kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

かいじゅうたちのいるところ(吹替版)

2010年01月18日 | 洋画(普通、まあまあ、及第点)
日時:1月17日
映画館:ワーナーマイカルシネマ
パンフレット:A4横版800円。
その他:10歳のボクちんと一緒。

世界的に有名な絵本が原作で、そのまま、映画にすれば、5分で済んでしまう内容なのだが・・・。

原作は、母親に怒られたいたずらっ子マックスが部屋にやって来た船でかいじゅうの国へ行き、そこの王様となる。かいじゅうたちと楽しく遊ぶが、やがて家が恋しくなり、かいじゅうたちを別れて家に帰るというお話。

この映画化なので、「しとしとほのぼの」な作品かと思ったら、「しんみりさめざめ」な内容。

絵本はマックスの視点で語られるのだが、映画ではかいじゅうたちの視点も入り、物語に厚みを持たせている。(2時間の映画だからね。)

絵本からそのまま立体化したようなかいじゅうたちは、精神的におとなこどもなのだが、彼らは大人の世界の縮図であり、嫉妬や愛憎、虚無感といったネガティブな空気に満ちている。(かいじゅうたちはたぶん、不老不死なので、「未来惑星ザルドス」みたいに苦しみがいつまでも続く。)

王さまマックスの登場で一時的には活気づくが、こどもの思いつきで大人のドロドロとした世界が良くならないように、最後には何も解決しないまま、原作どおりのエンディングを迎える。

正直なところ、こどもには面白くないだろう。(楽しいところが何もないのだから。)

原作とかけ離れているかというと、そういう訳でもなく、絵本の持つ香りみたいなものはちゃんと残っている。場面々々で、何かしら切なくて涙があふれてしまった。(手持ちカメラの映像は激しすぎて、疲れたけど。)

主演のマックス・レコーズの顔と合致しない加藤清史郎の吹き替えも、思ったほど気にならない。セリフの節回しがうまいねえ。

ところで、ワタシは幼稚園の頃だったか、よく建設現場のがれきや資材を積み上げては眺めて、こびととなって、その隙間に入って探検しているさまを夢想していた。キャロルの作り上げたあこがれの地は、そんなことを何年ぶりかに思い出させたよ。
題名:かいじゅうたちのいるところ
原題:WHERE THE WILD THINGS ARE
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:マックス・レコーズ、キャサリン・キーナー
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