2020.11.16
『プレッシャー ―ノルマンディーの空―』
at 本多劇場
原作:デヴィッド・ヘイグ
訳:小田島恒志/小田島則子
演出:鵜山仁
出演:加藤健一(スタッグ博士)/山崎銀之丞(クリック大佐)
原康義(アイデンハワー大将)/加藤忍(ケイ) ほか
この作品は2014年にスコットランドで初演され、今回が日本で初演となる。
タイトルの「プレッシャー」は単に「重圧」という意味だけかと思っていたら、気象用語の「気圧」もかけているらしい。
舞台の中央に広げられる「天気図」がこの作品の象徴であり、登場人物の一人のような重要な役割を果たす。
1944年、ドイツに占領されたヨーロッパ大陸に上陸する連合軍の大作戦の一場面。
作戦決行の成功の第一条件は、当日の天候の予測。海は穏やかか?
そこで、連合軍の作戦本部の指揮者アイゼン ハワー大将は、作戦決行予定日の3日前に、天才的な予報士といわれたイギリス人のスタッグ博士を呼び寄せる。
「晴れ」の予報でなければ、作戦は決行できない。
そして彼の予報は「大荒れの天候」。海が荒れては、海峡を渡ってノルマンディー海岸への上陸は不可能だ。
ところがアイゼン ハワー大将が引き連れているアメリカ人の予報士の予報は正反対の「晴天」。過去のデータに基づく彼の予報のおかげでいくつもの作戦を成功させてきた、という過去の事実もある。
決行か、中止か・・・。
大荒れの天候の中を決行したら、多くの犠牲者が出る。中止になったら、これまで長いこと準備してきた作戦が水の泡。
そのプレッシャーの中で、天才気象学者には妻の出産という懸念があり、それは予報のプレッシャーと並行して彼の中で大きくなり、天才肌の彼がとても人間的な面を見せる場面もある。
アイデンハワー大将と運転手兼秘書のケイの戦場での恋は、彼女の切なくも健気な思いとはうらはらに、上司である大将のあっけない言葉で終わりを告げる。
作戦中止もしかたない、と決断する寸前に、思いがけぬ自然の変化で、一日遅れの奇跡の「晴天」がもたらされる。
喜びに沸く作戦本部。
天気図に手を掲げる博士のシルエットが、ラストシーン。
これも一種の「戦争ドラマ」。
プレッシャーの中で揺れる人の心はとても丁寧に描かれ、ふとこれが作戦本部の物語であることを忘れる瞬間もある。
ケイは上司とともにさまざまな戦火をくぐりぬけてきたことを楽しかった思い出として振り返り、彼とともに、いつかドイツの首都ベルリンを訪れたいと、スタッグ博士に軽やかに告げる。
ノルマンディー上陸作戦では多くの犠牲者が出て、実際にはドイツ降伏までまだ1年以上の歳月を要したことになる。
それでも、人間の普通の心の揺れが、そこに転がっていて、ときに残酷だったり悲惨だったりする場面のあいまあいまに顔をのぞかせることを、私たちは知ることになる。
そういう当たり前のことが、戦争を知らない人には実は新しい気づきだったり納得だったりする。そういうことか?
★ 片桐はいりさんは「映画館出身」
ココで知る、彼女の映画愛、映画館愛。
前にテレビでこういう内容のことをきいてことがあったけれど、今でも・・・と知った驚き。
★ イチローさんの指導
あちこちで報道されているけれど(ココ)、ここはまさに野球愛。
生涯、野球少年なんだろうなあ。
GoToの問題点を私のような人間にもとてもわかりやすく解説してくれているように感じる。
どうですか??
https://www.47news.jp/47reporters/5530347.html
それにしても、嫌な季節だ。
毎年言うけど、ここらあたりから年末までがいちばん嫌だ。
はやく通り過ぎてしまいたいのです。