隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

雪が降ったよ-K.M.へ

2006年02月07日 01時45分05秒 | 手紙

K.M.へ

 東京にキラキラ光る粉雪が舞っています。外灯の下で見上げると、小さな粒たちが踊りながら落ちてくる。こんなきれいな雪を東京で見られるなんて。
 あなたとあの山小屋で雪を見たのは、もう何年前だろう。大学のクラブが所有していたあの山小屋、もう何年も前に建て直されたそうですね。知ってた?  なくなってしまうと知っていたら、もう一度訪れてみたかったな。
 卒業前に二人で行った、あの冬のこと、覚えているでしょ? 薪をくべたストーブの前で話したことも。 
あなたが好きな人の名前をもらしたとき、本当に驚いた。知ってた? あの人のこと、私もずっと好きだったの。あなたみたいにかわいくないし、積極的でもないから、ただかげに隠れて見ているしかなかったんだけど。だから、あなたも好きだと知って、もうその瞬間にあきらめてた。情けないよね。
 ずっと友だちでいるつもりだったのに、私は心の狭い人間だから、あの人に近づいていったあなたを受け入れられなかったのね。卒業してから、いつのまにか連絡が途絶えて、それでもあえて、あなたの居場所を知ろうともしなかった。
 どうしていますか。この粉雪をどこで眺めていますか。 今夜、本当にひさしぶりにあなたを思い出しました。
 
私は元気です。雪をいっしょに眺める相手は今はいないけど、でもちゃんと恋もできるようになりました、あきらめたりせずに。
 
あなたはどうしていますか。

2006.2.7 夜


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