2018.12.9 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
https://www.tfm.co.jp/manyuki/
12月・・・、暖かいかと思っていたら、少しずつ冬っぽくなってきて、雪の便りが届いたり・・・。
草野マサムネも昨今は寒くて布団から出られずに、スマホを20分、30分見てしまうこともあるとか。
で、朝から上から目線のカキコミや説教じみたカキコミにイラっとする、と。
(匿名でエラソーに、っていうの、多いですよね。あれって、人間の習性? 匿名って無責任だから・・・あ、人のこと言えないか(-_-;))
で、「(こんなの見て)オレも同類じゃん」と、今度は口直しにカワイイ動物動画を見てしまう・・・と。
「結論から言えば、朝からスマホは見るな」
フムフム・・・。
さてさて、今夜は「シン・リジィ(Thin Lizzy)で漫遊記」。
シン・リジィ、「アイルランドの英雄的レジェンドバンド」。
70年代に大人気だったハードロックバンド、シン・リジィを語るときに、「アイリッシュテイスト」「ツインリードギター」などに焦点が当たりがちだが、草野マサムネは「彼らの魅力はファンキーなロックバンドという側面にあるのではないか」と言う。
なので、「え、あの曲かからないの?」という選曲になるかも、だそうだ。
オンエア曲
01 エスカルゴ(スピッツ)
02 Angel From The Coast(Thin Lizzy)
03 Look What the Wind Blew In(Thin Lizzy)
04 The Rocker(Thin Lizzy)
05 King's Vengeance(Thin Lizzy)
06 S & M(Thin Lizzy)
07 カウボーイ・ソング(Thin Lizzy)
08 捨てちまえ(THEATRE BROOK)
漫遊前の一曲はスピッツで「エスカルゴ」。
お、スピッツのツインギター曲! これってシン・リジィを意識してたんだ~! それは知らなかった。
ちなみに「惑星のかけら」もそうだけど、ツインリードギターってだけでライブで盛り上がるワタシです。
最初の曲は、「Angel From The Coast」(1976年、6th『Jailbreak(脱獄)』)。
シン・リジィの楽曲の中で、マサムネくんがいちばん好きだと。
このアルバムの中には、「Jailbreak」「Romeo and the Lonely Girl」などいい曲がたくさん入っているけれど、「この曲(「Angel From The Coast」)のファンキーさこそが、オレの中ではシン・リジィだな」と感じるそうだ。
ライブ映像はないけれど、「Jailbreak」のタイトな感じ、好きだったな。
03 Thin Lizzy - Jailbreak [Concert Live Ltd]
シン・リジィ(Thin Lizzy)について。
1969年、アイルランド ダブリンにて、ベース & ボーカルのフィル・ライノットを中心に地元のパブバンドとして活動開始。
71年、アルバムデビュー。最初はアイリッシュフォークとロックを融合させたサイケ寄りなサウンドを持ち味にしていて、その後ギタリストの脱退・加入をくり返しながら、76年のアルバム『脱獄』で世界的評価を受け、バンドの充実期を迎える。
その後ヘビメタルな感じにもなりつつ、、83年解散。3年後にフィル・ライノットは薬物により他界。
彼は今でもアイルランドではロックのヒーロー。ダブリンには銅像がある(なかなかカッコいい銅像)。
草野「いつか観光で行って自撮りしたい」
ヒューイ・ルイスやU2を発掘したり(知らなかった~)、「なかなか面倒見のいい人」でもあったそうだ。
(この頃は普通に薬物とアーティストのつながりが語られていたし、ちょっと破滅的な人なのかな、くらいの認識だったワタシです)
『Sing Street』(ココでクージーと語り合っている)の監督ジョン・カーニーの作品『ONCE ダブリンの街角で』の中で、ダブリンの街の象徴のようにフィル・ライノットの銅像が登場するそうだ。
2曲目は、初期の曲、「Look What the Wind Blew In(あの娘は北風)」(1971年、1st『Thin Lizzy』)。
(繰り返されるリフがヘンにクセになる楽曲。この人の声、歌い方、昔はちょっと・・・だったけど、なかなかいいじゃないか)
草野少年のシン・リジィとの出会いは、中学の頃。
最初は、アイアン・メイデンやマイケル・シェンカーらと並んで「ハードロック」と言われていたけど、聴いてみたら「全然違うじゃん」。
ちょっと苦手なバンドだったらしい。
アフロヘアの口髭の見た目から、「ライオネル・リッチーのバンド「コモドアーズ(The Commodores)」や、「アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)にいてもおかしくない」(ほんとだ!)
