kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

モリーズ・ゲーム

2018年05月23日 | ★★★☆☆
スキーのモーグル種目でオリンピック出場目前の主人公モリーは、予選会で大事故に会い、アスリートの道を断念する。ロースクールへの進学を控えながら、バーのウエイトレスで糊口をしのぐ中で、高額を賭けてのポーカーゲームに関わるようになる。

パブのビジュアルだけだと、彼女がポーカープレイヤーかディーラーをやるかのようだが、カードを繰らなければ、ツボも振らない。彼女がやるのは高額のかかったポーカーゲームの運営。

何万ドルもが目の前で動くが、チップだけで運営し、しかも、テラ銭を取らないを取らないので、違法行為にはならない。日本で言えば、雀荘みたいな経営方針。

元々、頭がよく、接客にも長けた彼女は、プロフェッショナルなディーラーと美人の接待係、気前がよく本格的なプレイヤー、ゴージャスな会場を用意し、どんどんグレードアップしていく。合法性にこだわる彼女は当然、性的な接待も無ければ、バカな顧客には親身になって対応する。売れっ子銀座ママが高級雀荘を運営しているようなイメージを想像してもらえるとよろしい。日本版なら「森井ズ・ゲーム」。

が、参加者のグレードアップとともに1ゲームに十万ドル単位の金が動き、そのうち彼女もヤバイ橋を渡らざるを得なくなる・・・

ストーリーではオープニングでいきなり彼女が逮捕され、その後、イドリス・エルバ扮する弁護士との法廷闘争と前述の彼女の成功談が同時進行する。

成功談はテンションの高いモリーのモノローグと切り替えの早い編集で展開し、ちょうど「グッドフェローズ」の雰囲気に近い。一方、法廷闘争はカメラも動かず、淡々と理知的な会話で進行する。

主人公モリーを演じるジェシカ・チャステイン、やはり上手。
これまで沈思黙考で必要なことしか話さないキャラは一緒なのだが、とにかく喋りが早い。頭は良いが、行動原理が読めない役を自然に演じている。大きく開いた胸元で見たくもない胸の谷間も強調。

ただ、監督が生真面目なのか、ポーカーシーンも法廷シーンもきちんと描こうとするあまり描写が細かすぎて、基礎知識がない観客は置いてけぼりをくらう。ポーカーも法廷もいかにもアメリカ的な舞台なのだが、もうちょっと配慮があっても良かったのではないかと思う。

ところで、アスリートで頭がよく、度胸も据わっている女性なので、よく考えたら草薙少佐とカブるキャラ。「ゴースト・イン・ザ・シェル」の第二弾があったら、主演はジェシカ・チャステインだな。それはないか。






題名:モリーズ・ゲーム
原題:Molly's Game
監督:アーロン・ソーキン
出演:ジェシカ・チャステイン、イドリス・エルバ、ケビン・コスナー
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