりを飲んで
      痰を出させる。
   処方 枳実一銭、川芎八分、縮砂・白茯苓・貝母・陳皮・蘇子・爪萋仁・厚朴・便香附子
      各七分、木香・沈香各五分、甘草三分を木香・沈香を除いて剉作して一貼にし、
      薑三片を入れて水で煎じて竹瀝と沈香・木香各五分を濃くひいて入れて飲む。

八、関格で吐瀉する場合
関格には必ず吐いて、つまったものを出すのが、緊要ことである。
痰があると二陳湯で吐かせ、中気が弱いときには補中益湯に末香・檳榔を加えて昇降させる。
関格は急症で、生死は時間の問題であるから、下焦を治療したら治ることもあるので大承気湯を使う。

九、洗熨法
陰陽熨法とも、冷熱熨法ともいう。腑転と二便不通を治すが、先に湿布して小腹を何回も摩擦し、
次に熱い湿布で摩擦し、また冷たい湿布で摩擦すると便が通ずる。
腑転で小便の不通になったときは、生薑・葱白・紫蘇葉各ひとにぎり煎じて室内で全身を温め、
洗って小腹・外腎・肛門などのところは何回も温め洗ったあと、赤茯苓・赤芍薬・白芍薬各五銭、
蜀葵子二銭半を煮た水に蘇合香元三丸と青塩末半銭を空腹時温服する。

一〇、掩臍法
転腑症は難病で、手当が遅れると生命を奪われる。甘遂末を水でこして臍の下にぬり、
甘草節煎じたものを飲んで臍の下まで降ろすようにすると、脬はおのずところがって小便が出る。
小便の癃閉不通のときには胎臍膏、通関膏、通関散を使う。

通関散   小便不通を治す。
   処方 白礬生・白塩各二銭半、をまぜて臍の上に圏をつくり、上に薬を入れたあと、
      冷水を薬の上に落とすと、すぐ治る。

東医宝鑑を観る(27)

2017年06月02日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(三)

四、弱い老人の用便不通症
老人の小便不通は、大体、短気気虚から来るもので、四物湯に黄芪の煎じた
水を加え、空腹時に磁腎丸を呑み下す。

五、小便不通を下す場合
実熱で癃閉したときは八正散を使い、大便が出ると小便は自然に通ずる。
実熱で小便がつまったら導水丸・三花神祐丸を使う。

六、転脬症

転脬症は臍下が急に痛み、小便が不通になる。無理に小便をがまんするとか、
小便がしたいのに疾走するとか、または飽食して小便をがまんするとか、
または食後に馬に乗るとか、または小便をがまんして入房すると水気が
上逆して気が脬を逼迫すると、屈して伸張できない症などから起こるもので、
脬が落ちると即死する。この症状は婦人に多い。
転脬は二石散に木通・車前子を等分にして煎じて服し、陰陽熨法を使うと良い。
転脬に蒲黄散・滑石散・葱白湯を使う。老人が転脬で危篤なときは六味地黄丸
に沢瀉を倍にして使い、妊婦の転脬には蔘朮飲を使う。

二石散    転脬になってから八~九日になっても小便の出ないときに使う。
    処方 滑石・寒水石・葵子各一銭に水一〇杯を半分になるまで
       煎じて空腹時に二回に分けて服用する。

蒲黄散    転脬で小便が出ないときに使う。
    処方 蒲黄・滑石を各等分に作末し、毎二銭を卵で服用する。

滑石散    転脬で小便が出ないときに使う。
    処方 寒水石二両、滑石・乱髪灰・車前子・木通各一両、葵子一合を
       水一斗で煎じて五升になったら一升づつ一日三回食べる。  

葱白湯    小腹が張って小便が不通になり、気が上衝して心臓を刺して悶絶
       して死ぬ思いをする。これは驚憂と暴怒に依って気が膀胱をこえて
       入っていって膀胱が閉り、脬系が真っ直ぐできないときにおきる。
    処方 陳皮三両、葵子一両、葱白三茎を水五升で二升になるまで煎じて、
       三回に分けて食べる。

蔘朮飲    妊婦が転脬に依って小便が不通になったときに使う。
    処方 四物湯に人蔘・白朮・半夏・陳皮・甘草各一銭を加え、生薑三片、
       大棗二枚を入れて水で煎じて空腹時に服用する。