kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー

2019年11月05日 | ★★★★☆
アカの露助のコミュニストどもが誇る、史上に燦然と輝く名戦車T-34。これを主人公&タイトルにした映画を大スクリーンで見られるなんて、40年前のワタシに教えてやりたい。

本作、共産主義者のモノクロ戦争映画「鬼戦車T-34」(未見)のリブート的作品で、ナチに捕獲されたT-34とその乗組員が演習標的にされるさなか、戦場突破を図るもの。

露助の戦争映画と言えば「ヨーロッパの解放」シリーズみたいに大味すぎるか、近年の「遙かなる勝利へ」「ホワイトタイガー」「タンクソルジャーズ」みたいに見栄えはいいのになんか釈然としない印象なのだが、本作は違う!

母なるロシアの大地が産んだT-34は、76と85がちゃんと時系列で登場。泥をはね上げる軽快な走りっぷりとエンジン音!戦車兵は油まみれで汚らしく、固い固い固いシフトギアは二人がかりでチェンジ、戦車長はでっかいスパナで車体を叩いて命令をくだし、敵弾命中の衝撃は車内に大反響!
鋼鉄の塊に頭ぶつけてケガしたくなかったら、防護付きヘルメットは必需品だ。

憎たらしい敵のドイツ戦車もレプリカとは言え、良くできた2号・3号・パンター!さらにCGだがシュトルヒ偵察機やパンターの暗視システムまで登場。ツボを押さえているなあ。

ロシアの寒村でもガンマン同士の対決みたいな戦車戦に「戦略大作戦」を彷彿とさせる市街戦もゾクゾクさせられる。戦車戦の見せ方としては「フューリー」より面白い。

ストーリーは面白いが、描写はゲーム感覚。真上からの鳥瞰図で戦況を詳しく見せたり、弾着をCG・スローモーションで見せたり、映像的に分かりやすいが、ちょっと多用しすぎでクドさも。

ご都合主義な部分も散見され、ドイツ軍の戦い方は明らかに間違っている。大木毅の「独ソ戦」を読んだ直後だと、「こんなヌルい話あるかい」と思わなくもない。

よって、榴弾で木っ端微塵の肉片になる独戦車兵も、燃える戦車から火だるまで炙りだされる独戦車兵も、徹甲弾の跳弾でざっくり殺られる独戦車兵も(残念ながら)登場しない。

とは言え、生涯歩兵には大興奮・大満足の映画であることには変わりなく、ウラー!ウラー!ウラー!な今年の大収穫の1本。

ところで、IMDBによると本作の上映時間は2時間20分くらいあるらしい。日本未公開の20分はきっとドイツ兵が痛い目にあうシーンに違いにないと思うとワクワクするなあ。





題名:T-34/レジェンド・オブ・ウォー
原題:T−34
監督:アレクセイ・シドロフ
出演:アレクサンダー・ペトロフ、ヴィツェンツ・キーファー、イリーナ・スターゼンバウム


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