kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ボーダーライン/ソルジャーズデイ

2018年12月01日 | ★★★★☆
◎派手さは薄めだが、緊迫感あふれるストーリー
◎各登場人物の立ち位置の変化が見どころ
◎第3作目にも期待

前作「ボーダーライン」はバイオレントなビジュアルの割に派手な銃撃戦もなく、何となく肩透かしを食らった印象があったが、その続編。

今回も主演は野獣のようなジョシュ・ブローリンとベニチオ・デルトロの二人組。メキシコ国境沿いの展開する犯罪組織に打撃を与えるため再び手を組み、国境地帯を舞台に法を無視した活動を行う。

前作の違法スレスレではなく、今回は犯罪組織トップの娘の武装誘拐をでっち上げ、犯罪組織間の対立を煽るという完全な違法行為。よって前作で狂言回しに使われたエイミー・ブラントはお役御免で、代わりに誘拐された少女が2人に絡むことになる。

対立を煽り、共倒れを高みの見物・・・という「用心棒」スタイルは早々に崩れ去り、主役2人も立ち位置が微妙に変化して共闘できなくなり、この辺から今回の主役が完全にデルトロになる。しかしあくまで雰囲気だけなので、彼がいつ殺されても不思議ではない緊迫感が漂う。

誘拐される少女は典型的にラテンな喧嘩っ早い性格で、最初は好きになれないのだが、途中からショートカットになった途端、ものすごく可愛くなる。好みだなあ。

改めて前作を見直すと、出来の良さに認識を改めた。
今回、メキシコ人の少年が徐々に犯罪組織の一員になっていく様が本編と平行して描かれるが、前作では悪事に手を貸す警官とその息子が対比になっていたと再認識。ジェフリー・ドノヴァンの黒縁メガネのCIA職員が前作にも出ていたとは気づいていなかった。
両作ともテイラー・シェリダンの脚本が素晴らしいのだが、メキシコ国境沿いの街には住みたくないなあ。(アメリカ旅行のついでにシウダー・ファレスに立ち寄ったのも30年も前の話。)

デルトロ目線で見ると作品の面白さが違って見えるのだが、シカリオ(暗殺者)の半生を描く第三作目は旧友の対決になるのか、師弟決闘になるのか、楽しみだ。

ところで本作の監督はステファノ・ソリッマ。マカロニ監督セルジオ・ソリーマの息子なのだ。だから「全編にマカロニテイスト溢れる映画に!」とは言わない(珍しく)けど、次の世代が活躍して、高く評価されているのを見るのは嬉しいね。






題名:ボーダーライン/ソルジャーズ・デイ
原題:Sicario The Day of Solidate
監督:ステファノ・ソリッマ
出演:ベニチオ・デルトロ、ジョシュ・ブローリン、イザベラ・モナー


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