2019.12.15 21:00~
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
at TOKYO FM
「いかがお過ごしでしょうか~」のあとで突然、「最近、常識が覆されることが多いですよね」
わかるけど、急に言われても・・・。
「実はお札の聖徳太子は聖徳太子じゃなかった」とか。
風邪についても、いろいろあるらしい。
「昔は食欲がなくても、おかゆくらい食べなさい!」とか言われていたけれど、最近じゃ、ムリに食べないほうがいいらしい、とか。
草野「体は風邪を治すことに全力で頑張っているのに、食べることでそれがそがれてしまうらしい」
知り合いの映像作家さんが言うには、「野菜ってそんなに食べなくてもいいという説があるらしい」。
(えー、野菜好き!うちは野菜がすぐになくなるね~というだけでちょっと安心してるのに)
草野くんのお知り合いには、野菜ほとんど食べなくても100歳近くてお元気、という方がいらっしゃるらしい。
(私の知り合いのおじいちゃんは、大酒のみで昔の専売公社に勤務していたヘビースモーカーだけど、85歳でジョギング毎晩してるらしい。そんなもんだ)
草野「だけど、常識だってアップデートされてて去年と違うじゃん、っていうこともあるし、鵜呑みにするのもどうかと思うけど。自分の都合のいいほうに引っ張られるよね」
そして今日は、「ビートルズのカバー曲で漫遊記」。
世界が生んだスーパーバンド。1970年に解散して来年で50年・・・か。
活動はたった10年だけど、その間に公式発表した曲は213曲。「カバーした人、メチャメチャ多いです」と。
草野「微妙にロックじゃない曲もあるけれど、独断で草野セレクトでお送りしていきます」
オンエア曲
01 空も飛べるはず[Album Version](スピッツ)
02 キャント・バイ・ミー・ラブ(東京ビートルズ)
03 Day Tripper(Cheap Trick)
04 We Can Work It Out(Deep Purple)
05 イエロー・サブマリン音頭(金沢明子)
06 Helter Skelter(Motley Crue)
07 I've Just Seen A Face / 夢の人(小野リサ)
08 Across The Universe(Fiona Apple)
09 あなたはやって来る~Dear Santa~(小谷美紗子)
漫遊前の一曲は、スピッツで「空も飛べるはず」(1993年、8thシングル。Album Versionで)。
草野「意識したわけじゃないんですけど、よく言われました、ビートルズの『From Me To you』にイントロが似てるって」
ああ、そうか~、そういえば・・・。
だけどスピッツメンバーがビートルズを通ってこなかったことはわかっていたので(インタビューで?)、考えたこともなかったなあ。
ZO-3で演奏して「ね、似てるよね~」(笑)。
草野「マジで考えていなかったんですけど、それだけ強い影響力ということでしょうか」
最初の曲は、「日本のバンドでビートルズのカバー曲といえば、まずはこれか?」、東京ビートルズで「キャント・バイ・ミー・ラブ」(東京ビートルズ)(1964年、2ndシングル)。
The Beetlesの「Can’t Buy Me Love」が全米第一位になって1か月足らずで結成された東京ビートルズのカバー。
「買いたいときは~ 金出しゃ買える~♪」、ここが「すごい残るんだよね」と。ホントにそう。歩きながら、鼻歌出たりしそうで、ヤダ(笑)。
草野くんは10代の頃に深夜ラジオで聴いて、それからずっと脳内に残っているんだとか。
「ニンニク食ったときにいつまでも口に残る感じ。すごいフレーズだと思いますけどね」
(「すごい形容・・・だと思いますけどね」)
これって、スタジオミュージシャンが演奏しているそうです。当時(日本では?)ロックという音楽がまだ成立していなかったので、ジャズ系のスタジオミュージシャンの方たちが自らビートルズの音楽を解釈して演奏したとか。
草野「音楽史的に貴重な音源ということで評価されているそうです」
へ~。
1993年、大瀧詠一さんが東京ビートルズの曲を4曲入れたアルバム(ビートルズのアルバム『meet the Beetles』をパロって、『meet the 東京ビートルズ』)をリリースして2万枚売れたそうだ。
ジャケットはこれ?
