2018.11.01
Paul McCartney
“Freshen Up Tour”
at Tokyo Dome
今回はどうしようかな、と少し迷ってからのチケット購入がまずかったのか、S席をやめたのがまずかったのか(笑)・・・。
東京ドームの最後列から2列目、それもステージの真正面だから、ステージからは最も遠いところ。
ポールが豆粒なのはまったく気にならないのだけれど、残念ながら音が・・・だった。
最初から、音、小さくない?で始まって、ポールの声がちゃんと聴こえない。え、声出てないの?とむしろ心配になってしまったくらい。
(あとでTwitterなどを見たら、「前よりさすがに少しは衰えたかな」というのもあったけれど、大部分は「声も出ていてスゴイ!」だったので、安心しちゃったけれど)
後ろの男性の「マイク、おかしい?」の声もきこえた。
でもポールの声だけではなく、全体に音に包まれるという感覚に程遠かったので、音響のせいというより場所なのかな?(試合じゃなくてライブのときは、あそこは座席の対象にはしてほしくないかな)
・・・と、最初に書いておいて。
あとはそんなことでウジウジしていてもしかたないので、ライブに集中。
変わらずキュートで若い、少々あざとい(笑)ロックスターのパフォーマンスに酔いました。
セットリストはこんな感じ。どこかからのデータ拝借。
「Yesterday」をやらずに終わったので、そこはちょっとびっくり。私は別にいいんだけれど、聴きたかったファンは多い? 誰かが「忘れちゃった?」って。
前日のセトリを見ると、その代わりに「 I Saw Her Standing There」 だったのかな。私的には十分にOK。大好きな曲!
セットリスト
B:Beatles W:Wings E.S.:新譜『Egypt Station』
01 A Hard Day’s Night(B)
02 Junior’s Farm(W)
03 Can’t Buy Me Love(B)
04 Letting Go(W)
05 Who Cares(E.S)
06 Got to Get You into My Life(B)
07 Come On to Me(E.S)
08 Let Me Roll It(W)
09 I’ve Got a Feeling(B)
10 Let ‘Em In(W)
11 My Valentine(2012年『Kisses on the Bottom』)
12 1985(W)
13 Maybe I’m Amazed(1970年『McCartney』)
14 We Can Work It Out(B)
15 In Spite of All the Danger(The Quarry Menの楽曲)
16 From Me to You(B)
17 Love Me Do(B)
18 Blackbird(B)
19 Here Today(1982年『Tug of War』)
20 Queenie Eye(2013年『New』)
21 Lady Madonna(B)
22 Eleanor Rigby(B)
23 Fuh You(E.S)
24 Being for the Benefit of Mr. Kite!(B)
25 Something(B)
26 Ob-La-Di, Ob-La-Da(B)
27 Band on the Run(W)
28 Back in the U.S.S.R.(B)
29 Let It Be(B)
30 Live and Let Die(W)
31 Hey Jude(B)
ENCORE
32 I Saw Her Standing There(B)
33 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)(B)
34 Helter Skelter(B)
35 Golden Slumbers(B)
36 Carry That Weight(B)
37 The End(B)
1990年の東京ドームでのライブでの感動が今も心の中から消えていない。
1993年、2013年、2017年と東京ドームに行ったが、ビートルズ、ウィングスの楽曲のそれぞれに曲がイントロで聴こえてきた瞬間に思うこと、体に流れるものの種類はちっとも変わらない気がする。自分でまとめたレポを読んでも、ああ、同じだ、と思ってしまう。おかしいくらいに。
1989年の新譜『Flowers In The Dirt』がすばらしくて、ウィングスからの私のポールブランクをうめてくれるのに最適なアルバムで、しばらくは80年代のアルバム『McCartney II』『Tag opf War』『Pipes of Peace』などに遡って聴いていた時代。
ライブハウスのスピッツを知って聴き始めた日本のロックと、同時期にどんなふうに付き合っていたんだろうと、そのあたりはもうわからない。そんなもんですね。
だから、1990年のドームで、思いがけず懐かしいビートルズナンバーやウィングスナンバーを聴くことができて、一気に過去に戻ってしまったのだ。
今回は、「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)」だったけれど、あのときはまさにアルバムのオープニングから忠実に再現した正真正銘の「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」で、あのワクワク感ったらなかったし、初めてライブで聴く『Abbey Road』最後のメドレーを聴いたときの感動を超える体験はあれ以降ないかもしれない。
毎回同じコメントやジョークで曲間をつなぐポールだけれど(鉄板ネタは、「Live and Let Die」のあとに、ファイヤーと爆音に自らが両耳をふさいで「みんなの声援が聞こえないよ~」と言うところ(笑))、それでもジョンに捧げる「Here Today」の美しさ、悲しさには体中が真顔になる。ウクレレでジョージを語り、バンドでの盛り上がりにもっていく「Something」は聴くたびに名曲だなと心が震える。毎回同じコメントでも、ああ、ジョン、ああ、ジョージ、と胸がつまる。
「I've Got a Feeling」の前にジミヘンへの愛と敬意を語るところも同じだけれど、それでもあの曲を聴けば、ルーフトップパフォーマンスの映像が頭の中を駆け巡り、バンドの末期の姿が思い起こされたりする。
「My Valentine」は今の妻ナンシーへの歌だという。そして、必ず亡妻リンダへの「Maybe I’m Amazed」も忘れない。ウィングスのときはステージ上にいるメンバーであるリンダへの「My Love」はちょっと閉口したけれど(笑)。
