平木コレクション特別公開!浮世絵の美
会場:広島県立美術館
会期:12月4日(火)~1月14日(月・祝)
以前、ひろしま美術館で開催された「幕末浮世絵アラカルト」が面白かったこともあって、今回の展覧会も楽しみにしていた。
元々、美術品としての浮世絵には興味がなく、全然勉強もしていないのだが、当時のマスメディアという点で職業的好奇心がおおいにくすぐられる。今回の展覧会は浮世絵の歴史を追って構成されており、とても分かりやすい。
なるほど、「浮世絵の誕生」の頃は、これといって際立ったものが感じられない中で、着物の柄だけはとても細かく再現されている。布地の動きから、絶対そんな紋様が見えないはずなのに、ちゃんと描き込まれている。ああ、当時、人々の興味関心がどこにあったかが良く分かる。
「浮絵劇場図」なんてまさに図解やグラビア感覚で、1つの絵の中に色々盛り込みすぎ。完全に庶民の読み物として存在していたことが見とれて、面白い。
ちなみに今、ワタシが扱う画像などはA版やB版など黄金比で成立していることがほとんど。だから、縦長の構図になると手を焼いてしまう。浮世絵 は柱絵判など縦長の構図のものも多く、どのように画面構成をしているのか、それを見るのもまた参考になる。
続く「錦絵の誕生」になると技術的な進歩が手に取るようで、「名鳥座舗八景」シリーズの人間の動きは見ていて面白いし、「鷺娘」などは反則技と言いたくなるくらい、作りが凝っている。
時系列に順繰りに作品を見ていくと、質の向上にあわせて、良く言えば「先人に負けないものを!」、俗っぽく言えば「もっと受けるものを!」という作家の執念が垣間見えるようだ。
「浮世絵の黄金期」になるとさらに技術が向上し、またより一層、読者のニーズに応えようとしているようだ。美人画なんかもどんどん、色っぽくなっている。着物の裾から見えるふくらはぎのエロいこと。(笑)確かに歌麿はすごいと思う。
「幕末の爛熟期」になり、北斎の浮世絵をみるともうびっくり。VHSからブルーレイに一気に飛んだくらいの衝撃がある。それぐらい、色が鮮やか。描かれるテーマも時代の変遷とともに変わってきている。
最後の「江戸の華」や「特別出品」にある「江戸近郊八景之内」や「六十余州名所図会」になると、日本で最初の観光パンフレットの登場となる。これらの作品に観光パンフレットを見出すのは、絵の中に必ず人が存在しているということ。比較対象として、疑似体験として、人物が描かれ、そうすることで絵にリアリティが増している。また、絵そのものもかなり想像に依った、現実には見ることができないダイナミックな構図となっているのだが、それでいてリアリティがあって、当時の読者の好奇心や想像力をかきたてたことだろう。
思うにやっぱりワタシは美術品より、作品から見て感じることができる人間の生きざまみたいなものが好きなのだと思う。(美術館の鑑賞としてどうなのかと思うが。)
ところで、面白かった展覧会の後には、入門書でもちょっと読んで少し知識を深めようと思うのだが、実践できた試しがない・・・。
広島県立美術館公式ホームページ
会場:広島県立美術館
会期:12月4日(火)~1月14日(月・祝)
以前、ひろしま美術館で開催された「幕末浮世絵アラカルト」が面白かったこともあって、今回の展覧会も楽しみにしていた。
元々、美術品としての浮世絵には興味がなく、全然勉強もしていないのだが、当時のマスメディアという点で職業的好奇心がおおいにくすぐられる。今回の展覧会は浮世絵の歴史を追って構成されており、とても分かりやすい。
なるほど、「浮世絵の誕生」の頃は、これといって際立ったものが感じられない中で、着物の柄だけはとても細かく再現されている。布地の動きから、絶対そんな紋様が見えないはずなのに、ちゃんと描き込まれている。ああ、当時、人々の興味関心がどこにあったかが良く分かる。
「浮絵劇場図」なんてまさに図解やグラビア感覚で、1つの絵の中に色々盛り込みすぎ。完全に庶民の読み物として存在していたことが見とれて、面白い。
ちなみに今、ワタシが扱う画像などはA版やB版など黄金比で成立していることがほとんど。だから、縦長の構図になると手を焼いてしまう。浮世絵 は柱絵判など縦長の構図のものも多く、どのように画面構成をしているのか、それを見るのもまた参考になる。
続く「錦絵の誕生」になると技術的な進歩が手に取るようで、「名鳥座舗八景」シリーズの人間の動きは見ていて面白いし、「鷺娘」などは反則技と言いたくなるくらい、作りが凝っている。
時系列に順繰りに作品を見ていくと、質の向上にあわせて、良く言えば「先人に負けないものを!」、俗っぽく言えば「もっと受けるものを!」という作家の執念が垣間見えるようだ。
「浮世絵の黄金期」になるとさらに技術が向上し、またより一層、読者のニーズに応えようとしているようだ。美人画なんかもどんどん、色っぽくなっている。着物の裾から見えるふくらはぎのエロいこと。(笑)確かに歌麿はすごいと思う。
「幕末の爛熟期」になり、北斎の浮世絵をみるともうびっくり。VHSからブルーレイに一気に飛んだくらいの衝撃がある。それぐらい、色が鮮やか。描かれるテーマも時代の変遷とともに変わってきている。
最後の「江戸の華」や「特別出品」にある「江戸近郊八景之内」や「六十余州名所図会」になると、日本で最初の観光パンフレットの登場となる。これらの作品に観光パンフレットを見出すのは、絵の中に必ず人が存在しているということ。比較対象として、疑似体験として、人物が描かれ、そうすることで絵にリアリティが増している。また、絵そのものもかなり想像に依った、現実には見ることができないダイナミックな構図となっているのだが、それでいてリアリティがあって、当時の読者の好奇心や想像力をかきたてたことだろう。
思うにやっぱりワタシは美術品より、作品から見て感じることができる人間の生きざまみたいなものが好きなのだと思う。(美術館の鑑賞としてどうなのかと思うが。)
ところで、面白かった展覧会の後には、入門書でもちょっと読んで少し知識を深めようと思うのだが、実践できた試しがない・・・。
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