2017.5.5
JAPAN JAM
at 蘇我スポーツ公園
http://japanjam.jp/
スピッツご本人たちも言っているように、今年の夏は30周年のツアーの真っ最中だし、夏前のフェスは案外貴重かも、ということで行ってきました。
春のフェスはおととしのARABAKIが初めてで(ココです)、それが思った以上に心地よくて、でも昨年は母のこともあってフェスなんて遠い出来事だな、もう無理だなとあきらめて。
今年もまだまだ大変なことは山ほどあるけれど、気持ちひとつでできることもあるんだ~と学んで、助けられて・・・、そして春のフェスを堪能してきました。
スピッツのメンバーが出演者中最高齢というのなら、私たちはオーディエンスの最高齢?(ま、そこまで言い切るにはまだ年月がありそうだな)とか冗談を言い合いながら車を飛ばして、途中ちょっと仕事をすませて、午後早めの時間に到着。ホテルに駐車して電車で蘇我駅に向かう。蘇我スポーツ公園は駅から10分足らずのところ。
「ビールが飲めるぞ~」と相方。そこがいちばんうれしかったのか?
気温は上がったし、メインのエリアだけ人工芝じゃなくて土ぼこりがあったけれど、相対的に心地よい空間だった。
3つのエリアの移動も、FOOD AREAへのアクセスも楽だし、サッカー場の客席の一部が解放されているので、日陰で食べたり休んだりしている人もいたな。
お目当てのバンドがいたとしても、こういうせっかくの空間では、いろんなバンドとの出会いを大切に、どん欲に楽しまなくちゃ損だよ!と思う。
■■ クリープハイプ~SPECIAL OTHERS~KEYTALK~THE BACK HORN~レキシ
諸々事情で前半は参加できず。いろいろ興味あるバンドがたくさんあったので残念だったけど。
クリープハイプはCDは聴いているけれどライブは初めて。
ボーカル尾崎世界観の歌詞はどこかヘンなところをくすぐる。ハイトーンの例の声のせいではないだろうけど、ライブ途中で一瞬、立ったまま眠りに誘われる。あれはなんだ? 心地よかったのか? 風に誘われたのか?
私にはすべり気味に聞こえる短いMCを聞きながら、意固地なまでに自己を振り回す感じに「てごわい厄介な人物?」などど考えたり(これは褒め言葉です)。
流れに身を任せて酔いしれる状況にはならないけれど、どこかに誘われて浮遊するのもライブの醍醐味か。
01 HE IS MINE
02 ラブホテル
03 憂、燦々
04 エロ
05 鬼
06 5%
07 イト
08 社会の窓
確実にタイトルだけで興味ひかれる。「社会の窓」をライブで聴けただけでも満足。
SPECIAL OTHERS のエリアまで急ぐ。私にとって3度目のライブかな。すでに始まっていて、1曲目の途中から。
なんて心地よい空気が漂っているんだ! インストでやられた。リフレインが作り出す、人の神経をマヒさせちゃう力。
01 AIMS
02 ORION
03 Good morning
04 マイルストーン
最後の「マイルストーン」は3月にリリースされたコラボアルバム『SPECIAL OTHERS II』(ココ)から。
予告されていたのか、THE BACK HORNの山田+9mmの菅原が登場。二人のハーモニーと競い合うような声のコラボ。いいもの、見ちゃったなあ。
お互いを十分意識して、それぞれのバンドのときよりももっと繊細なボーカリゼーションが耳に気持ちよかった。
慌てず気負わずな大人のMCも、スペアザのインストに色を添えていた。楽しい!!
あっさり時間が過ぎて、風のように消えていったメンバーたち。
KEYTALK、エリア内に人が集まってくる。さすが勢いのあるバンド。
本当に楽しいステージ。難しいことなんてどうでもよくなる解放感、高揚感。
ツインボーカルによる変化の妙味や厚みがおもしろくて、展開を読めない楽しみもある。勢いだけじゃないバンドなんだと実感。
オーディエンスの盛り上がりも彼らの爽やかな盛り上げ方もステキだったな。すごく楽しい時間でした!
