隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「去年、一番悲しかったこと」~「釜ケ崎有情」より

2010年03月05日 00時43分04秒 | 日記
2010年3月5日(金)


 余裕がないって言ったって、たかだか仕事がつまってどうしよう…程度のことで、大騒ぎするほどのことはない。だけど、もともと器が小さい人間だから、どーんと悪いほうに考えて、イライラしたり。
 終電間際の電車に揺られながら、もっと気持ちに余裕がほしいな、といつもながらのことを思ったりしている。
 それだって、別に限りがないわけじゃない。忙しさから抜け出られるときは必ず来るわけだし。
 だけど、ああ、疲れた~とブツブツ言いながら夕刊を広げて、「朝日新聞-人脈記」の「釜ケ崎有情」に目をやる。
 釜ケ崎の「こどもの里」の館長さんが中心になって24年も続いている「子ども夜まわり」。
 1983年の中学生によるホームレス襲撃事件(横浜)にショックを受けた館長の荘保さんが子ども夜回りを思いついたのは、野宿の人を見慣れていて理解もしていると思っていた地元の子どもたちにアンケートをとったら、半数の子が「からかったことがある」「汚い」「怠け者だ」と書き込んでいたことへのショックからだそうだ。
 話しかけたりおにぎりを配ったりするなかで、「おっちゃん」らの話をきくこともあるという。
 幼子の感想がステキだ。
 「おっちゃんら、かあちゃんから生まれたんやろ? なんで、こんなとこでねなあかんの?」
 怪我をしていたおっちゃんのことを考えて「3時までねられませんでした」と書いた男の子もいたそうだ。
 「山王こどもセンター」でも数年前から夜回りを始め、最初から参加している高校生の女の子の言葉もいい。
 夜まわりのたびに話をしていた人が路上死したことが、「去年、一番悲しかったこと」と言う。
 ああ、人間はやっぱり捨てたもんじゃない。自分を含めて「くだらない生き物ばかりだ」なんて不遜なことを考えたりするひねくれ者の私の心まで、ちゃんと上向きにしてくれる。
 
 私が去年悲しかったことは?と思い返してみて、いくつか頭に浮かんだけれど、あまりのくだらなさに恥ずかしくなりました。

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