2012.8.5 (日)
ROCK IN JAPAN FES.
at 国営ひたち海浜公園
私にとっては今年最後の野外フェス。
雲が多くなりそうな予報だったのに(たぶん)、ほぼ快晴。
暑いけれど海風の心地よい一日になりました。
前回はちょっと出発が遅かったせいか都心を抜け出すのに時間をとってしまったので、今年は早めの出発。
ものすごくスムーズにいきすぎて、予定外の会場直後の入場となり、シートゾーンのまあまあの位置にこぢんまりとスペースを確保。
それにしてもすごい青空。
●●若いのに・・・ONE OK ROCK
ぶらぶら公園内を散策したり、すでに始まっていたDJ BOOTHを遠巻きに見て「楽しそうだなあ」なんて思ったり・・・。
そうこうしているうちに、GRASS STAGEも始まる。
最初は、ONE OK ROCK(「ワンオーケーロック」ではなく「ワンオクロック」というんだそうです)。
スタンディングゾーンには、「待ちわびた感」いっぱいの若いファンの人たちがかなりのもりあがり。私はとりあえず先が長いのでシートゾーンで聴いてたけど。
いやいや、ハンパなく「うまい」です。
で、今のバンドはすごいなあ、と思うのは、パフォーマンスっていうか、客のノセ方っていうか、そういうのももうできあがっちゃってるの。演奏もうまいんじゃないかなあ。
それもライブハウスのスケールじゃなく、こういう大きなフェスで、ファンじゃない人をも巻き込む・・・という感じ。
若い知り合いに借りたCDの「残響リファレンス」を聴いただけで、だからセットリストとかも(どこかで確認してください、以下同)知らない曲ばかりなんだけど。
(「Re:make」「世間知らずの宇宙飛行士」「アンサイズニア」しかわからん)
でも、そういうのとは関係なく、とても楽しめた。
あとできいたら、こういうフェスに昨年もけっこう出てたそうですね。
で、ボーカルが噂どおりにうまいし、がなっても声に無理がない感じ、さすがです。
オーディエンスをいったんかがませて、一斉ジャンプを促すところなんぞは、その空気に引っ張っていくところで脱帽。
一斉ジャンプは見ていても迫力ありました。
それにしても、勢いもうまさもある、こういう若いバンドの今後の課題とか試練って、どういうところにあるんでしょうね。
勝手な想像だけど、大人たちにゴチャゴチャにされたりせずに、ちゃんと自分たちをもっていそうだし。
どこに、どういうふうに向かっていくのかなあ、なんて、ちょっと興味深く思いました。
最初にこれだけ盛り上げて、あとに続くバンドは大丈夫なのかなあ、なんてつまらないことを考えたりしたけど、次は「サンボマスター」(笑)。そんな心配は無用だったけど。
●●音楽の力?・・・サンボマスター
スタンディングゾーンに登場するなり、なんだか笑いや笑顔があふれる感じ。
最初にこのフェスで彼らを見たとき。とくにボーカルのパフォーマンスに接したとき、炎天下、「暑苦しいやつだなあ」と思ったことを懐かしく(笑)思い出す。すみませんでした。
えーっと、セットリストは、
「青春狂騒曲」「世界を変えさせておくれよ」「あなたのことしか考えられない」「ロックンロールイズノットデッド」「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」
など。抜けているところありなので、どこかで確認してください。順番も正確ではないです。
オープニングナンバー「青春狂騒曲」が始まった瞬間に、スタンディングゾーンはもうMAXまで行った感じ。
ま、山口隆は「お前ら、こんなもんじゃねーだろっ!」と煽ってましたが。
「ロックの金メダル」がキーワードって感じで、みんなで金メダルをとろうぜ!って感じ。
知らず知らずに乗せられちゃう、そういう力があるんですよね。
「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」のときだったか、オーディエンスが大きま円の空間を作って、サビで一気にその空間に踊り狂って集結するっていう(わかる?)パフォーマンスもおもしろかったです。
去年は涙で最後までちゃんと歌えなかったから、今日は「お前らの助けを借りにやってきた」と言って歌い出したのが福島の歌「I Love You & I Need Youふくしま」。
途中、言葉がつまったところもあったけれど、最後まで。
私は福島の人間じゃないから、とかそういう理由ではなく、こういう場面ではどうもひいてしまうひねくれ者で、気持ちを一緒に高めることはできなかったんだけど(そういう意味では、音楽の力って信じてないのかなあ)、でもね、斜め前の若いカップル(それまでのノリノリの曲でも一切体を動かすことなく聴いていた二人なんですが)が泣いていたのです。
女の子はタオルを顔にあてて、男の子は帽子を目深にかぶっていたけれど、親指で流れてくる涙をぬぐって・・・。
恋人のようにも、また兄妹のようにも見えたその二人は、その曲のあと、そっと後ろのほうに歩いていきました。
どんな思いで聴いたのかはわからないけれど、その姿を見たときに、ぐっと迫るものがありました、この私にも。
こういうフェスでは、なんか、「一体感」が求められるし、それが心地よかったりするのかもしれないけど、でも結局は「それぞれに」聴いていればいいんだよなあってことです。当たり前のことだけど。
「あなたの叫びに泣いている若者がいましたよ」と、どなたか山口さんにお伝えください。
ラストの「できっこないをやらなくちゃ」の盛り上がりに、最初のmaxはmaxなんかじゃなかったと、納得したワタシでした。ホント。
FUNKY MONKEY BABYSは、すみません、あまり興味がないので・・・なので、今回はちょっと会場内を散策。
いつもあまり歩いたことがなかったので、なかなか貴重な散策でした。
●●この独特な…奥田民生
なんなんでしょうね、この独特感。
彼のライブを知らない人に説明したいんだけど、案外難しい。
ダラダラとかっこよさ。でもかっこよさもいわゆる「かっこよさ」ではなく・・・。
ま、いいや。そんなことをここで私なんかがグダグダ書いてもしかたないし(-_-;)。
「何回も声をかけていただき・・・、とくに話すこともないんですけど」
「ハイ・・・。じゃ、次・・・」
なんて淡々とビールを飲みながら進むんだけど、演奏はもうメチャクチャかっこいいのです。
オープニングは「イージュー★ライダー」で、ラストは「明日はどうだ」。
あとは「恋のかけら」「スカイウォーカー」「愛のボート」「アーリーサマー」「マシマロ」「CUSTOM」「快楽ギター」、ええと、あとは「MANY」かな。
「「イージュー★ライダー」はやっぱりお決まりのサービスでしょうか。やっぱりうれしい。歌詞、大好き!
