K.M.へ
東京にキラキラ光る粉雪が舞っています。外灯の下で見上げると、小さな粒たちが踊りながら落ちてくる。こんなきれいな雪を東京で見られるなんて。
あなたとあの山小屋で雪を見たのは、もう何年前だろう。大学のクラブが所有していたあの山小屋、もう何年も前に建て直されたそうですね。知ってた? なくなってしまうと知っていたら、もう一度訪れてみたかったな。
卒業前に二人で行った、あの冬のこと、覚えているでしょ? 薪をくべたストーブの前で話したことも。 あなたが好きな人の名前をもらしたとき、本当に驚いた。知ってた? あの人のこと、私もずっと好きだったの。あなたみたいにかわいくないし、積極的でもないから、ただかげに隠れて見ているしかなかったんだけど。だから、あなたも好きだと知って、もうその瞬間にあきらめてた。情けないよね。
ずっと友だちでいるつもりだったのに、私は心の狭い人間だから、あの人に近づいていったあなたを受け入れられなかったのね。卒業してから、いつのまにか連絡が途絶えて、それでもあえて、あなたの居場所を知ろうともしなかった。
どうしていますか。この粉雪をどこで眺めていますか。 今夜、本当にひさしぶりにあなたを思い出しました。
私は元気です。雪をいっしょに眺める相手は今はいないけど、でもちゃんと恋もできるようになりました、あきらめたりせずに。
あなたはどうしていますか。
2006.2.7 夜
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