宮古島から ~ 琉球モノ語り

沖縄の伝統工芸品をはじめとする、「琉球モノ」の魅力をお伝えいたします。

宮古上布 ~ 光と風を感じられる布

2006-05-16 | Weblog

上布を着る時は帯を締めず、打ち掛けのようにさらりと羽織りたい。
(下に何を着るかが問題ですが・・・)

こんなに軽やかで涼しげな着物を着て、帯でギュッと締め上げてしまうなんて
もったいないですよね。

羽織ったとき上布が光を受けて輝き、そして光を通し
風を孕み、そして風を通してくれる・・・・・
なんて贅沢な布でしょう。

布を体にかける(「まとう」ではなく、やっぱり「かける」かな?)ことで
自然界に潜む邪悪なものが体に入り込むのを防ぎ
いい「気」だけを体に与えてくれる・・・・
そんな気がします。

魂を守ってくれる布。

たくさんの人達の手が入り、想いが入って織り上がった布は
そういう霊的な力をも備えているように思えます。

気の遠くなるような手仕事の積み重ねで生まれる宮古上布。
唯一の宮古島の伝統工芸品であり、誇れる財産でもあります。

自然の豊か恵みを与えてくれる山もなく、川もなく、生きていくことで
精一杯だった先人達の暮らしからは、芸術的要素を含む
いわゆる「工芸品」は、生まれにくいものだったのでしょう。

宮古上布も貢納布としての苦しみを伴う布。
昔、生活のために上布を織った女性達に思いを馳せるとき
軽やかな布が、とても重く感じられてしまいます。

宮古島に生まれた私達にとっても(もちろん、そうでない方達にとっても・・)
宮古上布がもっと身近な布になるといいのに・・・・
おまりにも、お値段が・・・

「叶」では、上布をもっと多くの方々に楽しんで頂きたいと思い
キリムショップ「ゆう」の吉浜さんや「着物地ひろこ」の平良さんに
協力して頂いて、古布を仕立て直したお洋服や小物などを
ご紹介させていただいております。
宮古上布のロングコートは、とても着心地がよくて、幸せ~な気分に
浸れますよ。。。


そうそう、沖縄には「ウシンチ」という着物の着方があるじゃないですか~
いつの日か、極上の宮古上布を「ウシンチ」で・・・楽しみたいですね。



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