01 Love me
02 fiction escape
03 MATSURI BAYASHI
04 森羅万象
05 HELLO WONDERLAND
06 Summer Venus
07 YURAMEKI SUMMER
08 MONSTER DANCE
スピッツ終演のあと、急いで別のエリアのTHE BACK HORNのステージへ。「おお、もう始まってる!」
ステージ前はすでにライブハウス状態。山田さんの強いボーカルが響く。
久しぶりだなぁ、どこのフェスで見たんだっけ? どんどん突き進んでいくボーカルと演奏。私たちは振り落とされないように必死についていく感じ。相変わらずすごいよ。とくにスピッツのパフォーマンスのあとのTHE BACK HORNだしね。
彼らがフェスとかでカバー曲を披露することがあるのか、そのあたりはよく知らないのだが、ユーミンの「春よ、来い」は結構インパクトあり。導入はおとなしかったけど、最後は声をふりしぼる彼の「春よ、来い」になっていて。
日が完全に沈んだ暗闇とライトに浮かび上がるボーカルの姿と表情は、演奏に大きな深みをもたらしていたようで、それも含めて「ライブ」だなと改めて感じた。
01 魂のアリバイ
02 声
03 罠
04 白夜
05 あなたが待ってる
06 春よ、来い
07 コバルトブルー
08 戦う君よ
09 刃
なんとなく際物みたいな印象で「レキシ」をとらえていたこれまでの自分を恥ずかしく思うパフォーマンスだった。
フェスの大トリにふさわしい、その場にいる全員を巻き込んでしまう度量、彼の経歴を思えば当たり前の楽曲の「美しさ」。「なんでもとりあえずは受け入れてからの取捨選択」が私の信条だったのに、なんでこれまで避けちゃったのか。歴史も好きなのに・・・(笑)。
日本の長い歴史ともに池さんのレキシがこれからの進む道を、私もすごく楽しみに追っていくつもり。
会場で稲穂を持っている人が大勢いて、「ね、あれ、どこでもらえるの?」と思っていたんだけど(ちょっと欲しかった)、あれはレキシのグッズ?だったのね。稲穂ってことは弥生時代?
http://rekishi-ikechan.com/free/discography/
そういえば、MCでしきりに「スピッツ兄さん」をいじってくれてたなあ。
「お前ら、スピッツ兄さんのときにその稲穂振ったりしてないよな? 『同じ稲穂がズラリ~♪』」
と「涙がキラリ☆」の替え歌を歌ってくれたり。
「オレがレキシだったら~切なさにキャッとなる~♪」とか。笑いをとれて気に入っちゃったのか、2回くらい聴かせてくれたし。
「ロビンソン」では、袖にいるスタッフから「時間がない!」と言われているにもかかわらず、自曲の「きらきら武士」につなげて、「大きな力で空に浮かべたら ル~ララ 宇宙の武士になる~♪」とか。
「マサムネさんに笑いながらグーで殴られそう」というのがウケた。「笑いながらグーで」って、ああ、スピッツだよなあ、とかね、思ってしまった。
すべてを引き込んで、そして曲で聴かせるなんて、この日の大トリはこの人しかいないだろう。
CD、必ず聴きます。というか、またいつか、こんなフェスで会いたい!
01 SHIKIBU
02 KMTR645
03 古墳へGO!
04 KATOKU
05 狩りから稲作へ
06 きらきら武士
■■ スピッツ
http://ro69.jp/quick/japanjam2017/detail/159950
01 春の歌
02 エスカルゴ
03 醒めない
04 三日月ロック その3
05 ヘビーメロウ
06 チェリー
07 8823
08 運命の人
集まる、集まる・・・。いつものことだけれど、スピッツのステージには大勢の人が集まる。大トリのレキシにつながる感じ。スピッツファンはもちろんだけれど、「え、スピッツってはじめて。生で見れるのうれしい~」という若い人たちも多いと思う。「伝説?」とか思っちゃって。伝説じゃないですよ、実際に生々しく、今でも進化中のバンドです!