「恋のかけら」「マシマロ」など、2000年代のさまざまなシーンでの曲が並びます。
今回のセットリストは、私にとっては好きな楽曲が躍っておりました。
「CUSTOM」の世界観は心地よくて好きなんですよね。
力は抜いているけど、ギターソロとか、もう惚れ惚れします。
かわいい大人な男・・・ということです。
スクリーンに大写しになった姿は、「ギター少年の幸福ななれの果て」ということで、こちらもうれしくなりました。
●●大丈夫でした、私でも・・・ケツメイシ
ケツメイシの好きな若い友人がいまして。
以前はよく会う機会があったので」ケツノポリス5」まではちゃんとiTuneに入っているですけどね。
そのあとは・・・。
私でも大丈夫かしら? ピップホップ、あんまり聴かないし~と不安な気持ちでスタンディングゾーンに・・・。
タオル回しはあまり経験ないし~、ケツメイシをLIVEで見るのははじめてだし~。
でも、ま、「音楽に境界線はなし!」ってことで、ホント、楽しい楽しい時間でした。
セトリストも知っている、あるいは聴いたことのあるものばかりで。たとえ聴いたことがなくてもまったくNO PROBLEMって感じ。
最初は「闘え!サラリーマン」、そして、「三十路ボンバイエ」「また君に会える」「夏の思い出」「お二人Summer」「LOVER」などなど、そしてラストは「ボラーレ」。
途中、小芝居(コント?)もありつつ、メリハリのきいた気持ちのいいステージで、そこいらじゅうの空気を全部「ケツメイシ」に染めていきました。
人気の秘密、とくに男性にも人気のある感じ、納得できました。
いやいや、楽しかった!
●●スピッツ詰め合わせ
あの盛り上がりのあと、大丈夫なのか、スピッツ?(笑)
というくらいのケツメイシでしたが、スタンディングゾーンには変わらずぎっしりとオーディエンスが「NEXT ARTIST」を待っています。
スクリーンに「スピッツ」(SPITZだったか?)の文字が現れると、大きな歓声とワクワク感の空気。
メンバーと、そして少し遅れて最後にボーカルが登場すると、チラッと黄色い歓声も・・・。
テツヤ氏はカラフルなペインティングの衣装(「なんか、わかりにくい(笑)」、ボーカル草野はブルーのシャツにGパン(もしかすると、ここ何年かの夏フェスでいちばん良かったかも(笑)。そしてap bankのときと同じ?hat。
田村、崎ちゃんは忘れました・・・。
いつもと変わらず、とくに演出はない彼ららしい登場です。
そしてセットリストは、ap bank fesとほぼ同じだったかな(ココをどうぞ)。
曲数はこちらのほうが少ないのですが。
01 けもの道
02 三日月ロック その3
03 スパイダー
04 初恋に捧ぐ
05 空も飛べるはず
06 夕焼け
07 運命の人
08 恋する凡人
09 8823
10 涙がキラリ☆
「けもの道」、ファンとしては盛り上がりますねえ。
スピッツファンじゃない人も「おおっ!」って感じでOKです。演奏もカッチリ。
続く「三日月ロック その3」のちょっと腰砕け感とそのなかのうねりがなんともスピッツらしくて。
「スパイダー」「空も飛べるはず」、ラストの「涙がキラリ☆」は、こういうフェスではホント、大歓迎されます。聴きたい曲はほかに山ほどあるけど、でもあの「オオーッ」っていう歓声を聞くのは悪くない。うれしい気持ちです。
スクリーンにはたくさんの手がいっせいに上がって、揺れたり突き上げたりしている波が映っている。
「次の曲は長いこと封印してたんですけど」という草野のMCで始まったのは、打ち込みバージョンの「運命の人」。この曲への反応もすごい。
さりげなく「次はカバー曲で、初恋の嵐の『初恋に捧ぐ』という曲を」で始まったこの曲。いつ聴いてもいいなあ。この疾走感。走る旋律の上で、悲しみがせつなく躍っている。初恋は悲しみさえも躍らせてしまうのです。
このときのギターとベースの掛け合い的なアレンジがとても好き。オリジナルに忠実なのか、スピッツサウンドなのかは不明ですが。
「夕焼け」では、のびやかな、そしてどこか傍観者的な草野らしいボーカル。聴き入る私たちのところに心地よい風が吹いて、炎天下での体に優しい手当をしてくれる。