「Love Me Do」や「From Me To You」はモノラルの音さえ世界への道だったことを思い出させる。
ビートルズの円熟期(という表現が的確かは別にして)には多重録音での制作ゆえに、あるいはメンバーの軋轢もあるのかもしれないけれど、彼らはライブという形での活動をしていないから、ウィングスでのライブ映像はポールファンにとっては本当にうれしく貴重な財産。
あの頃のポールはビジュアル的にもカッコよくてセクシーで・・・。それでも、「Band on the Run」や「Letting Go」「Let Me Roll It」を今回も聴いて、スクリーンに映し出されるポールのギターやベースを構える仕草は変わっていなくて、それもちょっとうれしかったりする。
「Get Back」が聴きたかったけど、「Back in the U.S.S.R.」を演奏してくれたからいい、とか、「Blackbird」の細やかな美しさと真摯な主張が変わらずにそこにあってよかったとか、そういう思いをつないでいく。
聴きたい曲は限りなくあるけれど、そんなことは私が言ってもしょうがない。ライブで聴けなくたって、レコードがCDがちゃんとあるじゃないか。それをしばらくは聴いていこう。
誰でもそうだろうけど、どの曲にも自分なりの思い出や思いが溢れていて、だからライブの帰りに語り合えば、朝まで時間が足りないくらいだ。
ポールが元気でいてくれるから、引きこもって過去の栄光にひたったりせずに生涯現役を貫いてくれるから、そしてどこかお祭り男的な面もありがたく、だからこそ、私たちは21世紀にもなってビートルズやウィングスの曲をライブで聴くことができるんだ。そして、曲たちが世代を越えて渡り歩いていく、ステキな現象。
最後に言ってたな、「また会いましょう!」
あ、また来るんだ(笑)。
ステージ上の階段を軽やかに下りる姿を見れば、奇跡の70代ロッカーは本当に再びワールドツアーに出るかもしれない。
でも、もしこれが最後だったとしても、「Back in the U.S.S.R.」でメンバーのギタリストと背中合わせで演奏したときのカッコいいポーズと、「Golden Slumbers」の優しい言葉たちに包まれた短い時を、私は一生忘れないだろう。
以下は、2013年と2017年のときのレポ。
セットリストだけでも、よかったら見てください。
● 2013.11.18
https://blog.goo.ne.jp/kakera1221/e/81191a7700ea8859f2e1c95c1c1e411d
● 2017.04.28
https://blog.goo.ne.jp/kakera1221/e/f0ae5c67c66cf385173310055f55b832
ちなみに1990年はこんなセトリでした。
1990年のセトリ
01 Figure Of Eight(1989年『Flowers In The Dirt』)
02 Jet(W)
03 Rough Ride(1989年『Flowers In The Dirt』)
04 Got to Get You into My Life(B)
05 Band On The Run(W)
06 We Got Married (1989年『Flowers In The Dirt』)
07 Let 'em In(W)
08 The Long and Winding Road(B)
09 The Fool On The Hill(B)
10 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band(B)
11 Good Day Sunshine(B)
12 Can't Buy Me Love(B)
13 Put It There(1989年『Flowers In The Dirt』)
14 Things We Said Today(B)
15 Eleanor Rigby(B)
16 This One(1989年『Flowers In The Dirt』)
17 My Brave Face(1989年『Flowers In The Dirt』)
18 Love Me Do(B)
19 Back in the U.S.S.R.(B)
20 I Saw Her Standing There(B)
21 Coming Up(1980年『McCartney II』)
22 Let It Be(B)
23 Ain't That A Shame(Fats Dominoのカバー)
24 Live and Let Die(W)
25 If I Were Not Upon The Stage~Hey Jude(B)
26 Yesterday(B)
27 Get Back(B)
28 Golden Slumbers~Carry That Weight~The End(B)
新譜の『Egypt Station』、音源はあるのに、あまり聴きこんでいないので、これからじっくり楽しもう。
http://pmccartney.com/2018japan/egyptstation/
そして、今回の日本公演のリハ後のインタビュー
https://www.cinra.net/interview/201810-paulmccartney
湯川れい子さんのこの言葉がとてもツボっていました。
名古屋ドームのポールを観てきました。
名古屋はビートルズの日本公演は、名古屋のCBC放送が主催だったのに、なぜかいつも飛ばされていた不遇の地。
私は3年前の東京ドームを観ていたので、どうしようかと思っていましたが。
ドケチな弟の「姉ちゃん行こう!」の一言で行って参りました笑
中学生の頃から、ウチの中ではいつもビートルズのウチだったので。
かけらさんのおっしゃる通り、最初のうちは
あれ?ちょっと衰えた??と思ってたけど、曲を重ねるにつれて上がっていくテンション、声量。
とても76歳とは思えませんでしたよね。
でも、私。ゴースカの時も思ったんですけど。
ポールの前のライブもそうだったし、最近は割と解禁かもだけど。
やはりライブの時の撮影は禁止にして欲しいなぁ。
目に焼き付け、耳に残る。
って思うのは古いのかしら?
お元気そうでなによりです!
ポールライブ、堪能できてよかったですね~。
そうそう、撮影OKだったんですよね。
私、忘れていて、斜め前の人がパチリ!とやっているのを見て、おおおっ!となりました。
私もライブに集中したい人なんで、その最中に撮影なんて考えられませんよ。
これって古い?
でも若い人にも、案外そういう人、多いんじゃないかと思いますけど。どうなんでしょうね。
朝晩、ちょっと冷えますね。
縮こまらずに暮らしていたいと思うこの頃です。
いつもありがとうございます!