まだ明るいけれど、少しずつ夕闇がしのびよってくる最高のロケーション。
両サイドの大きな画面に「スピッツ」の文字で会場の歓声。ぞろぞろ現れるメンバー。腰の低い(笑)ボーカル。
「春の歌」のイントロで「おーっ!」の声。一般にも認知された楽曲。今は藤原さくらさんの声で映画「三月のライオン」の主題歌。春の宵の空に、きれいなだけじゃない草野マサムネの太い声が響く。これって、本当に力強くて大きな曲になったな。
「エスカルゴ」でロックなスピッツに誘われるように、周りのみんなも動き出す。楽しそう。会場を見回して、ふっと笑った草野君の表情がすごく満足気。﨑ちゃんの素の笑顔がそのバックに広がる。ライブの間ずっと癒された。
最初のMCでは、「今日はこんなにたくさん・・・お集まりいただいて、ありがとうございます。・・・楽しい時間にするので、任せてください」
で、「醒めない」のイントロ。カッコいいです。「任せてください」には、周囲から「おお」という声と、笑っちゃうね、かわいい人だねという軽い失笑。そのごちゃまぜもスピッツの色だ。「醒めない」は今のファンの気持ちも表してくれる。
「エスカルゴ」~「三日月ロック その3」~「8823」は最近の彼らのライブでは定番に近いけれど、ここらへんは「スピッツ? 爽やかだね~」の人たちに送りたいロックなバンド色。それは彼らも意識してるのか? 上がる手の揺れ具合もなかなかだ。
初めてフルで聴く「ヘビーメロウ」。思ったよりずっと元気でアッパーな感じの曲。言葉の上がり下がりに気持ちよい疾走感がある。
そして、フェスでは欠かせない「THE スピッツ」な楽曲。今回は「チェリー」とアレンジは違うけど「運命の人」。上がる歓声にこちらもうれしくなる。
いたずらっ子のような表情と動きで田村くん、クールだけど満面の笑みも見せてくれたテツヤくん、そして終始、笑顔で会場を見ていた﨑ちゃん。
4人でスピッツ・・・。改めて、こんなところに感動する。
ピックをちょっと投げて、急いで去っていったあとは、もう暗い空とちょっと冷たい空気。
短くても熱いライブを見せてくれたベテランだけど若いバンドに、きっとみんな満足したと思う。まだまだ・・・な4人でした。
「50倍楽しかったー」は、予想よりも50倍ってことかな? 初めて生のスピッツを見たと思われる男の子の会話。
「任せてください」ってのがカッコよかった。背負う感じにしびれた! は女性の声。
ここでちょっとだけMCを。記憶をたどろう。例によって、順不同、正確ではないですけど。
「今日は魅力的なアーティストたくさん出てるけど・・・、土ぼこりがすごくて。大丈夫ですか? 鼻の穴とか」
「じつはスピッツ今日の出演者の中で最年長で。JAPAN JAM全体でも最年長でやんの! ねえ、大丈夫? コンドロイチンとか」(笑)
「それもそのはずでね、スピッツは今年で結成30周年です!」 みなさんの盛大な拍手あり。
「みなさんがこうやっておだててくれるから、続けてこれたわけで。だから今日ここでスピッツを見た人は長生きできます!」とちょっとドヤ顔。
昔使っていたギターを倉庫から引っ張り出してきて使っている、という話。
「結構、音がいい。昔、NHKの『ポップジャム』という番組に出たときに、歌詞が覚えられなくてココに歌詞を書いたんだよね」
とみんなに見せる。
そして「裸のままで」とちょこっと弾き語り(うーん、ラッキーだ!)。ちょっと歌詞が危うい感じも演出しつつ、49歳の「裸のままで」はなかなかステキだ。
「そこに出たとき、楽屋がSMAPと同じで。木村拓哉さんが『ちょっと弾いていい?』って言って、これを弾いたんです」
これもちょっと自慢気に。そこにすかさず脇から、
「だけど、じつはそのギター、オレのなんだよね」
「はい(苦笑)、そんなスピッツです・・・」
メッセージをくださった方からの情報や感想も。
● 生スピッツ初体験のヨーグルさん:「みんな若い! ふつうは一人くらい老けている人がいてもいいのに、全員が50歳には見えないってすごい」
