kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

エイリアン:ロムルス

2024年09月23日 | ★★★★☆
日時:9月6日
映画館:イオンシネマ広島

エイリアンシリーズの中では、実はマカロニウエスタン・テイストにあふれ、悪そうな面構えが満載だった「エイリアン4」がお気に入り。もちろん「1」は古典として好きで、逆にエイリアンクィーンという邪道なコンセプトを持ち込んだ「2」などは全然評価していない。

さて、本作は「1」の正統派な続編。
「1」の事件から十数年、ウェイランド・ユタニ社はノストロモ号の残骸からゼモノーフを回収する。
さて、舞台は変わってジャクソン鉱山惑星で過酷な労働を強いられるレインは、新天地の惑星への移住を夢見ていた。そんな時、友人から惑星軌道上に漂流する宇宙ステーションの存在を知らされ、宇宙ステーションから移住に使えそうな人工冬眠ポッドのサルベージを持ちかけられる。
この宇宙ステーションこそ、先に回収されたゼモノーフを持ち込んで実験していた「ロムルス」「ロムス」だった。
当然、そんなことを知らない一行に恐怖が襲い掛かる。

本作、上手だなと思うのが脚本の組み立て方。キャラクターの設定や動機付けだけでなく、「1」や「2」のエッセンスを巧みに盛り込み、時として「ブレードランナー」との連関性も感じさせつつ、ストーリーに厚みを与えている。ウェイランド・ユタニ社の真の思惑も描かれるし、何と言っても驚くべきはあのキャラクターの再登場。
普通ならこじつけともとられかねないのだが、劇中のキャラクター設定と齟齬なく、ビジュアル的にもなじんでいるところが素晴らしいの一言。

観客としてはエイリアンの生態が既知の情報なので、そこで盛り上がらないのはちょっと残念なところで、できれば「1」のノベライゼーションで語られた生きた人間をエイリアンの卵に変質させてしまうという設定は復活させてほしかった。映画的に分かりにくいんだと思うんだけどね。
エンディングがいつもの展開になってしまっているが、そこは映画だから仕方ないところか。そろそろ公開されそうな配信動画シリーズの内容が気になるところ。

ストーリーの面白さを評価して、
★★★★☆

ところで(以下ネタばれアリ)
再登場するキャラクターはイアン・ホルムのアッシュ(型人造人間)なのだが、最初、デジタルでの再現かと思っていたら、「ロード・オブ・ザ・リング」でのダミーヘッドデータを使った、アニマトロニクスによるリアルな造形だったという。妙に生々しく、デジタル技術もここまで進化したのかと思ってたが、実演と知ってなんだか嬉しくなった。
遺族も再登場に喜んでいたというエピソードがさらに嬉しくなる。






題名:エイリアン/ロムルス
原題:Alien:Romulus
監督:フェデ・アルバレス
出演:ケイリー・スピーニー、デイビッド・ヨンソン
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