またこの人の名前で検索すると、suggestで「大泉洋」の名前がでてきたりするとか。
草野「ああ、似てるかも。大泉洋さんが髭をはやした感じ」(笑)
サウンドも、ファンクやブラックミュージックのエッセンスが入っていて、だんだんクセになってきて、20歳の頃には「メチャメチャ好きになっていた」。
草野「うちの田村もシン・リジィが好きで、それで話が合ったんですけどね」
次も初期の曲で、「The Rocker」(1973年、3rd『Vagabonds of the Western World(西洋無頼)』)。
イントロのギターの音が素朴で印象的。創設当時からのメンバー、エリック・ベルのギターなんですね。
ギタリストの脱退が続いたあと、74年のメンバーチェンジの際のオーディションで選ばれたのが、ブライアン・ロバートソンとスコット・ゴーハム。ツインリードギター時代に突入。
レスポールを演奏するこの二人のギタリストが「かっこよくて、オレはレスポール好きになりました」。
草野「絵面的には、大泉洋さん似のベース & ボーカルをはさんでロン毛のカッコいいギタリストが両サイドをかためている」(笑)
この説明は、なんだかとってもインパクトあり。
でも以下を見ると、大泉洋さん似かどうかはともかく、両サイドの二人はたしかにかっこいい。
Thin Lizzy - The Boys Are Back In Town -- Best Live Version
次は、「King's Vengeance」(1975年、5th『Fighting』)。
「基本ハードロックだけれど、ギターは16ビートでチャカチャカ鳴ってて」のあとで、ドラムのブライアン・ダウニーは「常に好きなドラマー5人の中に入る」と。
滑らかなハードロックという感じで、ハードロックはちょっとね~という人の耳にもやさしいかも。メロディーもまっすぐに入ってくる。
メッセージコーナー。
クリエイターの方からの問いかけ。
なかなか自分の思いどおりには進まずに、「大人の事情もあるだろうけど、いつもモヤモヤしたものを抱えてしまう」と。
「草野さんは、今ではそんなことはないでしょうけど、以前にダメ出しとかされたことはありますか、それをどうくぐり向けてきましたか」
歌詞でダメ出しをされたことはないけれど、「歌はあまり器用なほうではないので、プロデューサーから言われたことはある」。
そして、新曲のデモテープを聴いてもらう「会議」のときに、「静かなるダメ出し」の経験はあると。言葉には出さないけれど、「みんな、イマイチだなって思っているんじゃないかな」という空気が伝わってくる・・・。ああ、こういうのがいちばんつらいかも?
草野「そういうものでも、めげずに繰り返し提出して音源化されたものもある」
「遥か」もそういう曲だとか。ヘ~。
草野「作品の評価というのは人によってちがうし、的外れなことを言ってるなと思っても、のちのち、ああ、あの人の言っていたことは正しかったなと思うこともあるし。タイミングもあるしね。だから自信をもちつつ、次のステップに進んでいってほしい。がんばってください」
ある意味、同業であるクリエーターとして、真摯な言葉たち。
そして、「S & M」(1979年、9th『Black Rose』)。
シン・リジィの楽曲の中でもとくにファンキーな曲、と。
曲の中に繰り返される「う~ う~」が中学生の頃はキモイと思っていたけれど、今はすごく好きな楽曲、と。
このあと、バンドはメタル色が強まってきて、「それはそれでカッコいいんですけど、でもシン・リジィの良さはやっぱりファンクっぽい曲だな」と今は思っているそうだ。
バックでずっと繰り返されるリフがファンキーな部分を増幅させる。気持ちいい。
最後は、「Cowboy Song」(1978年、ライブアルバム『Live and Dangerous』)。
草野「渋い選曲になったので、最後は代表曲っぽい曲から」
このライブアルバムはとてもいい作品なので、「スピッツがライブ音源を出す際には参考にしている」そうだ。
このときクローバーというバンドに所属していたヒューイ・ルイスが「Baby Drives Me Crazy」という楽曲でハーモニカで参加したり、など、「トピックにも事欠かないアルバム」。
バラードっぽいのやハードな楽曲・・・いろいろ詰まっていて、ショー的にもすごく楽しいアルバム。ライブアルバムって大好きなんだけれど、そのなかでも結構上位に君臨しています(あ、これは私の話です)。
そうそう、これの映像作品ものちにリリーズされています。
最後に、「あんまり語られていないけれど、のちのレニー・クラヴィッツやレッド・ホット・チリ・ペッパーズに影響を与えていたとしてもおかしくはないと思う」と。
好きな曲がたくさんあるので、また特集したい、と。
楽しかったな~。いろいろ思い出して聴きたくなりました。
(今思うと、詩人フィル・ライノットは、私にとってロックの歌詞に最初に興味をもたせてくれたアーティストの一人だったかもしれない)
さてさて、最後の「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーは、THEATRE BROOKの「捨てちまえ」。
草野「シン・リジィのファンキーっぽい流れからも、いいのでは」
THEATRE BROOKは、1986年に佐藤タイジを中心に結成されたバンド。
草野「80年代後半のインディーロックシーンではかなり有名。オレの周りにもファンがいたし、タイジくんはステージでの佇まいが、ロックスター! という感じでカッコいい。声もじんわり体が熱くなってくるような水分多めなので、寒いこの季節にぴったり」
佐藤タイジさん、才能豊かで活動も幅広いですよね。
私に知り合いにも、THEATRE BROOK推しの「かつての若者」、結構います。
そして来週は、「その声に惚れちゃう女性ロックボーカリストで漫遊記」。
草野マサムネが惚れちゃった声特集、とは、これも楽しみだ。
(なんとなく想像できるイメージはあるけど、思いがけない名前も出るかもしれません)
タイムフリーで聴きながら、まさかのシアターブルックで。
鳥肌って本当にたつんだな、と実感している朝です笑
プリンスが逝去した際のタイジさんの「パープルレイン」は涙ものでした。
シアターブルック!!
という知りあいの若者からもメッセージありました。
私自身は年齢的にはドストライクではないのですが、彼の才能とカリスマの要素、目の当たりにしたことは何度も。
プリンスの「パープルレイン」は大事にしていますよね、彼は。
亡くなったときの演奏は残念ながら知らないのですが。