ソフトウェア開発したい日記

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スライダクランク機構におけるピストンの稼動範囲

2010年05月03日 12時11分35秒 | ソフト開発日記
スライダクランク機構におけるピストンの揺動(稼動)範囲の計算に関するメモ。

原点O、点A、点Pからなり、
点Aを原動端、点Pをピストンとするスライダクランクについて考える。
辺OAの長さをa、辺APの長さをpとする。(今回はa



オフセットが無い場合
これは非常に単純で、リンクが伸びきったときが最大
リンクが完全に折りたたんだときか最小となる。
すなわち、点Oを(0, 0)としたとき、ピストンの稼動範囲は
最大(0, a + p)、最小(0, p - a)、距離にすると 2a である。

オフセットがある場合
高さ h のオフセットがあるとする。
ピストンの位置が最大になるのは、オフセットが無いとき同様に
リンクが伸びきった状態である。
このとき、原点とピストンとの水平方向の距離 d は、三平方の定理より

d = √{(a+p)^2 - h^2}

で求まる。
次に、ピストンの位置が最小となるところ。
原動節が1回転するような条件であれば、腕が折りたたんだときが最小とできる。
このとき、dは

d = √(p^2 - h^2)

と単純に求めることができる。
問題は、原動節が1回転せずに、てこ運動する場合。
このときピストンは、原点のx座標をまたぐように往復する。

まず、原動節が1回転できる条件について考えてみる。
これは、腕が完全に折りたたむことができるか否かが条件になっていると思える。
すなわち、aとpを固定としたとき、オフセットhを増減していき
点O, A, Pが垂直方向に一直線に並んだときが限界であると。
このときのhの条件は、

p - a = h

である。
では、1回転しないときピストンはどこまで後退するのか?
原動節を左回転、オフセットがプラス方向であると考えると
点Aと点Pが垂直になるまで、である。
それ以上左回転させようにも、点Aと点Pが縦に並んでいたら
左右に往復運動しかできないピストンは、それ以上点Aと点Pの距離を
縮めることはできない。安定限界(?)となる。

この時、点Aは原点0に対して第3象限にあることは容易に想像がつく。
辺AOと水平方向とのなす角をθとすると、
点A、Pが垂直方向に並んでいるとき、次の式が成立する。

p - a * sin(θ) = h

ここで、知りたいのはこの瞬間の点PのX座標。すなわち、-cos(θ)であるから

θ = sin^(-1)((p-h)/a)
-cos(θ) = -cos(sin^(-1)((p-h)/a))

以上により、原動節が1回転しない場合の
ピストンの位置が最小になる点は

(h, -cos(sin^(-1)((p-h)/a)))

である。(と思う)