記念日

■記念日

周囲の空気に沁みこむように
昔のテレビの透明人間みたいに
いつの間にか生まれ出て
人目につかない場所を見つけた

こぼれ出る無色の文字が
光のエキスで場所を探る
見えないスポットからの招待状が
ボクらを違うエリアにいざなう

優しく　か弱いタマシーの集合体
振り向いて　赤いベロを出す
ボクらを乗せた古いバスが
いつかあそこに飛び立つだろう

まぶしいライトより　大きな歓声より
ひねくれた吐息を食べて　でかくなる
夢遊病者ではなく　確かなウォーカーとして
ボクらはきっと追いかけていく