次の曲は、Cheap Trickで「Day Tripper」(1980年)。
チープ・トリックはビートルズ・チルドレンのようなバンドなので、「オレはチープ・トリック大好きなんで、スピッツはビートルズの孫バンド的な感じかと」
このカバー曲はライブ盤のように聴こえるけれど、そういう音を加えたんだそうで(メンバーは望んでなかったと言われている)、実はスタジオで録っているんだとか。
草野くんは、中一でチープ・トリック命だったころに聴いたそうで、4曲入りのレコードを「溝がすり減るほど聴いた」と。
(こういう感覚、すっごくわかるよ、年代的にね(笑)。針で傷つけて同じところ何回も繰り返すようになっちゃったとか・・・)
「ビートルズの『Day Tripper』より先にチープ・トリックの『Day Tripper』を聴いた」草野少年。
う~ん、カッコいい! これじゃ、本当にライブバージョンと言われればそう思ってしまう。
ビートルズの「Day Tripper」はむしろ、ジョンの声がセクシーで、ロック度を考えればチープ・トリックのカバーに一票入れちゃいそうです。
次は、Deep Purpleで「We Can Work It Out / 恋を抱きしめよう」のカバー(1968年、2ndアルバム『The Book of Taliesyn / 詩人タリエシンの世界』)。
ディープ・パープルのギタリスト、リッチー・ブラックモアも「ポール・マッカートニーが理想のミュージシャン」と言っているそうだ。
草野「こういうメタルのミュージシャンにも実はビートルズ信者が多いんですよね」
ブラック・サバスのオジー・オズボーンはポールのことが好きすぎて、お姉さんに頼んだらしい、「頼むからポールを結婚してくれ!」(笑)。みんな同じようなこと、考えるんだな。
このカバーは彼らがまだハードロックになる前で「アートの香り」もして、「初代ボーカルのロッド・エヴァンスもなかなかいいです!」。
1968年のアルバムだから、この成熟の香りさえするエッセンスは理解できるけど、明かされなかったら、ディープ・パープルとは思わないかもしれない。この頃の彼らをイチオシで語る昔の仕事仲間が懐かしい。
ビートルズの「We Can Work It Out」はこちら。キャッチーでシンプルで、ただただキラキラしている。内省的だったり神秘性を求める前の彼ら?
The Beatles - We Can Work it Out
次は、「変化球、いってみましょう」と、金沢明子で「イエロー・サブマリン音頭」(1982年、16thシングル)。
金沢明子さんは民謡の歌手なので、「民謡とロックのミクスチュア・ミュージック?」。
歌詞をかえてカバーすることにビートルズサイドはうるさくて、なかなか許可がおりないそうで。「だけどポールさんが実際に聴いて許可がおりた」んだそうです。
大瀧詠一プロデュース、で作詞は松本隆。知らなかった・・・。
草野少年は、テレビの「家族そろって歌合戦」で某俳優がこれを歌っているのを見て、「すごい衝撃を受けた」と。金沢明子さんの曲を聴く前だったそうです。
私も久しぶりに聴いて、イントロから結構衝撃(笑)。クレイジーキャッツの曲を思い出した。
ポールは、カバー曲というよりまったく違う楽曲として認知したか? あるいは原曲を微妙に残しながら大胆にアレンジした心意気と才能を評価したのか?