そして、「ああ、スピッツね~」という人に聴かせたい(笑)、「恋する凡人」から「8823」の流れ。
ドシッと構えてマイクスタンドの前を動かない「恋する凡人」での草野のギター、暴れる田村のベース、遠くに目をやるテツヤのギター、スティックを突き上げる楽しそうな崎ちゃんのドラム。
ソロ部分や重要な演奏場面で、ちゃんと演奏者がスクリーンに映し出される感じが結構完璧で、そこを十分に楽しみました。なんの演出も必要なく、この演奏だけで「ご飯何杯でもOK」です。
バンド、スピッツのカッコ良さと、バラエティに富んだ「スピッツ詰め合わせ」というセットリスト。
聴いている私たちも幸せだけど、メンバーもとてもうれしそうに見えました。
ちょっとだけ、覚えているMCを(いつもながら、正確ではないのでニュアンスだけ味わってください)。
「ケツメイシのあとは、ちょっとやりにくいんだけど」で、ファンじゃない人の心もしっかりつかみました、たぶん。
「スピッツとACIDMANのために体力を残しておいてくれてありがとう。うれしいです。ほんとは『うれしいぜっ!』って言いたいんだけど」・・・そう叫ぶと次の曲にさしさわりがある・・・と笑いを誘っていました。
「オリンピック、見てる? すごいよね、内村航平くん。あの身体能力」 そこで、自分の身体能力で内村くんより勝るものはないか・・・と考えたらしい。それが「高い声」。場内、微妙な笑い。
そこで披露したのが、クリスタルキングの「大都会」の「あ~あ~ 果てしない~♪」のめっちゃ高い部分。ギターをちょこっと弾いて、で、案外軽い感じであの部分を・・・。「おお、すごいね~」的な反応に、ちょっと満足げな、ちょっと恥ずかしげな草野。
そのあと次の曲のために違うアコギと交換しにマイク前を離れる。そこにザワザワという空気。
「あれ、さっきアコギをかえたはずなのに・・・。あれって『大都会』を歌うためだけだったの?」的なザワザワ。
マイク前に戻ってきた草野、「なに、ざわついてるの?」と軽く言うところがおかしい。
「内村くんのように高くは飛べないけれど、この声でみんなを高く飛ばせることができたら」みたいなことを言ってたかな。「不思議」の歌詞を思い出す。
そして、「何度もここに出させてもらっているけど、今日はほんとうに気持ちがいいです。みなさんにとって最高の夏になりますように」
そんな言葉を最後に「涙がキラリ☆」へ。
草野はいつものようにステージ上を左右に移動してピックを投げ、そしてマイクなしで何かを叫んで退場していきました。
バンドとしてのステータスの高さと、「軽くて重い」「さわやかだけど、なんかヘン」・・・そういうスピッツを、みなさん、どんなふうに感じましたか?と尋ねてみたい・・・。
●●広大な深遠な世界観・・・ACIDMAN
一昨年のこのフェスで初めて、ACIDMANの世界に触れた私です(コチラ)。
今回も、そのスケールの大きさを見せていただきました。
「最後の国」「アイソトープ」「赤橙」「ある証明」、そしてラストは「飛光」。
タイトルからして、不思議な雰囲気が伝わりますよね。
ただ、あまり私自身が学習していないんで・・すみません。
でも夕闇で揺れているオーディエンスとバンドの一体感がすごくて、聴き惚れていました。
前も感じたけど、真面目なバンドだなあ、と(相方は「理屈っぽい感じ」なんて言ってましたが)。
主催者への丁寧な感謝の言葉、海のものとも山のものともわからない自分たちを出させてくれて、そしてGRASS STAGEを目標にやってきて、今夜は「大トリ」・・・と感慨深げに話していました。
新曲の「アルキミスト」の紹介についても、忘れてしまったけど、思索的な言葉を用いていたような。
やはり夏の野外は格別。
もっといろいろなアーティストを見たかったけど、また次回・・・。
キラキラのドームのオブジェが現れて・・。
汗も夜風に乾いて、心地よく駐車場への道。
大勢の「満足」と夏の思い出にあふれた、長いなが~い行列が続いていました。
それから、「福島」を旅して戻りました。
いろいろなことを感じた「旅」については、また改めて。
何ごとも「食わずなんとか」は人生を狭いものにしちゃいますね。
次回はぜひ!