神奈川絵美の「えみごのみ」

「おはん」の舞台へ


「おはん」と言えば…




宇野千代さん。  この着物、可愛い


宇野千代さんと言えば…




岩国。



というワケで

仕事のついでに行ってきました、山口県岩国市へ!



広島から「こだま」で10数分。
新岩国駅に着いたら、早速、宇野さんがお出迎え。

1時間に2~3本しかないバスに乗ってごとごとと、さらに10数分。



宇野さんがこよなく愛したという名勝 錦帯橋(きんたいきょう)が…!
うーん、造形美。

世界に類を見ない5連のアーチから成るこの橋は
1673年ときの岩国城主 吉川広嘉(きっかわひろよし)によって架けられた。
(その後台風で流失したり、老朽化したりなどで、今のは4代目だそう)

写真手前が城下町となる。

他の町はどうなのか、不勉強なのだが、
ここは筋によって「商店街」「問屋街」「花街」などにわかれ
それぞれ家の造りに特徴があるそうだ。
ここは確か問屋街の筋、お醤油屋さんの軒先。
「はり」がタテにもヨコにも架けられている珍しい造り。


随所に宇野さんの言葉が…。


「おはん」にも登場する老舗旅館、半月庵。
ここのご主人がとても気さくで、この辺りの見所を詳しく教えてくださった。

名物「岩国寿司」をいただく。
岩国れんこん、錦糸卵などを挟んだ押し寿司で、
この地域の冠婚葬祭には欠かせない郷土料理だそう。


お腹一杯になって、錦帯橋を渡り、お城側へ。
ロープウエイで岩国城を目指す。


この日はとーってもいい天気!
見晴らしも最高!
写真では薄くなってしまって見にくいが、中央やや左に宮島が…。
眼下は緑濃い公園になっていて、
岩国美術館や吉川史料館、徴古館、武家長屋など岩国の歴史が学べる
さまざまな建物が点在している。
こう、錦帯橋を境にした「テーマパーク」みたいな印象。
春は桜がとてもきれいだそう。


カップルが記念写真を撮っていたが…
実はこの日の気温、29℃。真夏の暑さでTシャツ+薄いカーディガンの私でも
ばて気味だった。
花嫁さん、たいへんそう…。

隣駅には宇野千代さんの生家があり、記念館としてゆかりの品々を展示しているそうだが
生憎この日は休館日。残念…。


公園のすぐ近くにある「おはんの碑」。
原稿用紙になっているの、わかりますか…?


「おはん」は雑駁に言ってしまえば三角関係の愛憎劇みたいで
どうも私にはなじめないところもあるのだが、
今回、その舞台となった地を訪れてみて、
-ああ、実際にはこんなのどかな、ゆうらりと時を刻むような中で
意外に淡々と営まれていった物語だったのだなあ-と、
少し、親しみを憶えた。
白黒、善悪はっきりさせるわけでもなく、悪も許容しながら、
ただただ、人を愛する気持ちがあれば、(それなりに)幸せに過ごせる。
そんなおおらかな風土を、岩国に感じた。


それにしても、新横浜の新幹線ホームに降りたときの寒さといったら!
山口県と神奈川県ではこの日、間違いなく「季節が違った」。
まるで日付変更線でも越したみたいに、
体がとまどっている。


岩国から持ち帰ってきた(はずの)おおらかさで、
もう一度「おはん」を読んでみようかな。

コメント一覧

神奈川絵美
すいれんさんへ
こんにちは
美しくのどかな風景に、心洗われました
私も、男女というくくりはともかく、人としての潔さ、カッコ良さが備わればいいなーなんて思うのですが、なかなか…。
すいれん
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
素敵な所ですね~。宇野千代さんの言葉も素敵。年齢を重ねたカッコよさ、お手本にしたいものです。最近、おじさん化している私、反省です。
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは
錦帯橋、かなり感動しますよ! 秘境とまでは言いませんが行きにくい場所だけに、どーんと山奥に出現(?)する壮観な姿には圧倒されるほど。

>最後まで「女」というものが
そうでしたか~、女冥利に尽きるというものですね。
セクシャリティに限らず、何歳になっても人を惹きつける「良いオーラ」を放っていたいものですよね~。
Tomoko
わあ~!錦帯橋!いつか私も見てみたい場所です~、うらやますぃ~い!(^。^)
最晩年の宇野千代さんを、何かの公演のさいにお見かけしましたが、やっぱり桜をお召しでした。そのころ最晩年の武原はんさんも近くでお見かけしましたが、色はまったく違うものの、このお二人からは年齢に関係なく最後まで「女」というものが匂ってくるようでしたよ、オーラがね~。
神奈川絵美
straycatさんへ
こんにちは
いえいえ、前日に大阪で仕事があり、
その日のうちに広島へ移動、翌日岩国へ向かいました。
20数年ぶりに原爆ドームや平和記念公園も観てきました

錦帯橋は本当に、山奥まで足を延ばして…という感じですよね。交通の便は良くないですが、
突如目の前に開ける城下町はまるで時間を遡ったかのように、風光明媚な場所でした。

宇野千代さんは、心のままに生きた人というイメージですが、孤立することなく周囲に愛されましたよね。
それだけ人間力が優れていたということなのでしょうか…。
straycat
なんと
絵美さん、山口まで日帰りですか?フットワークが軽いですね~でも折角近くまで行ったのなら、やっぱり足を延ばして錦帯橋は見てこなくてはね。
宇野千代さんはご自分の自伝がテレビドラマになったのを見ましたが、本当に奔放というか、エイヤっと飛び降りる奔放さではなくて、自然の流れに逆らわず生きたらこうなったという奔放さ。でも、しがらみに囚われずに自然の流れに身を任すことのできる人って、そういないですよね。
小説の方は、幸吉さんという人が何だかよく分からなくて、おはんもやっぱりよく分からなかった。子供だったんでしょうね。
神奈川絵美
むだかびさんへ
こんにちはっ
ここ神奈川も同じです~夜は寒いくらいで。でも関西はまだ「夏」でした。
昨年の今ごろもとても暑くて、着物で神戸へ行ったのですが正直、後悔した想い出が
今回は暑い上にかなりの移動距離だったので、洋服でしたがやっぱり正解でした。

岩国…美しい場所です。今は交通の便が良いとは言えず、陸の孤島っぽいですが、空港ができると聞いていますので、そうしたらもっと行きやすくなると思います。
むだかび
錦帯橋~!
 こんばんは!
日本は細長く四季の移ろいがなんちゃら…と言いますが、本当に今の日本には初冬と夏が同居していると思います。福島でさえ、寒くて夜は毛布と羽毛布団にくるまって寝ています。つい2週間前ぐらいは暑かったんですよ!

 錦帯橋!美しいですね。私はまだ行ったことがないんです。いつか行ってみたいなぁ~!
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