「イエロ・サブマリン」のリフレインの最後に「潜水艦」と付け加えるところで、一瞬吹きそうになったぞ。
次は、「ガツンとくるやつを」と、ヘビメタバンドMotley Crueで「Helter Skelter」(1983年、2ndアルバム『Shout At The Devil』)。
そこで、「最近、彼らの伝記映画が話題になっていますが、エグいシーンやエロいシーンがあるので、Netflixなどで観るならお子さんが寝た深夜に」とアドバイス。
『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝』予告編 - Netflix [HD]
「Helter Skelter 」は68年の作品。ビートルズの曲としても「すでにメタルっぽい」と。
草野「元祖メタルの曲といわれ、ビートルズって本当にいろいろ発明してたんだな。改めてすごいバンドなんだなと思いますけど」
次は、「日本のボサノバ歌手の第一人者ともいえる」小野リサで「I've Just Seen A Face / 夢の人」(2006年、22thアルバム『Jambalaya - Bossa Americana-』)。
草野「この曲は、ビートルズの中でも好きな曲」
(私も好きだ。でもすっかり忘れていて、1992年?のポール・マッカートニーのライブで久々に聴いて、「なんで忘れてたんだ~」と思った記憶あり)
小野リサさんといえば、スピッツメンバー内では、メジャー7thのコードを「小野リサ」とよんでいるとか。「かってに、すみません」
草野「メジャー7thってちょっとおしゃれな感じなんですよ。だからそういうとき、ここは『小野リサ』でいこうよ、とか言ってたんだよね」
杏ちゃんの「I've Just Seen A Face」を見つけた。こちらは原曲のアレンジどおりの歌唱。
ポールマッカートニー来日!ビートルズ I've Just Seen A Face (夢の人) を杏が熱唱!
そして最後は、Fiona Appleで「Across The Universe」(1999年、2ndアルバム『When the Pawn … / 真実』、日本盤ボーナストラック)。
映画『カラー・オブ・ハーツ』のサウンドトラックに提供した楽曲だそうだ(1998年)。
Fiona Appleは90年代に活躍したシンガー。
草野「96年のアルバム『Tidal』、オレ、ジャケ買いしました。瞳が吸い込まれるようにきれいでね」
で、これがジャケット。
たしかに、吸い込まれそうなほど「怖い・・・」。
草野「ビートルズよりも、けだるい感じが90年代のオルタナ風味で、とてもすてきなナンバーになっています」
うーん、いい声だなあ。メッセージ性よりも浮かぶ風景や雰囲気を伝えてくれる「Across The Universe」、いいですね。
あ、Scorpionsのカバーも見っけ。
Scorpions - Across the Universe (Videoclip)
解散宣言のあとにリリースした初のカバーアルバム『Comeblack / 暗黒の蠍団』に収録されている。
ストレートなシンプルさが際立つ。
特集の最後に。
草野くんが「いちばん聴きたかったビートルズのカバー」は、テレビで見た氷室京介×吉川晃司の「HELP」だそうだ。
友達がテレビから録った音源をカセットにダビングして、それを聴いていたそうです。「探せばどこかにあるはず」と。
(数あるビートルズカバー曲の中で、今夜のセレクト・・・。さすが、草野マサムネです)
そして今夜も最後は、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
季節柄?、「雪国」のイントロから。
曲は、小谷美紗子さんの「あなたはやって来る~Dear Santa~」(1997年、5thシングル)。
去年の暮れにも「掘り起こした曲」(ココ)。
草野「この番組が続く限り、クリスマスの恒例にしようかな、と思います。もうこれ以上好きなクリスマスソングはないので」
今年5年ぶりにリリースされたニューアルバムにも強力な曲があるんだけれど、「それでもやっぱりこの曲を!」と。
甘いだけじゃなく、しっかりメッセージもあり。
「私にもやってくる?」と誰かに問いかけたくなる、そんな究極のやさしいクリスマスソング。
世間の賑わいや慌ただしさに心が折れそうなときに、この言葉たち・・・。
そして次回の「ロック大陸漫遊記」は、「2019年、気になった曲で漫遊記」(そんな時期なんだなあ)。
今年リリースされた楽曲を中心に、「去年年末にリリースされてぎりぎりもれちゃった曲も含まれてるかもしれないね」と。
「草野独断セレクト」に乞うご期待!