kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ゴースト・イン・ザ・シェル

2017年04月12日 | ★★★☆☆
日時:4月9日
映画館:イオンシネマ広島
パンフレット:A4版720円。急場しのぎ感のある出来のパンフレット。

映画を観終わって、久しぶりに原作を読み返してみた。1992年の第4刷をリアルタイムで購入しているのだから、それなりに年季が入っている。
当時はコミュニストの露助のアカどもがバリバリの現役。ソ連は遠くになりにけりだ。

「攻殻」ファンは原作、押井アニメ、神山アニメなどそれぞれ好みが微妙に違うんじゃないかと思うのだが、ワタシは随所にギャグの盛り込まれた原作が好み。

人それぞれに今回の実写映画にはケチのつけたいところがあるだろう。
部隊の舞台が日本じゃないとか、都市のデザインセンスが映画的に古臭いとか、ビートたけしは荒巻に見えないとか、アクションシーンにキレがないとか、ストーリーラインが受入れられないとか、説明調のセリフが多いとか、トグサがかっこ悪いとか、公安9課の位置づけがよくわからんとか、どうやって一年足らずでクゼがスーパーテロリストになり得たとか、ジュリエット・ビノシュが老すぎとか、イシカワほかの公安9課メンバーが活躍せんとか、なんと言ってもタチコマが出んとか、まあ気になるところは数え切れない。

元々の世界観が細かく広いので、見る人によってこだわりどころの違うのは止む得ないだろうな。

のだが、実写化としては押さえるところは押さえているとも思う。何といってもスカーレット・ヨハンソンの圧倒的な存在感が下支えとなっている。(ちなみに彼女の出ている映画は「ゴーストワールド」以来なんだかんだと観ている。それだけこっち側の人なんだろう。)
バトーの再現性もハンパじゃない。
クゼはアニメ版からの引用だし、攻撃部隊もアニメ版の海坊主を思わせてくれる。クゼの存在がほぼ「人形つかい」に近いとか、それなりに脚本で頑張っているところもあるし、何と言っても多脚戦車(思考戦車=シンク)が大暴れしてくれるのは大興奮。これがリモートコントロールという点もいい。最後の最後でサイトーが登場するのもニヤリ。

バセットハウンドが出てきたり、押井作品のタイトル「イノセンス」とか「アヴァロン」がさりげなく画面に忍び込ませているあたりもセンスがいい。(気づかなかっただけで、「ビューティフル・ドリーマー」とか「パトレイバー」とかも出ていたのかも知れない。)

映画としてのパンチ力に欠けるが、個人的には続編に期待。

ところで、行きつけのバーは「攻殻」のセリフだけで盛り上がれる。ヌードバーではない。






題名:ゴースト・イン・ザ・シェル
原題:Ghost in the Shell
監督:ルパート・サンダース
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビル−・アスベック、ビートたけし

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