日時:1月15日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4変形700円。
昨年夏の公開だったが、11月の広島公開が延期となり、DVD発売と同じタイミングでようやく1週間の上映。まあ、オクラ入りよりずっといい。
ワタシたちの世代の映画ファンで、「遊星からの物体X」といえば、ぐちゃぐちゃのぬめぬめのどばどば。それこそ、「ニューヨーク1997」や「マッドマックス2」同様、この映画にインスパイアされた作品は山のように見てきた。コミックで量産され続けた半分溶けて変形した人体描写なんて全てこの映画が産みの親だろう。
「南極にあるアメリカ基地に物体Xが紛れ込み大惨事となったあの事件の3日前にノルウェー基地で何が起きたのか?」が今回の映画だが、実質リメイク。続編と言いながら、「ニューヨーク1997」の実質リメイクだった「エスケープ・フロム・LA」みたいなものですな。(笑)
オープニングでは80年代のユニバーサル映画のロゴ、ジョン・カーペンター書体「Albertus MT」によるタイトルロール、そしてジョン・カーペンター・・・じゃなかったエンニオ・モリコーネの印象的な音楽。変に手を加えず、前作の路線を踏襲しようという強い意思(?)が感じられる。
ストーリーも基本的に一緒で、細胞が生物と同化し、突如として人体を異形化させる物体Xと人間の戦いを描くわけだが、前作においてノルウェー基地の惨劇が断片的に語られているため、その辺の新旧作のつながりも見所の1つ。雪原に墜落した円盤は?異形の焼死体は?リストカットした死体は?そして雪原を逃げる犬は?これらが話がつながるのか、クライマックスで物体Xがいきなり神がかり的なことを言い出したりしないかと、最後の最後までやきもきさせられるが、最後、ちゃーんと収束するから、一安心。(英語が出来ないノルウェー人という設定も伏線として活かされている。)
逆に言えば、前作を踏襲しすぎて、目新しいところが無いのも確か。南極基地に火炎放射器が常備されているナゾも同じ。それともリアルに世界各国の標準装備なのか?(笑)無機物は同化できないという新アイディアがあるものの、科学者がバカすぎて自分たちで事態を悪化させている展開が気になるし、変形後の人体、クリーチャーにも斬新さが無い。観客は前作を知っているのだから、人間側の防衛策より物体Xの方がさらに狡猾だったというストーリーの方が映画として盛り上がるし、一番の見所である変形とクリーチャーももっとバリエーションを出して欲しい。何でもかんでもイソギンチャク状の牙をつけたら、そりゃ「バイオハザード」だよ。(笑)
さらに演出そのものも、前作の不安と絶望感を煽り、絶妙のタイミングで度肝を抜くカーペンターの描写に比べると、やはりパワー不足の感はぬぐえない。
さて、実は物体Xはその意図がよく分からない。本当に地球侵略するつもりなのか?人間がお互いで首を絞めあっているのは物体Xのせいなのか、それとも生前の人間の自発的な意志なのか?単に生命活動として生き残るために人間と同化しているだけかも知れず、もっと言うなら実は非常に高度な知性の生命体であり、コミュニケーション手段として他の生命体と同化するのかも知れない。宇宙の遭難者に対して、見た目が醜く、コミュニケーションが取れないと言うだけで、火炎放射器を放つわ、ダイナマイトを投げつけるわで残虐の限りを尽くすのは、蒙昧無知な地球人どもなのかも。
ところで、新聞の劇場案内欄ではこの映画「遊星からの物体X FC」と記載されていた。「遊星からの物体X フランチャイズ・チェーン」・・・妙に外れていないだけに・・・
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4変形700円。
昨年夏の公開だったが、11月の広島公開が延期となり、DVD発売と同じタイミングでようやく1週間の上映。まあ、オクラ入りよりずっといい。
ワタシたちの世代の映画ファンで、「遊星からの物体X」といえば、ぐちゃぐちゃのぬめぬめのどばどば。それこそ、「ニューヨーク1997」や「マッドマックス2」同様、この映画にインスパイアされた作品は山のように見てきた。コミックで量産され続けた半分溶けて変形した人体描写なんて全てこの映画が産みの親だろう。
「南極にあるアメリカ基地に物体Xが紛れ込み大惨事となったあの事件の3日前にノルウェー基地で何が起きたのか?」が今回の映画だが、実質リメイク。続編と言いながら、「ニューヨーク1997」の実質リメイクだった「エスケープ・フロム・LA」みたいなものですな。(笑)
オープニングでは80年代のユニバーサル映画のロゴ、ジョン・カーペンター書体「Albertus MT」によるタイトルロール、そしてジョン・カーペンター・・・じゃなかったエンニオ・モリコーネの印象的な音楽。変に手を加えず、前作の路線を踏襲しようという強い意思(?)が感じられる。
ストーリーも基本的に一緒で、細胞が生物と同化し、突如として人体を異形化させる物体Xと人間の戦いを描くわけだが、前作においてノルウェー基地の惨劇が断片的に語られているため、その辺の新旧作のつながりも見所の1つ。雪原に墜落した円盤は?異形の焼死体は?リストカットした死体は?そして雪原を逃げる犬は?これらが話がつながるのか、クライマックスで物体Xがいきなり神がかり的なことを言い出したりしないかと、最後の最後までやきもきさせられるが、最後、ちゃーんと収束するから、一安心。(英語が出来ないノルウェー人という設定も伏線として活かされている。)
逆に言えば、前作を踏襲しすぎて、目新しいところが無いのも確か。南極基地に火炎放射器が常備されているナゾも同じ。それともリアルに世界各国の標準装備なのか?(笑)無機物は同化できないという新アイディアがあるものの、科学者がバカすぎて自分たちで事態を悪化させている展開が気になるし、変形後の人体、クリーチャーにも斬新さが無い。観客は前作を知っているのだから、人間側の防衛策より物体Xの方がさらに狡猾だったというストーリーの方が映画として盛り上がるし、一番の見所である変形とクリーチャーももっとバリエーションを出して欲しい。何でもかんでもイソギンチャク状の牙をつけたら、そりゃ「バイオハザード」だよ。(笑)
さらに演出そのものも、前作の不安と絶望感を煽り、絶妙のタイミングで度肝を抜くカーペンターの描写に比べると、やはりパワー不足の感はぬぐえない。
さて、実は物体Xはその意図がよく分からない。本当に地球侵略するつもりなのか?人間がお互いで首を絞めあっているのは物体Xのせいなのか、それとも生前の人間の自発的な意志なのか?単に生命活動として生き残るために人間と同化しているだけかも知れず、もっと言うなら実は非常に高度な知性の生命体であり、コミュニケーション手段として他の生命体と同化するのかも知れない。宇宙の遭難者に対して、見た目が醜く、コミュニケーションが取れないと言うだけで、火炎放射器を放つわ、ダイナマイトを投げつけるわで残虐の限りを尽くすのは、蒙昧無知な地球人どもなのかも。
ところで、新聞の劇場案内欄ではこの映画「遊星からの物体X FC」と記載されていた。「遊星からの物体X フランチャイズ・チェーン」・・・妙に外れていないだけに・・・
題名:遊星からの物体X ファーストコンタクト 原題:THE THING 監督:マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr. 出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド |
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