kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

泣く男

2014年11月02日 | ★★★☆☆
日時:11月1日
映画館:バルト11

アジョシ」のイ・ジョンボム監督による殺し屋アクション。(「アジョシ」を観たのはついこないだだと思っていたが、すでに3年前。)この手の韓国映画はサロンシネマが主要劇場だったので、バルト11で観るとハリウッド映画を見ているような錯覚を受けてしまう。

チャン・ドンゴンは中国人マフィアのお抱え殺し屋ゴン。開幕早々、アメリカでロシア人マフィア一味を皆殺しにしてしまうが、現場に居合わせた少女も射殺してしまう。
色々な事情があって、その少女の母親殺害も指示され、韓国に向かうが、その母親と自分を捨てた母親をダブらせるうちに情が移ってしまい、逆に彼女を守る側に立つ。

【以下ネタバレあり】

その色々な事情というのがクセもので、元々、ロシア人マフィアと一緒に始末された韓国人会社員がいるのだが、彼は中国人マフィアがマネーロンダリングを依頼していた韓国企業の社員で、さらに誤殺された少女の父親。
この会社員が直前に会社の同僚である妻(=誤殺された少女の母親)にメールをしていたため、殺害リストに上がってしまう。(なんと盛りだくさんな人間関係。)

この韓国企業は表向きはM&Aを行うまっとうな会社に見せているが、裏は真っ黒。一連の殺人事件から警察の特捜部も介入し、さらに企業内でも殺人の実行と秘密口座のデータを巡って暗闘が繰り広げられる。

と、書いている方でさえ面倒くさいサイドストーリーが複雑すぎて、背景描写に時間が取られてしまっている。殺し屋と母親の不幸な物語というシンプルな話に、なぜ力点を置かない?

ところが、「アジョシ」の時に書いたブログを読み返したら、全く同じことを書いていたよ。そういう作風なんだね。

中盤以降も同じで、チャン・ドンゴンの行く先々は血を血で洗う死体の山。(本当)銃声が重々しく派手な銃撃戦に加え、刃物での殺害シーンも多い。まだ生温かい血の海を裸足で歩く描写なんて、なかなか嫌だなあ。

さらに韓国の狭い建物を生かした肉弾戦は見もので、ハリウッド映画では見られないシチュエーションなだけに新鮮。

クライマックスは韓国企業のビルで「ダイ・ハード」化。「ダイ・ハード」に限らず「フェアゲーム」とか「沈黙の戦艦」「ハードボイルド」など全般にどこかで見たような場面が多いのはちょと難。

ストーリーの複雑さとその行き当たりばったり感、チャン・ドンゴンのもったいぶった演技が無ければもっと良かったのですが、後者はこの映画のキモですからねえ・・・。






題名:泣く男
原題:No Tears for Dead
監督:イ・ジョンボム
出演:チャン・ドンゴン、キム・ミニ、ブライアン・ティー、カン・ジウ
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