日時:1月10日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:動物三部作のスペシャルパンフレット。ジャロ(黄色)を基調にしたデザインが秀逸。
<パンフレット。アルジェント研究会矢澤代表のサイン入り。>
<上映後のトークショー。左から司会進行のサロンシネマの戸川部長、アルジェント研究会の矢澤代表、今回の仕掛人キングレコードの山内氏>
イタリアホラーの重鎮ダリオ・アルジェントの初期の3作、通称「動物三部作」。
このリバイバル上映が広島でも上映。ということでデビュー作の本作に足を運んだ。
一連の連続殺人事件が報じられるローマ。この都市に来ていたアメリカ人作家のサムは数日後の帰国を前に、あるギャラリーで女性が刺される現場に出くわす。女性は一命をとりとめたものの、連続殺人事件との関連を捜査する警察にサムは帰国を足止めされる。
やむなくサムは素人探偵として彼女と一緒に殺人事件の調査に乗り出す・・・
作品はイタリア製猟奇サスペンス映画ジャンル「ジャロ」の1本なので、主題として描かれるのは調査云々ではなく、女性を狙ったエロティックで猟奇的な殺人。警察も捜査するが、ユーロクライムものとは正反対に全く役に立たない(笑)
ワタシの世代で言えば、アルジェントといえば「決してひとりでは見ないでください」の「サスペリア」に始まり、リアルに劇場で観たのはバブル経済華やかし80年代のホラー映画ブームの「フェノミナ」「デモンズ」あたりから。
なので「サスペリアpart2」から「シャドー」辺りまでのジャロあたりは押さえているが、改めて68年の本作を観るとアルジェント要素のほぼすべてが詰まっていて、後の作品はすべてこの焼き直しではないかと思わせるほど。
異国の地で犯罪に巻き込まれる外国人の主人公、黒手袋の殺人鬼とゾッとする殺人テクニック、予想外の犯人、見えたものの裏にある真実、オシャレだが不安感をあおる建築物、流麗な映像テクニック&トリック、文字通り尖った現代アート、そして突如登場する破綻したキャラクターと、後で思い返すと謎と不合理な展開(笑)
主人公サムを演じるのはトニー・ムサンテ。我々的には「豹/ジャガー」、世代的には「スキャンダル/愛の罠」だが、撮影時にはアルジェント監督と衝突して相当使いにくかったらしい。
役に立たない警察はエンリコ・マリア・サレルノ、キーパーソンとして登場するエキセントリックな画家はマリオ・アドルフとマカロニ系役者の登場は嬉しい。
音楽はモリコーネ。こちらも素晴らしい楽曲で不安をあおってくれる。
ローマの映像が素晴らしいのだが、特筆は最初の事件の舞台となるギャラリー。実物ではなくセットというが、映画的な仕掛けと現実味の微妙なブレンド具合が絶妙。
個人的にツボだったのは「ユーロクライム」でも語られていたJ&Bウイスキーの不必要なまでの登場。当時、広告費をもらっていたらしいが、時代的は先駆け(笑)
アルジェント映画は本作の数年後、全身に鳥肌が立つようなアイディアと映像トリックを見せてくれた「サスペリアpart2」である種の頂点に到達するので、そこと比べるといささか薄味に見えてしまうのはちょっと申し訳ないところだが、それでも充分面白い。
評価は
★★★☆☆
ところで、本作、初見だと思っていたが、IMDBのマイウォッチリストにはチェック済ということは以前観ていたのだ。
「見てないと思っていたものが実は見えていた」というのはアルジェント映画の基本です。
映画館:サロンシネマ
パンフレット:動物三部作のスペシャルパンフレット。ジャロ(黄色)を基調にしたデザインが秀逸。
<パンフレット。アルジェント研究会矢澤代表のサイン入り。>
<上映後のトークショー。左から司会進行のサロンシネマの戸川部長、アルジェント研究会の矢澤代表、今回の仕掛人キングレコードの山内氏>
イタリアホラーの重鎮ダリオ・アルジェントの初期の3作、通称「動物三部作」。
このリバイバル上映が広島でも上映。ということでデビュー作の本作に足を運んだ。
一連の連続殺人事件が報じられるローマ。この都市に来ていたアメリカ人作家のサムは数日後の帰国を前に、あるギャラリーで女性が刺される現場に出くわす。女性は一命をとりとめたものの、連続殺人事件との関連を捜査する警察にサムは帰国を足止めされる。
やむなくサムは素人探偵として彼女と一緒に殺人事件の調査に乗り出す・・・
作品はイタリア製猟奇サスペンス映画ジャンル「ジャロ」の1本なので、主題として描かれるのは調査云々ではなく、女性を狙ったエロティックで猟奇的な殺人。警察も捜査するが、ユーロクライムものとは正反対に全く役に立たない(笑)
ワタシの世代で言えば、アルジェントといえば「決してひとりでは見ないでください」の「サスペリア」に始まり、リアルに劇場で観たのはバブル経済華やかし80年代のホラー映画ブームの「フェノミナ」「デモンズ」あたりから。
なので「サスペリアpart2」から「シャドー」辺りまでのジャロあたりは押さえているが、改めて68年の本作を観るとアルジェント要素のほぼすべてが詰まっていて、後の作品はすべてこの焼き直しではないかと思わせるほど。
異国の地で犯罪に巻き込まれる外国人の主人公、黒手袋の殺人鬼とゾッとする殺人テクニック、予想外の犯人、見えたものの裏にある真実、オシャレだが不安感をあおる建築物、流麗な映像テクニック&トリック、文字通り尖った現代アート、そして突如登場する破綻したキャラクターと、後で思い返すと謎と不合理な展開(笑)
主人公サムを演じるのはトニー・ムサンテ。我々的には「豹/ジャガー」、世代的には「スキャンダル/愛の罠」だが、撮影時にはアルジェント監督と衝突して相当使いにくかったらしい。
役に立たない警察はエンリコ・マリア・サレルノ、キーパーソンとして登場するエキセントリックな画家はマリオ・アドルフとマカロニ系役者の登場は嬉しい。
音楽はモリコーネ。こちらも素晴らしい楽曲で不安をあおってくれる。
ローマの映像が素晴らしいのだが、特筆は最初の事件の舞台となるギャラリー。実物ではなくセットというが、映画的な仕掛けと現実味の微妙なブレンド具合が絶妙。
個人的にツボだったのは「ユーロクライム」でも語られていたJ&Bウイスキーの不必要なまでの登場。当時、広告費をもらっていたらしいが、時代的は先駆け(笑)
アルジェント映画は本作の数年後、全身に鳥肌が立つようなアイディアと映像トリックを見せてくれた「サスペリアpart2」である種の頂点に到達するので、そこと比べるといささか薄味に見えてしまうのはちょっと申し訳ないところだが、それでも充分面白い。
評価は
★★★☆☆
ところで、本作、初見だと思っていたが、IMDBのマイウォッチリストにはチェック済ということは以前観ていたのだ。
「見てないと思っていたものが実は見えていた」というのはアルジェント映画の基本です。
題名:歓びの毒牙 原題:L’Uccello dalle Piume di Cristallo 監督:ダリオ・アルジェント 出演:トニー・ムサンテ、スージー・ケンドール、エンリコ・マリア・サレルノ |
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