● いつもメッセージをくださるマサルくん:「音が若くて、キラキラしていました」
●「初めまして」のヨコタさん:「草野さんの声も顔も昔と全然変わらない。どうなってるんでしょうか? 後ろを歩いていた若者が『スピッツよかった。大満足!』と言ってました」
● レキシファンのみやびさんから、替え歌の歌詞を教えてもらいました(笑)。
「同じ稲穂がキラリ✩ 俺がレキシだったなら 稲穂持っているふたり せつなさにキャッツなる 稲穂と稲穂をつないでる かすかなレキシ」
ありがとう!! 笑っちゃうなあ。
● 4日、5日と連日訪れたというKさんから、こんな情報をいただきました。
「10-FEETのライブ前にスピッツの『ロビンソン』が流れたんですよ。それをみんなで合唱。いい曲ですよね。みんな普通に歌えちゃう。とてもいい雰囲気でした」
そうそう追加ですけど、 BLUE ENCOUNTの田邊さんが
「スピッツでーす。『空も飛べない』スピッツでーす。『春の歌』歌えないスピッツでーす」
と言っているのが聞こえました。
私たちはそのとき脇のベンチに腰掛けて腹ごしらえしてたんだけど。初めて聴いたブルエンはメロディーが豊かで、それがとても印象的でした。
最後までお付き合い、いつもながら、ありがとうございます。
ひさびさの彼らはとても元気そうで、それが表情にも見て取れました。
30周年はきっと私たちにとっても思い出深い一年になりそうですね。
(ライブ映像、まだ見ていません。音源は最大活用していますけど)
追加(2017.5.9 17:32)
以前にツアーのレポを送ってくださったバイソンさんからもメッセージいただきました。
すごく詳しく教えてくださって、ありがとうございます。
一部ですけど、ご紹介します。
かけらさんはライブ盤派なのですね(?)私もどちらかといえばそうです。
音だけのほうが、より情景が浮かぶというか、息づかいまで聞こえる気がすることがあります。
最も好きなライブ盤のひとつが、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの『4 Way Street』(1971)というアルバムなのですが、この辺りになると、時代の空気までもが伝わってきて、束の間タイムスリップするような感覚を味わえます。
当時、彼らの前座をしていたというのが、草野さんが会報(前の号)で紹介していたジュディ・シルさんという女性シンガー。
私は知らなかったのですが、草野さんお勧めの曲を聴いてみたら、確かになかなかいいんですね。
マサムネ君「そして夜はジュディさんの歌声に抱かれて眠るのでした」ですって。
なんて、かわい・・・くはなかったんでしたよね(笑)。
こちらこそ、いつも丁寧なお返事をいただき、大変恐縮しております。
でも「ビートルの最前列チケットを青山墓地で定価で入手」って、すごく面白いですよね。
いつもコメントありがとう!
CSN&Yの『4 Way Street』、弟の一押しアルバムでした。ニール・ヤングがいた時期は本当に短いけれど、貴重な1枚。
私はもう極め付きのミーハーなので、Wings のWINGS OVER AMERICAはCDもビデオも何回も見ました。ポールが色っぽくて(笑)、最高なんです。リンダが邪魔だとか・・・そんなことも言っていましたが、彼女も今はもう・・・です。
「歌声に抱かれて眠る」・・・いい響きだなあと思っています。
マサムネくんのお勧めはある意味バラエティーに富んでいて、それをきっかけに聴き始めたバンドとかシンガーとかありますね。
そうそう、もちろん曲が大事なんだけれど、「声」に惹かれたり、そういうこともありますね。きっと彼自身が今ではそういう対象になる「声」の持ち主なんだろうけど。
今回の音源を聴いていても納得しました。
スピッツを知り始めたときは曲のおもしろさだけで、「声」はよくわからなかったけれど、事務所の高橋氏は最初に注目したのは「曲と声」って言ってましたね、演奏は全然ダメだったけど(笑)って。
こちらは雨です。しばらく青空は見えないのかな。
いつもありがとうございます!