上布を着る時は帯を締めず、打ち掛けのようにさらりと羽織りたい。
(下に何を着るかが問題ですが・・・)
こんなに軽やかで涼しげな着物を着て、帯でギュッと締め上げてしまうなんて
もったいないですよね。
羽織ったとき上布が光を受けて輝き、そして光を通し
風を孕み、そして風を通してくれる・・・・・
なんて贅沢な布でしょう。
布を体にかける(「まとう」ではなく、やっぱり「かける」かな?)ことで
自然界に潜む邪悪なものが体に入り込むのを防ぎ
いい「気」だけを体に与えてくれる・・・・
そんな気がします。
魂を守ってくれる布。
たくさんの人達の手が入り、想いが入って織り上がった布は
そういう霊的な力をも備えているように思えます。
気の遠くなるような手仕事の積み重ねで生まれる宮古上布。
唯一の宮古島の伝統工芸品であり、誇れる財産でもあります。
自然の豊か恵みを与えてくれる山もなく、川もなく、生きていくことで
精一杯だった先人達の暮らしからは、芸術的要素を含む
いわゆる「工芸品」は、生まれにくいものだったのでしょう。
宮古上布も貢納布としての苦しみを伴う布。
昔、生活のために上布を織った女性達に思いを馳せるとき
軽やかな布が、とても重く感じられてしまいます。
宮古島に生まれた私達にとっても(もちろん、そうでない方達にとっても・・)
宮古上布がもっと身近な布になるといいのに・・・・
おまりにも、お値段が・・・
「叶」では、上布をもっと多くの方々に楽しんで頂きたいと思い
キリムショップ「ゆう」の吉浜さんや「着物地ひろこ」の平良さんに
協力して頂いて、古布を仕立て直したお洋服や小物などを
ご紹介させていただいております。
宮古上布のロングコートは、とても着心地がよくて、幸せ~な気分に
浸れますよ。。。
そうそう、沖縄には「ウシンチ」という着物の着方があるじゃないですか~
いつの日か、極上の宮古上布を「ウシンチ」で・・・楽しみたいですね。